大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

平成28年9月議会

一般質問表題

「高齢者の見守り施策等の充実について」
「ICT技術の活用による西濃地域の一体的な観光推進について」

一般質問詳細

◯第8番(田中孝典君)
皆さん、おはようございます。
実は昨日は、午前中は消防団員の皆さんの市長検閲、そしてその後、敬老会を2件回らさせていただいて、そして午後、大垣ミナモのホープセクションの優勝というところに回ることができました。それぞれ若い皆さん、そして高齢者の皆さん、そして男性も女性も、この大垣地域で一生懸命、各地域で取り組んでくださっていることに本当に心を熱くすることができました。こうしてそれぞれがそれぞれを支え合いながら、まちづくりに取り組んでいることは本当にいいことだなというふうに実感することができました。
 それでは、通告に従いまして、まず、高齢者の見守り施策等の充実についてをお伺いいたします。
実は今夏の高温は非常に厳しく、まさに異常な暑さでありましたが、毎年、これ、異常だ、異常気象だと聞いているので、毎年異常であることが異常ではなくなってしまったというようなおかしな感があります。市内で言うと38度、37度の日が続くなど、やはり近年まれに見る高温状態であったと思います。また台風も、既に当たり前のように日本を成長しながら通過したり勢力を拡大して接近してみたりと、私たちの子供時代とは全くさま変わりして、まさに日本の熱帯化が進んでいるようです。低気圧だけでなく台風までもが1本の南北線に沿って北上する時代になり、これまでの防災対策の根本的な見直しが今全国で必要になっております。恐らく本市でも担当部署が今必死になって分析と作業を進めておられる最中だと思いますので、この気象変動と防災については質問を後日に譲るとして、きょう、今回は、そうしたさまざまな変動の中でより重要性が高まっております、実は高齢者の見守り等に焦点を絞ってお聞きをいたします。
この夏の6、7、8月の熱中症による市民の搬送者は37名、うち65歳以上の高齢者は21名でした。幸いにもその中で死亡または重篤となった高齢者はいなかったということで、素早い対応が軽症で済んだと、これはもう本当に関係者の皆様の御尽力に心から感謝いたします。
さて、地域における高齢者の見守りについては、先般来、地域コミュニティーのネットワークが主力となる方向で全国的に施策が調整されております。そこで、まず最初に、本市における高齢者の見守り施策の現状についてお聞かせください。
地域コミュニティーという言葉を今使いましたけれども、今地域コミュニティーの中で一番元気なのは、実は65歳から75歳の高齢者の方々のうちの壮年部と呼んでもいい方々です。民生委員さんや自治会長さんの担い手の主な層でございます。小まめに地域を見守っていただいており、本当に頭が下がる思いです。これらの方々はまさに団塊の世代であります。先日、その中のある方が、今はわしらは見守るほうが多いので何とかもっておるけれども、もう5年もしたらぼちぼち見守ってほしい者がふえ、10年もしたら圧倒的に見守ってほしい者ばかりになると。そのときは誰がどうやって見守ってくれるんやろうなと。道路や駅で倒れておったらまだ目立つけれども、家の中や、夜、熱中症でダウンしておっても誰も見つけてくれぬのではないかとしみじみおっしゃいました。またある役員さんも、前期高齢者が後期高齢者を見守る形だけでは早晩、双方の人数が逆転して限界が来るだろうとおっしゃっておられました。
そこで、高齢者の見守り施策の充実について、続いて次の2点を質問をいたします。
1点目、この数年でIT技術、特にAIと呼ばれる人工知能の技術革新が進み、民生用にさまざまな機器が登場してきました。市内でも見ることができる人型ロボットのペッパー君もさることながら、私がびっくりしたのは、8月のテレビCMで始まりました熊ちゃんロボットでございます。保育園の通園時に一人一人と話し、会話の語調や赤外線分析による発熱の有無により瞬時に先生のパソコンに結果を送る、あのCMです。これはもうそのまま高齢者の見守りにスライドできると直感いたしました。朝、高齢者が目覚めたら、おじいちゃん、おはよう。けさは何を食べる、電気にしようかのう、おじいちゃん、いつからロボットになったのというジョークまでできそうな気がしておりますが、けさも無事に目覚めたか、調子はどうかを見守りセンターに送ります。そしてまた、倒れたり、長時間家に帰ってこなかったりすると緊急コールを送ります。こうしたAIが民生委員さんや登録した支援者とネットワークできれば、高齢者の見守り施策を飛躍的に向上できると考えます。ついこの間まで夢だと思われてきたことが実現できるようになっています。情報都市大垣とうたう本市であるならば、全国に先駆けて取り組むべきテーマであると考えます。本市のお考えはいかがでしょうか。
2点目、高齢者の見守り、あるいは見守り状態に至るのを少しでも防ぐ健康維持事業、あるいは介護予防事業等は非常に大切と考えます。民生委員さんや自治会長さんなど、役員さんのコミュニティー型による支援者の心理的な負担、あるいは労力的な負担を軽減するとともに、事業や手法の拡大、進化を図るため、NPOなどの多様な団体が活躍できるよう制度を充実させて、さまざまな団体が組織的に高齢者の見守り事業や健康維持事業に参加できるようにすることができないでしょうか。これから急速に高齢化が進展します。民生委員さんや地域住民、協力企業、民間団体等が幾つもの手を差し伸べて、見守りや健康の維持、介護予防等を進めることが大切になると考えます。これらの点について、市の考えをお聞かせください。
次に、ICT技術の活用による西濃地域の一体的な観光推進についてお伺いをいたします。
市長は、仮想の名称ではありますけれども、西美濃共和国の初代の大統領として、西美濃広域圏の売り込みに積極的に取り組んでおられます。西美濃と呼ぶか、西濃と呼ぶか、あるいは大垣広域圏と呼ぶかは別にして、揖斐川で結ばれた市町は観光資源としても相互にネットワークを結び、相乗効果を高める形で開発を進め、来訪客の増加を圏域全体として図るのがベストであると私も考えます。この半年の間に、実はその西美濃共和国の中で幾つかの自治体がそれぞれスマートフォン向けの観光アプリを開発し、来訪者に提供を予定している旨、報道がなされました。自転車によるルート案内であったり、動画による歴史紹介であったりと、スマートフォン向けに使いやすく構成されると報道されております。
これらは自転車による来訪者の増加や歴史観光客の増加に対応するものです。さらには外国人観光客の誘客をターゲットにして、英語、中国語、ハングル語、その他多言語化への展開も想定されておられると聞いております。また、観光拠点に用意されたレンタサイクルには、スマートフォンの取りつけ用具のサービスなども企画されているとのことです。ただ、残念ながら、これらは今のところ各市町の個別の努力に委ねられているのが現状であり、西濃全体で共通となっているわけでありません。
そこでお伺いをいたします。西濃圏域、あるいは西美濃共和国、大垣広域圏、揖斐川流域、どれをとっても中心都市は本市であります。その本市が率先してICT技術を活用した観光の推進を図り、西濃全域の観光利便性の向上に取り組むべきではないでしょうか。本市の考えをお伺いいたします。
以上で1回の質問を終わります。

◯議長(川上孝浩君)
市長。

〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
ICT技術の活用による西濃地域の一体的な観光推進について御答弁申し上げます。
本市を初めとする西濃地域は豊かな緑やおいしい水などの自然に恵まれ、また、古くから東西文化の接点として歴史の表舞台となってきたことなどから、史跡等の魅力あふれる観光資源が数多くあります。このため、関係市町等により構成する西美濃広域観光推進協議会において、観光キャンペーンやスタンプラリーの実施を初め、観光資源をつないだ広域観光ルートの整備やツアー造成等、広域連携による観光振興と地域の活性化に継続的に取り組んでおります。
また、西美濃地域のさらなる知名度の向上と国内外からの誘客を図るため、ICT技術を活用して、日本語はもとより、中国語やタイ語など6ヵ国語に対応したポータルサイト、西美濃ワンダートリップの開設やフェイスブック等により観光情報の発信に努めております。さらに、市内の主要な観光資源を紹介するスマートフォン向けアプリケーション「大垣観光ナビ」の導入や西濃地域の特産品を販売するインターネットショップ、西美濃ワンダーショップの開設など、観光情報提供ツールの充実等にも積極的に取り組んでおります。
今後とも、広域連携による効果的なプロモーション活動やスタンプラリー等に活用できるスマートフォン向けアプリケーションの開発など、ICT技術の活用による西濃地域の一体的な観光を推進してまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。

◯議長(川上孝浩君)
福祉部長。

◯福祉部長(澤 達彦君)
高齢者の見守り施策等の充実について御答弁申し上げます。
ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増加する中、住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには見守り支援が重要であると考えております。本市におきましては、地域のボランティアが一日一声かける愛の一声運動や、配達時に安否を確認する高齢者配食サービス事業を実施しております。また、大垣市社会福祉協議会においては、自治会など地域住民の見守り活動の支援に加え、新聞販売店や金融機関など38事業所と見守り協定を締結し、住民と企業等が一体となった見守り活動を実施しております。
 次に、高齢者の見守り事業への情報機器の導入につきましては、急病、事故等の緊急事態に対処するため、ボタン一つで消防署に通報できる緊急通報体制整備事業のほか、認知症高齢者の徘徊による事故防止、保護の迅速化等を図るため、GPSによる高齢者位置情報提供サービス事業を実施しております。さらに今年度、国の交付金を活用し、介護サービス事業者による要介護者の移動支援や見守りを行う介護ロボットの導入経費の一部を助成する予定でございます。
今後も、介護者の負担を軽減する支援機器の導入促進につきましては、国の事業の検証結果を踏まえ、検討してまいりたいと存じます。
次に、高齢者の見守り事業や介護予防事業につきましては、現在、介護予防・日常生活支援総合事業におきまして、関節、筋肉などの運動器や口腔機能の向上、栄養改善指導を実施するほか、健康づくりをサポートする笑・話・歯動場、体ぴんぴん教室などの事業を実施しております。また、今年度からは大垣市社会福祉協議会に生活支援コーディネーターを設置し、高齢者の在宅生活を支えるため、地域に不足する生活支援サービスの把握や担い手の育成など、地域住民だけでなく、NPO法人や民間企業等と連携し、ニーズに合ったサービスが提供できるよう事業実施に向けて取り組んでおります。
いずれにいたしましても、高齢者が住みなれた地域で安心して生活し続けるために、NPO法人等や地域の皆様と連携を図りながら見守り施策の充実に努めてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(川上孝浩君)
8番。

〔第8番 田中孝典君 登壇〕

◯第8番(田中孝典君)
 まず、高齢者の見守り施策につきましては、今、緊急通報システムの最初に言及がございましたが、緊急通報システムというのはもう何年も前の古い制度がそのまま今も継続されている。ばたっと倒れたらボタンを押すということですけれども、もう既に時代は、倒れる前に見守りの手を差し伸べるというのに既に手は変わってきております。今回はロボットの話をさせていただきましたが、もう全国では、この水差しぐらいの卓上の端末が高齢者の異常をセンサーで察知して送るというシステムは、もう市販化されて普及しつつあります。さらにそれにAIを乗せるというのが時代の最先端で、会話型まで行って、会話の調子からというのが今最先端まで来ております。どうか時代の変化を先取りしてというか、先取りというか、今、足並みをそろえて、ぜひマンパワーだけではない、いろんな機器を率先して大垣市が国に提案していくぐらいの覚悟で取り組んでいただければと思います。
 また、健康づくり等につきましては、まさに今病気を治すというところから、むしろ、病気にならずに天寿を全うしていくという健康長寿にシフトが移ってきております。本市においても、大垣は本当に健康長寿、いつまでも健康で長生きできるまちだというふうに、病気になる前、病気になった治療、そして病気になった後の回復、これらをトータルに見ていけるような、そういうまちになっていければというふうに思っております。ぜひ見守りになるならない、あるいは見守りの状況になってもそれが軽く済む、そうした先手先手の取り組みを打っていただきますようにお願いを申し上げます。
 続いて、ICT技術の活用についてですけれども、非常にこちらも担当部局が熱心に進めておられるということが今の答弁の中で伝わってまいりました。そこで私は、ぜひこういった視点を盛り込んでいただけたらいうふうに思っております。それは、今ICT技術というのが非常に進歩をしていて、50代でもひょっとしたらついていけない世界ではないかと思うぐらい日進月歩ですけれども、例えば観光情報では、一つ前の時代は、調べてもらえればわかりますというふうにだーっと項目が並んでいたテーマ型紹介方式から、今は、興味の湧いた箇所へタッチで、ここへ行くというボタンを押すと自動的にルート案内がぴゅーっと始まって、かゆいところに手が届くように、ここへ行く人は途中でこんなものを食べていますとか、こんなものを買っていますとか、こういうところへも寄っていますという情報が次から次へと届くようになっております。本市におきましても、だらだらとこんなところがありますよというだけではなくて、即時ルート案内、そして、かゆいところに手が届く案内を、これからの情報サービスの中核に位置づけていただければというふうに考えます。
また、これまでは文字、そして、続いて写真が誘客の主役でしたけれども、今ではそれが動画に置きかわっています。いかにここへ行きたいと感じてもらえるか、それはミニ動画が写真の画面と連動するかということが誘客効果向上の必須条件と考えております。歴史文化でいうと昼飯大塚の古墳がつくられる状況が、バーチャルではありますが、そうした動画で見られるということは非常に子供たちやそこを訪れた人たちの関心を高めております。これから動画というのは西濃圏域各地へ誘客するのに必須でありまして、それを見て、ここへ行きたいとクリックしたら直ちにルート案内が設定され、そして、料理やお土産、他の見どころなどの関連の情報が相手にあわせて提供されていく、そうした仕組み。それが西濃全体にネットワークが張れれば西濃全体の観光が盛り上がり、そして、必然的にまた本市のサービス関連産業の振興にもつながっていく、そして各地のサービス産業の振興にもつながると、そう考えております。
情報都市大垣として、他都市の上を行くスピード感を持って取り組んでいただきますよう強く要望し、二つの質問をこれで終わらせていただきます。

田中たかのり
大垣市議会議員