大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

令和元年6月議会

一般質問表題

・本市の次の100年の基礎となるビジョンについて
・AI、IoT、ロボットの福祉分野への活用について
・中山間地域の防災格差の解消について

一般質問詳細

◯議長(日比野芳幸君)
 12番 田中孝典君。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 私のほうからも、先般の選挙で多大な御支援を賜りまして、四たびこの議場へ送っていただきましたこと、心から感謝申し上げます。今、若い議員の皆さんが熱意のこもった質問をされましたので、私もそれに負けないように一生懸命取り組みたいと思います。特に去年1年は、副議長ということで質問を控えるということでございましたので、2年分やらせていただくかもしれませんので、よろしくお願いをいたします。
 まず、1番目、本市の次の100年の基礎となるビジョンについてでございます。
 慌ただしかった平成30年度が終わり、また新しい次の100年が始まりました。しかし今、私は、本市のビジョンが後退してしまったのではないかと危惧しております。なぜなら、再び水都大垣というキーワードに戻ってしまったからであります。この場合の水都とは、明らかに本市の低湿地帯における大量の湧き水、地下水を指しております。しかも、自噴水、井戸水、近代産業を支えるときに元手がただ、自然に湧いてくる、何もしなくても冷たい、いつでもある。このビジョンに戻ることが本当に次の100年を支えるビジョンになるのだろうか。これが大垣の発展を支えたビジョン、水都の正体。ただだからありがたい、自然に湧いてくるからありがたい。私は、これからの100年の大垣の発展を考えるときに、これでは決定的に不足している点があると考えます。その理由を次に述べます。
 理由1、水の循環という事実を反映していない。
 大垣市民が自慢に思う地下水、自噴水は、決して地下1万mからから噴き上げてくる地下資源ではありません。そのほぼ全てがはるか南の海上で熱エネルギーを得て水蒸気となり、地球規模の大気の循環を経て、鈴鹿、養老、関ケ原、揖斐の山々にぶつかって雨となって降り注ぎ、山間部、中山間部の豊かな森林部のさらに細粒構造、細かい粒々構造の土壌にためられつつ地下へ浸透し、長い年月と複雑な地下水脈を経て平野部、すなわち低湿地帯で井戸となって湧き出ているのであります。大垣の豊かな地下水を継続して供給してきた最も決定的な鍵は、雨となって振り注ぐ水のショックを和らげ、一旦吸収し、静かに地下の水脈に送る森とその土壌にあります。地下水とは、文字どおりの地下からやってきた水では決してありません。本市の発展を支えたという豊かな地下水の源は、実は揖斐川水系の本流、支流、そしてまた、その源流の森に降り、土壌にためられたその水にあります。日本の都市の発展を支えた地下水は、地下から来た水ではなく、森から来た水が現代における共通理解だと私は考えます。この森と水のつながりについて、市長はどのようにお考えでしょうか、その見解をお伺いします。
 理由2、江戸期の本市の発展の事実を反映していない。
 江戸期の発展期において圧倒的に大垣を支えた資産は、河川を利用した水運でありまして、地下水ではありません。ちなみに戸田家は、この水の工学のスペシャリストで、水に悩まされる低湿地帯の本市において、川や堀、水路を整備し、物流インフラの整備に尽力しました。近隣のさまざまな諸産物、あるいは人の往来が河川や水路、堀を利用して本市に集まり、そして分かれていきました。まさに終わり始まる大垣市であります。徒歩に比べて圧倒的なスピード、牛馬に比べて圧倒的な輸送量、それが水運でした。江戸期は、決して地下水が本市を発展させたのではなく、揖斐川とその支流を基幹路線として水運を整備し、山から海まで流域のさまざまな物資や特産品を集めたこと、並びに中山道や美濃路等の陸路と組み合わせて、活発な人の往来を生んだことが本市を発展させたと考えられます。この点について、市長のお考えをお聞かせください。
 理由3、本市の産業を支えるマンパワーの現実が反映されておりません。
 本市を支える企業の働き手は、圧倒的に市外からの勤労者であります。また、未来の勤労者、今では働き手だけではなく事業を承継する経営者も指しますが、本市の高校生たちの本当に多くが市外からの通学者であります。本市の商店街の商圏、特に付加価値の高い商品やサービスの購入者は、圧倒的に市外からの購入者であります。あるいは、人口減少でそうであったとなりつつあります。本市を支えるマンパワーの動きについて、市長の考えをお聞かせください。
 これらの3点を認識することは、これから100年の本市の発展を考える上で極めて重要と考えます。これらから導き出されるキーワードは広域という言葉であります。市長の広域に関する考えをお聞かせください。
 続きまして、2番目、AI、IoT、ロボットの福祉分野への活用について御質問いたします。
 今、庁舎の窓口等にロボット等を置いて、事務手続をロボット化しようという動きが進んでおりますが、これはいわゆる事務改善の一環でありまして、このまま行き着く先は、ええっ、無人庁舎を目指すのと思われても仕方がありません。私は、事務改善は事務改善で進めていただいて、もっとAI、IoT、ロボットの活用を、本当に困っている人を助けてほしい。ここに公共施策の本質的価値があると考えております。まさに優先順位はこちらのほうが高いと考えております。
 そうした中で、私は、次の二つの具体的な施策を提案いたします。
 一つ目、高齢者の生活支援に今、さまざまな情報技術商品が開発されていますが、今回政策として提案したいのは、ひとり暮らし、あるいは障がいのある老老世帯、あるいは昼間にひとりぼっちになる日中独居の方々のための見守りツールとしての小型情報通信ロボットの導入配備です。振動、熱、音、その他の各種センサーを備えて、異常があったら、あらかじめ登録しておいた見守り人、例えば民生委員さん、包括支援センター、親戚、友人、これらの方に何かおかしいよ、見に来てと一報が入る仕組みです。マンパワーを補って、大事故になるのを防ぐのに既に全国で導入が始まっております。本市でも導入をぜひ検討していただきたい。
 二つ目、窓口で音声や聴覚に障がいのある方のために、タブレットの活用を求めるものであります。現在は、卓上に小型看板で耳の不自由な方はお申し出ください、手話で対応しますとあります。私は、一歩進んで、タブレットで必要な申請が済ませられるような、そんな仕組みを導入すべきではないかと考えます。この具体的な2点について、本市の考えをお伺いします。
 3番目、中山間地域の防災格差の解消についてお伺いします。
 来年1月には新庁舎が完成し、供用が開始されます。サービスが始まります。防災機能が飛躍的に高まります。また本市では、既に組織として一足早く危機管理室が新たな機構としてスタートしており、新庁舎の供用開始によって人と施設ともに機能的な防災本部となります。まことに喜ばしい限りであります。また、おくれていた旧大垣市内の小中学校について、この13年間に急ピッチで耐震工事を進め、全ての小中学校の耐震化が完成しました。これまた、子供たちのためにも、避難所としても喜ばしい限りであります。しかし、中山間地域では深刻な防災格差が放置されたままであります。
 平成18年の3月の合併を契機に、旧上石津地域では極めて深刻な状況に放り込まれました。従来整備されてきた戸別受信機が大垣市では導入していないので、平野部と同様の屋外スピーカーに切りかえるというものです。再三にわたって地域の実情をその当時の自治会関係者、役場職員、そのほかいろいろな人が訴えましたが、受け入れてもらえませんでした。平成2年に当時の上石津町役場の庁舎ができるときに、今の大垣市と同様、防災拠点としてどうあるべきか、全国の事例をもとに真剣に先輩方は検討され、屋外スピーカーでは山や谷が複雑に入り組む中山間地では、迅速な避難誘導情報の伝達が図れないとの結論に至り、戸別無線受信機の導入を行いました。特に暴風雨に備えて雨戸を閉め切り、テレビやラジオの音量を最大近くまで上げている高齢者にとって、屋外スピーカーなど全く聞こえません。これは、私たちの先輩職員が真剣に検討を重ねた結果であり、戸別受信システムは、中山間地における必須機能として選択されたものであります。皆さん、天気予報や気象情報をお聞きください。土砂災害、増水等のと必ず言われます。土砂災害と増水による災害は全く別物の災害です。土砂災害が予想される地域では、迅速、確実な情報伝達と一刻も早い避難しか命を守る方法はありません。この点について、高齢者の耳に届かない、あるいは閉め切った家族に届かない屋外スピーカーは役に立たないのであります。
 昨年の10月に改めて上石津地域の全ての連合自治会から、戸別受信機に戻して配備してほしい旨、要望が出ております。深刻な被害が台風21号で起きたばかりです。杉、ヒノキの巨木です。大人3人よりもっと太いような幹周りの木がなぎ倒されていくんです。1本、2本ではありません。5本、10本、15本となぎ倒していく強烈な風です。全地区で電線が寸断され、停電が発生しました。ケーブルテレビは断線し、それに伴う固定電話も防災情報も通用しません。携帯電話も電力ダウンによって全くつながらなくなりました。戸別受信機なら、こうした状況でも電池さえきちんとしていれば、情報が確実に届きます。また、届いた人が隣を誘うことができます。合併当初ならいざ知らず、13年以上経過して、中山間地には中山間地特有の地理的状況がある。平野が続く低湿地帯とは全く条件が違うということがなぜ把握していただけないのでしょう。さらに、ゲリラ豪雨、時間雨量100mm、線状降水帯、過去50年に一度の規模が毎年発生、伊勢湾から富山湾へ発達、直進する台風、しかも週1回の頻発、災害の激甚化は急速に進んでおります。平野部と防災機能について大きな格差が生じてしまった今、中山間地域の防災伝達情報、戸別受信機に戻していただくよう切に求めます。本市の方針についてお伺いをいたします。
 これで1回目の質問を終わります。

◯議長(日比野芳幸君)
 市長。
〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
 本市の次の100年の基礎となるビジョンについて御答弁申し上げます。
 本市は、昨年4月に市制100周年を迎え、新たな未来へ飛躍、発展する契機として、次代につながる多彩な事業を展開してまいりました。そして、ことし4月からは、次の100年へ向け、新たなスタートを切ったところでございます。
 初めに、水の循環についてでございますが、本市は、木曽川水系や揖斐川水系などの森林の恩恵も受け、豊富な地下水に恵まれていたことから、市民生活はもとより工業用水として地下水を利用することで、大正初期からは繊維産業を中心に、現在は電子部品などの産業分野においても発展を続けております。
 また、江戸期の本市の発展につきましては、中山道や美濃路の陸路とともに、船町、赤坂などの川湊を中心とした大小の河川や水路を利用した水運により、東西交通の要衝として発展してきたものと認識しております。
 次に、本市の産業を支えているマンパワーといたしましては、市内企業には、周辺から多くの方にお勤めいただいており、本市といたしましても、将来に向け雇用の場づくりとなる産業の育成が大切であると考えております。
 このように本市は、西濃圏域において、これまでも中心的な役割を果たしており、引き続き関係市町と連携、協力したまちづくりに努めてまいりたいと存じますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 福祉部長。

◯福祉部長(三浦健二君)
 AI、IoT、ロボットの福祉分野への活用について御答弁申し上げます。
 本市におきましては、AI・ロボット時代に活躍できる人材の育成や福祉サービスの向上、産業振興などを図るため、大垣市ロボット等活用まちづくり指針を策定し、先端技術を活用した持続可能なまちづくりを推進しております。
 情報通信技術を活用した高齢者の見守りにつきましては、平成30年度からひとり暮らし高齢者等見守りほっとライン事業を実施し、令和元年5月末現在、841世帯で御利用いただいております。この事業では、緊急時の通報対応のほか、定期的な安否確認や看護師等による健康相談機能もあり、日常的な健康不安の解消にも役立てていただいております。今後も本事業の利用促進に向けて、市広報紙やホームページ等でさらなる周知に努めてまいります。また、小型情報通信ロボットの活用につきましては、福祉用具・介護ロボット実用支援化事業を進める国の動向を注視しつつ、調査研究を進めてまいりたいと存じます。
 次に、行政窓口における聴覚等に障がいのある方のためのタブレット端末の活用につきましては、平成26年度から文字による意思疎通支援のツールとして、筆談が行えるアプリケーション等をインストールしたタブレット端末を配置しております。
 今後もタブレット端末や手話通訳者の活用等、多様な手段による意思疎通を図るとともに、来庁者への周知に努め、障がいのある方のニーズに応じた窓口サービスの向上に取り組んでまいります。御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 生活環境部長。

◯生活環境部長(安藤 亨君)
 中山間地域の防災格差の解消について御答弁申し上げます。
 本市では、防災行政無線のほか多様な情報伝達手段を用いて、災害時における住民への避難情報の発令等を行っております。
 こうした中、土砂災害の危険性や避難情報につきましては、平成25年6月から気象庁の土砂災害警戒判定メッシュ情報や県の土砂災害警戒情報のスネークライン図を活用し検討を行い、早目の避難情報の発令や早期の立ち退き避難を促すなど、きめ細やかな対応に努めております。防災行政無線の屋外拡声器につきましては、災害など緊急時の情報を迅速かつ的確に伝達するため、現在164ヵ所に設置しており、計画的な整備に取り組んでいるところでございます。また、その他の情報伝達手段といたしましては、防災行政無線の放送内容を繰り返し聞くことができるテレフォンサービスや大垣ケーブルテレビ、大垣市メール配信サービス、防災アプリなどを活用するとともに、これらの利用について周知に努めております。戸別受信機の再配備につきましては、整備費用や配備方法等の課題を踏まえ、情報伝達手段の多様化の検討と合わせて引き続き研究してまいります。
 今後とも災害など緊急時の情報伝達手段の充実に努めるとともに、市民の安全・安心のまちづくりに取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 12番。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 ただいま3点について御答弁いただきましたが、若干もう少し掘り下げたい部分がございますので、再度質問をさせていただきます。
 まず、本市の次の100年の基礎となるビジョンについてでございますが、本市は、産業、特に工業都市と規定されることが非常に多い。それはよく承知をしております。特に軽工業、繊維産業から電子部品産業へと大きな発展を遂げたということはよく承知しておりますが、でもそれだけでは私は未来の方向性を誤るのではないかというふうに考えている次第でございます。
 本市は、その近代に入っても、近代というか、直近になっても既に2度の大転換点を経ています。
 第1は、1987年というのは非常に大きな年でございました。昭和62年、まず、スインクという言葉を覚えていらっしゃいますでしょうか。昭和最後期の大垣が目指した未来ビジョンがスインクでございました。「西濃はひとつ」、西濃・イン・コミュニティー、西濃の青年や女性にこの流域では運命を共有しているという大きなメッセージ、ともにこの西濃を盛り上げようという大きなメッセージを大垣市は発信しました。そのころ私は、本当に大垣の青年の人たちの仲間に加えていただいて、この西濃を盛り上げようということで、西の端から東の端まで飛び回っておりました。もう一つ、G・I・NET、グレート・インフォメーション・ネットワークであります。このとき提唱されたのはVANといいます。バリュー・アデッド・ネットワーク、付加価値通信網、西濃全域を結んで、ローカルビデオテックス、画面情報を西濃全域で発信するんだと。情報が価値を生むんだと。今では当たり前ですけれども、1987年に情報が価値を生む、より価値の高い情報を全域で発信していこうという斬新なビジョンを本市は提示しました。私は、まだ木造が残っていたNTTの旧庁舎にこの情報を届け、DVD、昔でいうレーザーディスクに加工していただいたものをまた持って帰ってセットするという、まさにアナログなことをやりながら、デジタルの時代に挑戦をしておりました。本当に西濃全部のいろんな情報が一旦大垣に集まり、それを加工して全部の地域に届けるということを、まさに毎日、情報を持ってここへ集まってきて、そして、それを全域に届けるというようなことをやっておりました。
 第2は、平成12年、西暦2000年です。これは、決戦関ケ原大垣博、すばらしいイベントでした。決戦関ケ原大垣博、1999年、2000年という不況の中でも、当時の1市19町村が力を合わせて大成功に導きました。21世紀は広域の時代であるというビジョンを具体的に大垣は提示し、さらに補助金と博覧会推進室で見事に支え切りました。その結果、剰余金まで生まれ、それが大垣市のTMO事業と市に寄附されるという、本当に盛況となりました。きっかけは、NHK大河ドラマ「葵~徳川三代~」でしたが、実際は400年目の節目を地域活性化に何とか役立てようという西濃全域の青年の熱意が、本市を初め各地域を動かすことになりました。
 こうして見ると、歴史的発展のきっかけとなる時期には、本市は必ず広域として発展するという強い意思のもとにリーダーシップを発揮しています。自然から見ても、歴史から見ても、近代の振り返りから見ても、本市の発展は西濃広域の発展と一体となっています。西濃は森と水に恵まれた多様な産業と多様な人々が生きるエリア、その西濃の首都が大垣であります。首都には責任があるし、それを果たしてこそ一層の繁栄もあります。令和とは、本市にとってまさに広域と一体となった繁栄を目指す時代ではないでしょうか。市長の御意見を改めてお伺いします。
 次に、2番目のAI、IoT、ロボットの福祉分野への活用についてでございますが、最初に聴覚や言語に障がいのある方へのタブレットの活用についてお話をいたします。
 準備し、ヒアリング等をいろいろ重ねていただいたんだろうと思いますけれども、結論から言うと、タブレットが準備されているということをよりよく周知をしてほしい。今のところ御相談くださいという緑の看板が各テーブルにあろうかと思いますが、こういった方法でより御相談に乗るようにしておりますということを、ぜひ周知を徹底してほしいというふうに思います。
 次に、高齢者の見守りツールとしての小型ロボットですけれども、緊急通報というところに少し根本的に発想が違うような気がするんです。今、市がとっている通報システム、あるいはこれまで全国でとられてきたボタンを押すというシステムというのは、緊急事態に陥った本人が通報することを大前提としています。これは、何十年も前の、今申し上げた首かけペンダント式のボタンと基本は何も変わっておりません。けど、緊急事態というのは、ああ、ちょっと胸が苦しい、ボタンをという状態ではなくて、ヒートショックによる意識不明とか、病状急変によるもうろう混迷の状態とか、あるいはもう畑で熱中症で倒れて意識が薄れていくとか、そういった自分自身では何ともできない状態のことを私は緊急事態と思うんですよね。この見守り通報システム、全国でAI、IoTを使ってというシステムは、本人ではなく第三者がこの危機状況を判断し、あらかじめ設定された複数の人、あるいは機関に通報するシステムです。これは、今までは家族とか同居の人がやっていた、あるいはそれしか方法がなかったんですけれども、今ではこれをAIやIoTやロボットの技術の活用によって、さまざまな方法でできるようになっています。これは実証ではなくて、既に実用段階に来ていて、全国で本当に導入が始まっています。本人通報か見守り通報かといえば、私は、日常の生活相談は別ですが、緊急通報ということに関して言うならば、見守り通報のほうがより広く危機に対応できると感じます。再度、その長所をよく検討して、少しでも高齢者、あるいは障がい者の方々への支援を高めてくださるように要望いたします。特に具体的に、マンパワーとして見守りに当たってくださっている最前線には、例えば民生委員さん、例えば包括支援センターの皆さんがいらっしゃいます。これからふえ続けるのは、高齢者とともに超高齢者がふえ続けていきます。この最先端の現場で民生委員さんたちは本当に日々苦労しておられます。虚心坦懐にまず現場の声を聞いていただけるとありがたいと思います。そうすると、意識のある人がボタンを押す通報システムではカバーし切れない状態がいっぱい生まれているということがわかると思います。
 3番目の中山間地域の防災格差の解消についてです。
 これは、新庁舎の建設にも小中学校の耐震化の完了にも、実は市町村合併を支援するための財源対策である合併特例債というのが大きく役立っています。このことを私は市民の皆さんに強く訴えたい。合併特例債は、合併を契機に施設や機能整備を行うときに国からの補填割合を通常の起債よりも、借金よりも、より上乗せして補填するということで、合併を促進する役目が与えられた財政の手段です。一般的には、合併の中核となる都市に対して、周辺地域の町村はどうしても機能整備がおくれており、少しでも中心市の負担を減らして、周辺編入地域の条件整備が進むよう考案されたものであります。
 本市では、しかし、次のように使われました。少し長くなりますが、2年分と思ってしっかりと聞いていただけると助かります。現在の合併特例債の借り入れの状況です。合併特例債の借り入れ実績、平成18年度から30年度。
 大垣地区、新庁舎建設事業2件、12億3,870万円。奥の細道むすびの地周辺整備事業2件、32億3,760万円。防災行政無線整備事業等4件、2億8,680万円。川並地区センター建設事業1件、1億3,500万円。かわなみ作業所改築事業1件、2,200万円。日新幼保園改築事業等14件、24億5,980万円。江西川浸水対策事業等41件、22億3,610万円。大井排水機場整備事業等8件、5億9,830万円。大垣駅北口広場整備事業等15件、33億3,490万円。普通消防ポンプ自動車購入費等11件、1億7,530万円。安井小学校校舎耐震補強事業等47件、43億9,420万円。宇留生幼稚園園舎耐震補強事業等4件、5,320万円。北部・南部学校給食センター建設事業4件、16億5,350万円。大垣地区計154件、198億2,540万円。
 上石津地区、地域防災無線整備事業等2件、1億3,790万円。急傾斜地崩壊対策事業4件、5,790万円。普通消防ポンプ自動車購入費等6件、5,240万円。上石津中学校屋内運動場耐震補強事業1件、1億1,490万円。上石津地区計13件、3億6,310万円。
 墨俣地区、防災行政無線整備事業1件、2,230万円。普通消防ポンプ自動車購入費等4件、1,960万円。墨俣地区計5件、4,190万円。
 この有利な合併特例債発行可能額は、234億190万円が上限であります。発行済額は202億3,040万円、大垣地区はこの98%を投資されております。上石津地区は1.8%、墨俣地区は0.2%であります。発行可能残額は31億7,150万円。しかし、令和元年度として、新庁舎建設事業に19億7,340万円、荒崎幼保園建設事業に5,370万円の充当が予定されております。正味の発行可能残額は11億4,440万円、総発行額の5%しか残されておりません。大垣地域の小中学校26校のうち22校が合併特例債を活用して耐震化、あるいは大規模改修、改造が完了し、子供たちや地域住民の安全が確保されております。合併特例債の98%が大垣地域の安全・安心や地域振興に使われました。せめて残った分は、上石津地域や墨俣地域のために使っていただいてももうよろしいのではないでしょうか。先ほどは、同僚の関谷議員からも、水辺空間のより有効な活用の提案がございました。総務省は、迅速な避難を図るため、戸別受信機や防災ラジオの導入を促進しています。戸別受信機、または防災ラジオの導入の事業費見積もりや合併特例債並びに国の財政支援の方法の有無等の確認に着手していただきたい。手おくれになってからでは遅いと。本市の今後の方針をお伺いいたします。
 以上で2回目の質問を終わります。

◯議長(日比野芳幸君)
 市長。
〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
 広域連携の推進について御答弁申し上げます。
 広域連携につきましては、これまで西美濃3市9町による西美濃創生広域連携推進協議会や西美濃広域観光推進協議会において、観光プロモーションや移住定住の促進、就労支援などさまざまな取り組みを実施いたしております。また、消防におきましては、神戸町など4町と大垣消防組合を、ごみ処理では瑞穂市など2市7町と西濃環境整備組合を、し尿処理では揖斐川町など8町と大垣衛生施設組合を組織するほか、水防などさまざまな分野におきましても連携を図っております。さらに、養老線の持続可能な運営につきまして、沿線の2市4町と構成する養老線管理機構には市職員2人を、今年度より安八町など2町と構成するあすわ苑老人福祉施設事務組合には施設長として市職員をそれぞれ派遣しており、広域的な発展に向け、本市が中心的な役割を果たしているところでございます。
 今後も引き続き関係市町と連携し、活力ある持続可能なまちづくりに努めてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 生活環境部長。

◯生活環境部長(安藤 亨君)
 戸別受信機について御答弁申し上げます。
 戸別受信機の再配備につきましては、整備費用等の課題を踏まえ、引き続き研究してまいります。御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 12番。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 3回目の質問ですので、シンプルに行いたいと思いますが、広域については、特に今、岐阜県は関ケ原をビジターセンターとして、多くの人がこの西濃地域で動きをつくり、新しいサービスによる観光需要の掘り起こしを図ろうとしております。私は、本市もそれにしっかりと乗って、大勢の人たちがこの西濃地域へ訪れ、できれば大垣市で一晩泊まっていただいて、より新しいところへ、まさにここへ一旦泊まって、また出かけていく、そういう仕組みをつくっていただきたい。それは広域連携しか方法はないというふうに思っておりますので、ぜひそれに取り組んでいただきたいと思います。これは、もしそういったことで今具体的な方針があればありがたいですが、ぜひ取り組んでいただきたいという強い要望であります。
 それから戸別受信機については、恐らく助成制度の中に補助金、あるいは特別地方交付税による算入等、いろんな財政支援があるはずです。それから、ここまで言い続けてきてもまだなお、予算積算等どれぐらい一体かかるのか、あるいは防災ラジオがいいのか、戸別受信機がいいのか、あるいはそれは既に国では簡易システムも開発されております。そうしたものを検討していただいて、ぜひ導入を、それほどお金がかかるとは僕は思っておりません。そして、そこで得られた実証結果は、恐らくこれから本市の中心域でも進む高齢化、超高齢化、独居、あるいは日中独居、そうした人たち、あるいは障がいを持ったお子さんがどんどん大きくなって、高齢の方が中年、中高年となった障がいを持った方を養うという事態が発生しておりますが、そうした人が緊急に避難していただくときに、絶対に私は戸別受信機というのは必要だと思っております。そうしたことをぜひ取り組んでいただく、それはもう災害がどんどん激甚化していく今しかないと思っております。どうか一刻も早い整備に着手、具体的に情報収集し、一度積算をして、補助制度を検討していただきますようによろしくお願いを申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。

田中たかのり
大垣市議会議員