こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。
平成27年8月
○厚生労働省は7月1日から児童虐待防止のための児童相談所全国共通ダイヤルとして3桁の番号「189」を開設しました。虐待かもと思ったら189(いちはやく)へというキャッチフレーズで、ここに電話すると近くの児童相談所につながるとのことです。
◇本年6月に行われました第2回八王子市議会定例会において「妊娠相談等に関する全国共通ダイヤルの設置及び地方公共団体の相談体制の充実強化への支援に関する意見書」というものを提出し、全会一致をいただき国に意見書を提出いたしました。これは会派視察で熊本市に「こうのとりのゆりかご」との関わりをお聞きしに行った際(活動報告VOL.39の3に詳細を掲載しています)望まれない妊娠による事件や相談が非常に多く全国的な問題であると認識し、熊本市だけにこの問題の解決を任せておくのではなく各地から声を上げるべきだと考えた結果でした。
・少し長くなりますが問題の概要を述べてみます。熊本市にある「慈恵病院(熊本県熊本市西区にあるキリスト教(カトリック)系の医療法人聖粒会が設置・運営する病院)」では2007年から「赤ちゃんポスト」(後に名称をこうのとりのゆりかごとしている)を事業展開しています。この事業に関しては熊本市が許可を出していること、慈恵病院の目的は赤ちゃんの命を助けることで、その赤ちゃんの戸籍やその後の養育(乳児院、児童養護施設など)は行政が関わらざるを得ないこと、人のいのちに関わる事業としてその状況について常に関わりをもつ必要があること、などの理由で熊本市は設置申請以降、深く関わらざるを得ない状況に置かれています。
平成19年の開始から平成25年度までの統計では、ここに預けられた子どもは101人にも及び、わかっているその父母の居住地は九州に限らず関東や北海道までの全国範囲に及びます。最近は遺体となった赤ちゃんが預けられたり、預けられる赤ちゃんの二割余りが身体が不自由であったり、と新たな問題が発生しています。また乳児院や児童養護施設の枠にも限りがあるとともに、預けられた赤ちゃんが成長して子どもになってきており当人に出生のことをどのように伝えるのか、など成長に伴った問題が発生してきています。
・慈恵病院には赤ちゃんポスト設置時より妊娠に関する相談窓口を設置しておりますが、ここにかかる相談件数が増加の一途をたどっており、相談者はこれも全国各地からのものとなっています。
・妊娠に関する相談窓口は厚生労働省が全国の自治体などにこの設置の必要性を呼びかけていますが、その対応はまちまちです。また窓口設置に対する国からの金銭的な援助はありません。
・熊本市でも相談窓口を設けていますが、ここにかかる件数は少なく、行政が運営しているということが相談しづらい印象を与えているのかも知れないとの見解を持っています。
・社会を見ますと「望まない妊娠」による悲劇は至るところで発生しています。誰にも相談できず医者にもかかれず自宅での出産に至り母子ともに命に関わる事件、産んだ子どもを殺めてしまう事件、育てられず虐待などにより殺めてしまう事件など様々なケースがありますが、どれも大変悲惨な事件であります。また妊娠・出産は女性の働き方や生活そのものを大きく左右する出来事ですので、事件に至らずとも大きな悩みとして抱えてしまうケースは多くあります。
・これらのことを総合して事態を重く見た熊本市長は国に要望書を提出していますが、今のところ国の具体的な動きはないのが現状です。
◇具体的には冒頭に記載した「189」と同様に妊娠相談窓口ダイヤルを全国共通で設置していただくことと、各行政や団体で実施する相談窓口に対する金銭的な援助を行うことを目的としています。熊本市以外で八王子市からだけではまだまだ声が足りないと思っており、現在私の友好がある各市の議員の皆さんに呼びかけて問題を認識していただき様々な方面から声を上げていただけるよう活動を広げております。もしもこのページをご覧になって興味を持っていただけた方がおられましたら是非ご連絡をいただきたいと思っております。
【熊本市のゆりかごに預け入れられた子どもの措置援助等のフローチャート】
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