相沢こうた

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

2021年8月

〇ここ2週間ほど新聞を読んでもほぼ毎日オリンピックと新型コロナウイルス感染症、この二つの柱は変わらず、私なりにこの二つについて今思う事を書いてみます。

・コロナ禍で実施するのか否か、観客を入れるの入れないの等、直前までドタバタしていた東京オリンピックは結局のところ一般の観戦者は入れないということで7月23日に始まりました。開会式はダラダラと長く自分は途中で寝てしまいましたが、個々の競技は興味深い内容が多くあり、選手は自国の期待やら自身のプライドなど思いはそれぞれに違うのでしょうが、素晴らしい戦い・試合を随所に見せてくれるとともに、この舞台に立つまで各選手が背負った背景が様々にあり、その事実を知る度に共感・感動することも多くあります。ほとんどの選手がこの大会が無観客であることに理解を示しているように感じますが、それは新型コロナ感染症の脅威を全世界的に皆が体験しているということの表れなのだと思います。無観客で余計な雑音が入らないことは純粋にスポーツを見るという意味では悪いことばかりではなく、走る、踏み切る、球を打つ、取る、蹴る、矢を放つ、ぶつかり合う、飛び込む、靴が擦れ合うなど様々な音がよく聞こえ、これは滅多にない機会でありスポーツを深く楽しめると思っています。しかし本来オリンピック開催地を世界中の複数の都市が取り合う一番の目的はそれが生む経済効果だと思いますので、アスリートの皆さんには失礼ですが多額の国や都の税金をつぎ込んで強硬に開催しましたが、オリンピックを開催している価値は相当下がってしまっていると思いますし、コロナ禍で疲弊していた商売を、オリンピックを契機に回復のきっかけにしたいと願っていた人たちからするとその落胆は大変大きなものでしょう。海外から来た選手の方々も試合会場と宿舎以外の何処にも寄らず日本の文化に触れる機会が無いまま帰国する方が多いと推測され、これはお互いに非常に残念なことです。東京オリンピックのキャッチフレーズのひとつであった「おもてなし」の五文字を口にする人はいなくなってしまいましたし、これを書くまでこの言葉を私もすっかり忘れていました。「おもてなし」ひとつ取っても10年前のオリンピック招致時に描いた姿とは似ても似つかないものに変わってしまいました。今更開催してしまったものに難癖は付けませんが、この開催に費やした経費等が未来の人たちの負担として残ってしまうことだけは無いようにしていただきたいと思っています。

・一方で新型コロナの感染者数は日ごとに非常に大きな数値で増加しています。八王子市の感染者も再び増加傾向にあり、累計感染者数は5200人を超え全市民の1%近くになって来ました(8月5日現在)。東京とその近郊では増加傾向に歯止めがかかりませんが、それでも報道される街や主要駅の映像を見る限り人流が減少しているようには見えず自粛を呼びかける声が虚しいものになっています。東京オリンピックは無観客にしたので、当然ですが競技会場での感染拡大は無いのですが、オリンピックを開催したことで緊急事態であるという危機感が薄れている、そういう影響は大いにあるのだと思います。オリンピックはある意味「お祭り」です。2年近くの間、様々なイベントや地方での町会などの小さなお祭りも含めて尽く中止にして我慢してきたタガが、オリンピックというお祭りを身近で開催することで外れてしまった人が多くいるのではないでしょうか。
また新型コロナが流行りだした当初は感染経路や濃厚接触者を正確に特定して一定期間隔離する作業に力点を置いて行っていましたが、東京都で1日当たり4000人を超える数となり感染していても無症状の若い人が多くいる現状では、その作業はもはや不可能でしょう。感染経路や濃厚接触者を特定出来ないということは無症状の陽性者が無意識のうちに感染を拡大させてしまっており、感染源をどんどん広げて行ってしまっていることになっていると推測され、もはや感染拡大を押さえることは不可能なのではないかと思います。こうなるとワクチン接種を一刻も早く進めることが求められ、ワクチン接種によって感染しても重症化しない人を増やしていくことしか方法は無いと思います。2月のトップページに詳しく記載しましたが、100年前に全世界で流行したスペイン風邪(インフルエンザ)の終息は、スペイン風邪を生き延びた人の大部分が感染と共に免疫を自然に獲得したことによるものです。この歴史から考えると、新型コロナウイルスに感染しないように逃げ回って来ましたが、結局ワクチン投与か軽易なコロナ感染により抗体を手に入れることしかコロナ終息には行きつかないということになるのではないでしょうか。ここ数ヶ月は従来型のウイルスではなく変異型に感染する傾向が強くなっているようですが、ウイルスが変異していくことは特別ではなく普通の事のようですので、感染流行の期間が長くなると当然のように新たに変異したウイルスが発生しやすくなるのではないかと素人なりに思い、そうなると現在打っているワクチンの効力が薄れるだの何だかんだと別の課題が発生する可能性もあると推測されますので、とにかく今はなるべく早くワクチン接種を完了させることが一番しなくてはならないことだと考えます。ワクチン供給の安定化に尽力すべきだと強く思っています。

◇◇新型コロナウイルス感染症に関して(データ、数値は８月9日現在)◇◇

◇8月9現在、八王子市民の累計感染者数は5700人を超え全市民56万人ですので感染者は市民の約1％となったことになり、この数値は東京都を見てもほぼ同様で100人に1人が既に感染したことになります。日々の報道の通り7月の4回目の緊急事態宣言後に感染者数は落ち着くどころか爆発的に増加しています。重要な課題しして自宅療養者の数が増加していることがあります。東京都の確保病床数に対する入院患者数は8/9時点で中等症用5575床に対して入院3368人、重症用392床に157人の入院となっていますので一見空きがあるように見えますが、現在の療養者数は36,075人おり、そのうち自宅療養17,356人(本市の同日の自宅療養者は600人を超えています)、その他は宿泊療養1,900人弱を除いた13,300人程度が調整中となっています。　要は療養者数が多過ぎるため既に全ての感染者を受け入れることは不可能であり自宅療養が基本となっており、自宅療養で容体が悪化した方を入院させる方法を取っているため一見空きに見える枠がある、重症者床も同様です。ちなみに調整中の13,300人は自宅待機、これが実態です。

・ここのところ20～30歳代の若い人の感染率が非常に高くなっています。このことで同時に増加しているのが若い方のこども=乳幼児の感染です。乳幼児とお母さんを同時に受け入れる床は既に満杯であるためこの方たちもほとんどが自宅療養となっており自身が感染していながら感染している乳幼児の世話をしなくてはならない大変辛い境地に追い込まれている方が多くいるのです。　若い世代へのTVのインタビューでは「もう自粛は我慢の限界」「若い人は重症化しないのでしょう」といった言葉を多く聞きますが問題はそこでは無いということをしっかりと認識してもらわなくてはなりません。感染した場合、宿泊療養も狭き門となっており7～8割以上の方は自宅療養になります。幸いに本人は軽症でも同居している家族への感染源になってしまう可能性は高く、こどもに移してしまったら乳幼児であっても基礎疾患があるなど重症化リスクが高くない限り特別扱い出来ない状況にあるのです。核家族化が進んだ現代では近隣に頼れる親族すらいない若い夫婦は多く、子育て経験にも乏しい中でコロナ感染してしまった幼子を二週間も看病し続けるといったことに耐えられるのか、非常に重い課題です。更に幼子は出歩きませんので感染させたのは紛れもなく親です。不安と自責に押しつぶされるような日々を送るようになってしまいますよと、こういったことを若い世代に理解させる必要があると感じています。

《飲食店だけを厳しくターゲットにする感染防止策はどうかと思う・・》

◇お酒を飲むと羽目を外すと、これは嫌というほど身を持って体験していますが、それには条件があります。大人数であったり飲んでいる時間が長く量を飲みすぎたり・・。蔓延防止策として実施していた時の「人数は2人まで、それ以上は家族限定、時間は1.5時間程度、夜8時まで」これくらいで良いと思います。食事の一部としても認めていないため外食にすら出なくなる人が多く飲食店の客が減り過ぎています。時間を守らない・大騒ぎをするなどルールに従わない者には簡単な方法で名前を公表、多額に設定した罰金を課す制度を作れば、ある程度秩序は守れると思います。ワクチンを打ち終わっても終息する確証は無くコロナ禍の終わりはいつなのか誰も宣言出来ない現状を考えると、経済を回すことや我慢の生活の中でのある程度の裕度を作っておくことも大事だと思います。

《コロナ対策の根底を理解していない》

◇マスクをするのは何故でしょうか、自分が移らないためと答える人が圧倒的に多いでしょうが隙間だらけの着け方でそれは不可能です。マスクを着けるのはくしゃみや咳、会話のツバなどで人に感染させないことが目的です。手を消毒してお店に入るのも自分の感染防止よりはウイルスを持ち込まないということが目的です。お酒を飲んで羽目を外し不特定の人と接触してウイルスを持ち帰ったらいつも近くにいてくれる仲間や家族、大切な人たちに移してしまいますよ、だから人のために我慢しましょうと理解すべきです。自分は若いから、基礎疾患が無いから感染しても大丈夫とかということではない、自分だけが苦しむのなら勝手ですが、問題は自分が感染源となってしまうことです。宝物である幼いこどもや親しい仲間に移してしまうこと、それがどれだけ罪深いことかを考えるべきなのです。

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