八王子市議会議員の相沢こうたです。
今年の冬は全国的に大変に厳しい寒さとなっています。ここ数日は八王子市の我が家でも朝、水道管が凍結している日があるほどです。電力使用量は全国の電力会社で警戒域とする90%を超える状況が続いており、このことも厳しい寒さを物語っています。2月3日には九州電力で火力発電所のトラブルが重なり供給可能量の94%となり逼迫した状態となりました。電力各社で電力供給の綱渡り状態が続いているのは定期点検で停止した原子力発電所の再稼働の目処がたたないことに原因があります。
2月3日現在、全国で稼働している原子力発電所は3基のみで、これらも近日中に定期点検のために停止します。これを代替えしている火力発電所についても長期間連続フル稼働での運転では故障のリスクが増し、また発電コストは火力の方が高いですから電気料金の値上げに直接結び付くことになります。
この冬は寒い寒いと言いつつも後ひと月もすれば乗り切れますが、問題はこの状態で果たして夏がどのようになるのかということです。枝野経済産業相は「いかなる状況でも制限令を発動しないで乗り切りたい」と発言していますが、数字の裏付けについては全く語っていませんから発言の根拠に乏しいと思います。
例えば原子力発電が電力全体に占める割合についてお話ししますと、原子力発電は平均すると全電力量の30%程度ですが、これを電力会社ごとに見ると大きな偏りがあり、中国電力では14%程度ですが関西電力では48%が原子力発電であるという現実があります。電力融通に関しては、この夏は各社ともに厳しい状況が続くことは疑う余地のないところですからお互いに過度な期待が出来ないことは明確で、地域によっては電力が全く足りなくなってしまうことは容易に想像ができます。
先日テレビで夏の電力ピークの話しをしておりましたが「ピーク時は14時前後でこの時間は太陽が照りつけているため太陽光発電が最大限の効果を挙げる」といった発言をしている方がおりました。残念ながら太陽光発電は外気温度に影響され外気温が上昇し30度程度以上になると発電効率が下がってしまう傾向にありますので、この発言は誤っています。
こういった見通しひとつについても正しい試算をしている人は案外少ないのではないかと感じますし、メディアでの報道に関しても電力や産業界のことをバランスよく把握し、より現実的な見解で報じているものを残念ながら未だ見ていません。
私は今のままの全原子力発電所停止の状態ではかなり厳しい夏になる、節電では対処しきれず計画停電は避けることはできない、と想像しています。その根拠には全発電所の状況や供給力といったこと以外に、昨年夏の関東地区での電力不足時の節電結果というデータを見れば一目瞭然です。
八王子市での節電結果ひとつ見ても、市民の皆さん全員が節電を心がけて協力してくださったにも係わらず市内全体で20%の節電には届かなかった訳で、関東地区の原子力発電依存度30%と比較すれば節電を一生懸命実施しても全体の10%~20%は電力が不足する計算となり、この分は計画的に停電を実施する必要があるということになる訳です。原子力発電所の再稼働は容認できない、けれども停電・節電も回避したい、そんな安易な考え方でいる人は割合に多いのではないかと想像しますが、現実は確実に二者択一となります。安全性を確認できた原子力発電所を再稼働させるのか、動かさずに停電に協力していくのか、このことを逃げずに世論としてまとめる時期になっていると思います。
日本の今年の夏まで案外時間的余裕はありません、「決断の夏」の議論を正しい数字的裏付けを持って早急に進めないと間に合わなくなる時期にきていると思います。
2月
○1月22日に八王子市長選挙が行われました。新人3名の選挙となりましたが、私たちも支援をさせていただいた石森新市長が誕生する結果となりました。今後の石森市長の活躍に期待しています。
○一昨年の一般質問で提言させていただきました平成25年の国体に向けた八王子市民球場の改修が着実に実施されております。現在はレフト側のファールネットの拡張と外野フェンス拡張(92m⇒98m)の工事が行われております。
○1月31日から3日間の日程で市民・民主クラブ会派視察を実施いたしました。児童虐待の早期発見施策、公共交通整備計画、大学生による学校支援施策について勉強させていただきました。詳細については活動報告の欄に掲載させていただきますのでご覧ください。
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