こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。
東京都議会議員選挙が終わり、7月は参議院議員選挙が施行されます。都議会議員選挙では投票率が低調に終わりました。各政党が参議院選挙の前哨戦として位置付けた結果がこのような低投票率に終わったという意味をしっかりと検証すべきだと思います。巷では争点がはっきりしなかったことが理由のひとつに上げられていますが、争点は無くとも「都議会といった場所で何が行われておりそれらが都民の生活にどのように影響してくるのか、そして今後の4年間の任期でどういった活動によってそれを解決していくのか」といったことをかみ砕いた表現や言葉でわかりやすく訴える候補者は残念ながらあまりいなかったように感じました。投票に行かなかった人の話しが新聞に掲載されていましたが、「衆議院議員選挙で政権交代した民主党に投票したが生活は何も変わらなかった」「各政党の方々が生活が良くなるようなことを言うけれど本当なのかなぁと疑問に思う」「身近な問題はそっちのけで繰り広げられる政党同士の争いに戸惑った」など、一般には冷めた見方をする方が多かったようです。菅原琢氏(政治学者・・政治過程論、計量政治)の都議選の分析を読みますと「自民党は着実に支持を回復していることは確かだが世論調査の内閣支持率や政党支持率では肯定的な回答を引き出しているものの、それらの人々を投票所に呼び寄せて投票させるまでには至っていない。小泉政権と比較されるが小泉政権下での選挙では投票率が上がり自民党は得票を増やして勝利していることを考えると様相は全く異なる」とあります。
一方でFNNが今年6月に行った世論調査結果によりますと、現在の内閣支持率は60.7%と高い数値を維持していますが、現政権が一番の政策としているアベノミクスについて、評価するとした人が51.8%と半数を超えていますが、その効果について実感しているとした人は14.9%、していないと答えた人が82.3%もいます。またアベノミクスと呼ばれる経済政策の先行きに不安を感じると回答した割合は64.4%と感じないの27.2%を大きく上回っています。
参議院議員選挙の政策で争点となるアベノミクスに関して有権者はある程度の評価はするがそれを実感するに至っていないということになります。民主党は賃金が上がらない中での物価上昇やローン金利の上昇などが起きていると批判していますが、では民主党ならばどのように経済を立て直すのか具体的な策を提示しなければ説得力がありません。有権者は民主党に対して政権交代で結果を出せなかったことを鮮明に記憶していますから、余程しっかりとした具体策を示せないと心はつかめないと考えます。また電気やガスの値上げについても強調していますが、そもそもは民主党政権下で全ての原子力発電所を止めて火力発電に移行したことで燃料費の輸入が急増した影響での料金値上げですから、脱原発政策との整合性も含めて正当な具体策の提示は簡単ではないように思います。日本人は一度だまされてもすぐに忘れる、と以前はよく聞いた言葉ですが、私の周囲を見ても今回はそういう言葉は通じないほど皆が冷静に見ている感じがします。
選挙戦が始まると相手を批判し、誹謗中傷して有権者の不安をあおるような「レッテル貼り」といった戦法に出る政党、政治家が目立ち始めます(都議会議員選挙での各政党の国会議員の応援演説で既に随分聞きました)。手っ取り早く相手を叩くときに使う戦法で扇動政治家の手法であり慎むべきで、不毛なレッテル貼りは有権者の政治不信を助長すると、明治学院大学の川上教授が警鐘を鳴らしている記事を拝見しました。
都議会議員選挙の低投票率が意味するものは一言で政治不信だと思います。有権者の側には何も変わらない、何をしてくれる訳でもない、といったあきらめが蔓延しているように感じます。国民の身近なところにある生活に直結する問題、将来に影響する問題について、普通に生活する者の不安要素を取り払うべく道筋を長期的構想を含めた矛盾のない政策として提示するなど、正々堂々とした政策論争を望みたいと思うのは私だけではないはずです。
7月
・7月21日には参議院議員選挙が行われます。連合の各産別から全国比例区で多くの候補者が擁立されます。産別毎に擁立に至る背景は様々でしょうが、労働組合が政治活動を行う理由は組合員の生活条件の向上のためであり、擁立される候補者は皆それぞれに一般国民の立場に立った考え方のもとで目的達成に向けて努力してくれる人たちで、少なくとも自らがやるべき目的を理解している人ですから、一人でも多くの連合産別組織内候補者の当選を願うばかりです。
私は電力の出身ですので、電力総連が擁立する浜野よしふみ氏を応援させていただきます。電力業界は現在政治的に注目される立場にありますが、ここまでの国での電力に関する議論はお世辞にも専門知識に長けたと言えない人も多く参加しており、電力という仕事がまっとうに評価されていないと感じております。現代社会において電気は水や空気と同じように私たちの生活に不可欠のものとなっており、電気が安定して安価であることは国民生活や社会の安定に直結しています。今後の電力を含めたエネルギー政策をどのように進めていくのかということは、もはや電力業界の域にとどまらず日本の将来にとって非常に大事な課題です。電力に関する議論に私利私欲やおかしな力点を加えることは結果して国民の不幸につながってしまいます。浜野よしふみ氏には国での発言の場でこういったエネルギー政策の基本理念をしっかりと訴えていただきたいと思っております。
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