こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。
平成27年12月
・12月の一般質問で少子化対策について取り上げました。日本は既に人口減少社会に突入しており、八王子市も昨年からその傾向が出てきました。ここ10年くらいの日本の平均出生率は1.3~1.4であり、人口を維持すると言われる2.07には程遠い数値を示しています。国の指針では早い段階でこの2.07という出生率に近づけることを目標とするとのことですが、事はそれほど単純で簡単ではありません。晩婚化や未婚率増加などを筆頭に様々な原因は容易に想像が付きますが、もっと深いところにこの問題の本質はあるのではないかと考えます。
・ここのところ幼児が犠牲となる理解に苦しむ訳のわからない事件が相次いで報道されています。生後二ヶ月の赤ちゃんの泣き声がうるさいとポリバケツに入れて放置し殺害、生後三か月の赤ちゃんに覚せい剤を投与し殺害、二歳児に火のついた煙草をくわえさせた父親が逮捕、など常識では理解できない事件です。こういった親に子どもを育てる資格があるのか、また何故これほどまでに人としての常識がない者が育ってしまったのだろうか、といった根本的なところに疑問が湧きます。
・9月のトップページに掲載させていただきましたが、熊本市のこうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)を運営する慈恵病院の妊娠相談窓口には相変わらず全国から様々な相談が寄せられており、その件数はいまだに増加の一途をたどっているとのことです。この相談窓口を国の責任において管理運営して欲しいという意見書を八王子市議会から国に提出することが出来ましたが、より多くの自治体から声を上げることで一刻も早い国の体制整備を図っていただきたいという思いで、他の自治体議員にお願いを続けています。既に日野市議会、立川市議会で同様の意見書を採択していただくことができました。国の子どもを産み増やす少子化対策は方針として理解しますが、妊娠・子育ては親になる者の人生を大きく変える出来事です。大切なことは「幸せな子育て」につながる施策が下地として絶対に必要であり、悲惨な虐待や幼児殺人などの事件が頻発することを防止しなくては見た目だけの出生率を上げることに躍起になっても何の意味も持ちません。
・私が子どもだった40~50年くらい前、世の中はそれほど裕福ではありませんでした。世間では様々な事件があったことを子どもだったので覚えていないだけかも知れませんが、少なくとも自分たちの周りでは質素なりに幸せな世界があったように記憶しています。とにかく近所には子どもが溢れていましたから活気があったし楽しかった。時代が大きく変化していますからその時代のことは過去のことだと一言で片付けてしまうことは簡単でしょうが、殺伐さを感じる現代は昭和の時代に学ぶことが多くあるのではないかと思っています。昭和30年代から40年代を題材にした、映画「三丁目の夕日」や漫画「20世紀少年」の世界観は現代人に欠如したとても大事な何かがそこにあるように思えるのです。
・現代の風潮として「新しいから良いもの」という何の根拠もない考え方が蔓延していてこれは危険だとずっと感じています。今とは歴史が積み重なった今であり突然の今は無いはずですが、世の中があまりにも過去を軽視し過ぎています。日本の少子化問題はつい最近のことで30年もさかのぼれば活気ある時代があった訳ですから、自分たちの足元から丁寧に見直してみることが少子化対策をはじめとした現代社会の浄化には一番良いことだと思っています。
労働組合の活動をはじめた頃に教えていただいた活動目的に「ささやかな夢を持って生きられる世の中の実現に向けて努力する」というものがあり、この精神は不変のものだと思っています。ささやかな夢を持ってそれを幸せだと実感できる世の中を実現すること、このことが実は現代の様々な社会問題解決のための一番の近道であり、いつからかその道を踏み外していることに気付くことがまずは大切なことなのだと思っています。
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