こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。
3月11日の震災以降「がんばろう日本」という合言葉のもとで、日本は国全体が復興に向けて力を合わせて取組んで行くことを目標にしています。直接被害を受けていない地域や企業、自治体でも様々な形で影響が出ており、このことは国民の多くが生活に何らかの影響が出ていることになりますから「がんばろう」は被災地のみならず日本中が心をひとつにして頑張らなくてはならない時だという意味だととらえています。
福島第一原発の事故によって電力産業に対しては世間の風当たりが非常に強い状態が続いています。特に政治の場面と各種報道では、目の敵のようだと表現しても過言ではない表現をされることも多く、電力出身の私としては憤りを覚えることが多くあります。
先日、関東地方を直撃した台風15号の強風と大雨、そしてその被害は記憶に新しいところです。この台風は関東地方通過が平日の午後の時間帯となり、交通機関のほとんどが止まったため帰宅できずに駅やバス・タクシー乗り場に溜まるたくさんの人々の様子が報道されました。この時、電力の職場ではほとんど全ての社員が停電などの事故対応のために社内に待機し、台風が過ぎ去った以降も明朝、そして次の日とトラブル個所の早期復旧に向けて寝ずの現場対応に追われていました。大震災以降「悪者」のように扱われ世間からは常に厳しい目を向けられている仲間が、今までと何ら変わりなく必死で電力の安定供給のために頑張っている姿を見て心を打たれました。
「がんばろう日本」の合言葉は国民全員が力を合わせてがんばろうという意味であるなら、福島第一原発の職場で必死に復旧にあたっている者、これ以上被害を拡大させないために他の原発の安全対策強化に汗を流している者、国民の生活に欠かせない電気をあらゆる方面で守っている者などに対して、一緒にがんばって行こうと声を上げてくれる政治家や報道関係者がいて欲しいと思って止みません。
【10月】
○不安視されていた夏の電力供給に対して八王子市は市の施設の徹底した節電対策を実施しました。6月以降の市施設は前年比22~25%の節電成果を挙げました。これは「3月11日の震災は国難であり市を挙げてあらゆる方面から協力していく」という黒須市長の強い意志に沿って積極的な節電対策に努めた結果です。
○今回の議会では「電力不足は峠を越したし足りているではないか。市の施設の節電を元に戻して市民サービスに努めるべき」という意見が様々な議員から出されました。しかし黒須市長は、多くの原子力発電所が停止をしている現状や、海外からの燃料入手の不安定さに加え、緊急対策として再稼働させた老朽化した火力発電所にトラブルが相次いでいること、またCO2削減の観点からも電力に関しては依然として予断を許さない状況であり、昨今の冬の電力需要を考慮したとき、節電のたずなは簡単に緩められるものではない、と議会の答弁ではっきりと考えを述べられました。
○私たちは3月11日以降、世の中が一変してしまったことを常に念頭に置いておかなくてはならないと思います。物によってはそれ以前の考え方が全くあてはまらなくなり、生活がどんどん豊かになってきたこれまでとはベースが大きく変わったのだ、ということを前提に物事を考えないと様々な議論がおかしな方向を向いてしまいます。八王子市に住んでいると震災の影響が続いていると感じ難い面もありますが、被災地の復興や今後の電力を含めたエネルギー政策などは未だに道筋がたっていないことを理解することが大切だと思います。また世の中の情勢が大きく変化したのに以前の生活を続けようとする現代人のエゴは、CO2削減を含めた環境問題や資源の有効活用など将来に渡っての一番大切な課題を封じ込めてしまっていますが、次の世代により良い世の中を引き継ぐという責任が私たちにあることを絶対に忘れてはならないと思うのです。
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