相沢こうた

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

6月

〇先月は緊急事態宣言の渦中にあり、コロナ禍以外のお話しが思い付かず、コラムをひと月お休みしてしまいました。
市議会の4月から5月は新型コロナに関係する案件が多くあり、密集を避けるため議員を全て集めるのではなく、会派代表者会議(私は市民クラブの代表をさせていただいております)が多く開催され、市長専決処分(これは議会を開催しないで市長の一存で予算執行する案件のことです)の内容説明を受けたり、様々なコロナ対策について議論したり、市議会議員の手当ての減額について話し合ったりしました。国会や都で「○○に対する給付がされることが決まった」とか、第△次補正予算が可決された、などというニュースを多く見聞きされたと思います。こういった施策展開が国や都で決定されると、それに見合う事業費とともにその仕事がそのまま地方行政に降りてきます。要するにそういった上位機関の決定を受けて実際に皆さんのところに手配するのは地方行政の役目なのです。ですからここのところ市役所は大変多くの業務量を抱えており、またここで始まった6月議会では、上位機関の方針に伴った補正予算の項目が多くあります。国会では「困っている国民の皆さんのところへ一刻も早く届くように」などと無責任な答弁をしたりしていますが、実際に事務手続きをするのは地方行政なのです。国民全てに10万円給付がされましたが、この時のインターネット申請システムは全国共通で国が作ったものですが、この使い勝手があまりに悪いので八王子市をはじめ多くの自治体で使用中止にしたのは記憶にあるのではないかと思います。こんなシステムの整備のために国はどれだけの費用を投じたのでしょうか、あべのマスクに続いて全くのムダ金です。国会で野党議員が、6月11日現在の給付金配布が全国ベースで3割程度の進捗率だとして、総理にその遅さを指摘していましたが、それは国で処理しているのではなく地方行政のため、責めるのであれば使えないシステム整備費用のムダを指摘するとか、今回の給付の大変さを反省してマイナンバーカードと銀行口座を連系する取組みを進めるなど国で行えるシステムの改善を議論していただきたいと思います。地方は何処も頑張ってやっているのですよ。

・さて、緊急事態宣言が解除され、少しずつ元の日常を取り戻す動きが始まりました。再び世の中がストップすることが無いように、個々人が手洗い・うがいの励行など感染しない・広げない注意を守りながら、科学的な根拠に基づく安全を手に入れるまではある程度の我慢を念頭に置いた生活をしていくしか無いのだろうと思います。正しい怖がり方と正しい行動が暫くは求められるのだろうと考えます。
　先日、議会の会派代表質疑で、八王子市独自で判断して出来るところから日常に戻していくようにしていただきたいと申し上げましたが、運動場や屋内プールなど入場制限を設けたり、一人の利用時間を短縮したりする工夫をするなどしながら営業を再開する努力を進めてくれています。小中学校も6月15日から給食が再開され、ようやく元の学校生活に戻ります。こどもたちに関してはこの3ヶ月以上の間、あまり理解できないまま異常な生活を強いられてきておりますので、行動を注意深く見てあげて徐々に日常に戻してあげて欲しいと思っています。

・このままコロナ禍が収束したとしても私はその後の社会の方が一段と心配です。国や都道府県、地方も含めて新型コロナ対策があたかも最終課題であるように沢山のお金を吐き出してしまいました。世の中の災害などの大きな試練は定期的に、近年はそのサイクルが短くなったような感じを受けるほど頻繁に繰り返されます。季節はここのところ毎年何処かで豪雨災害が発生している梅雨に入っていますし、梅雨が明ければ台風の季節になります。昨年の台風被害を思い起こせば同様のことがあればまた巨額な費用が必要になることは理解できると思います。海外では補償に対する国の耐力が無いと判断してコロナ収束を待てずに経済活動を再開した国も多くあります。人の命を軽く考えているのか、と批判する声をメディアで聞きましたが、そうでは無いと思います。将来に渡る大きな負債を負ってでも生活を保障するということは一見美しく見えるかも知れませんが、これらの負債が子や孫の世代までの大きな社会の負荷になってしまうと考えると、日本がコロナ禍でまるでタガが外れてしまったように次々と巨額の補償を出し続けている現実に疑問というか恐怖を感じるのは私だけではないはずです。議員は選挙などでよく「将来の子どもたちに夢のある未来を届けてあげたい」などと言いますが、今回これだけの借金を簡単に嵩増ししたことに疑義を呈する議員が少ないことが気になっています。

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