大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

平成21年3月議会

一般質問表題

大垣版グリーンニューディール政策に取り組む考えはあるか
隣接する滋賀県・三重県との広域観光ルートの開拓について

一般質問詳細

◯議長(高橋 滋君) 次に移ります。
1番 田中孝典君。

〔第1番 田中孝典君 登壇〕

◯第1番(田中孝典君)
それでは、通告に従いまして、次の2点についてお伺いいたします。
まず、第1点目に、大垣版グリーン・ニューディール政策に取り組むお考えはあるのかお尋ねをいたします。
御存じのとおり、平成20年9月15日のリーマンショック、いわゆるサブプライム融資の破綻による米国発の世界同時不況の発生から、平成21年1月20日の米国オバマ政権の誕生によって、アメリカ経済は新自由主義から修正資本主義へ大きくかじを切ることになりました。大量生産・大量廃棄の消費最優先経済から、再生可能エネルギーによる循環型経済への移行を目指すものです。オバマ大統領の政策の柱は地球温暖化対策、地球温暖化というのは日本だけの用語でございまして、既に世界では気候変動と呼ばれております。気候変動対策と経済活性化を両立させるため、環境・エネルギー分野に政府主導で集中投資し雇用を生み出すもので、1929年の世界恐慌後のフランクリン・ルーズベルト大統領が打ち出したニューディール政策になぞらえてグリーン・ニューディール政策と呼ばれています。ニューディール政策という言葉は、以来、毎日のようにマスコミをにぎわすようになりましたが、根本的な理解があいまいなままひとり歩きをしているようです。ニューディール政策は、日本では新規巻き直し政策と呼ばれていますけども、大方の日本人はこの巻き直しという言葉をわかったようなわからないようなまま使っていると、そういう気がいたします。
しかし、これは間違いで、ニューディールには明確な意味があるということを最近知りました。このディールというのはトランプ札を配ることで、ニューディールとは新しくもう一度札を配り直すことを指すということです。これが予算の配分に転用されて、ディールとは配られた予算、すなわち政策を指して、ニューディールとは新しい政策を指すということになります。新規巻き直しというのは、昔、私は鉢巻きを締め直して、よっしゃということだと思っておりましたけれども、そういう頑張り直すという意味ではなくて、新しく予算を配り直すという意味が明確にあると。ちなみに、中国では緑色新政、緑色の新しい策と名づけているようです。従来の予算配分を一たん白紙に戻し、政府資金を新たな分野に集中投資することで産業の振興と雇用の確保を図ろうというのがニューディール政策のかなめであり、グリーン・ニューディール政策とは集中投資の分野を環境や再生可能エネルギーとするものです。
さて、市長は、施政方針において五つの重点プロジェクトを示されました。その三つ目に環境創造プロジェクトを位置づけられ、「かけがえのない地球を守るため、環境保全を推進するとともに、資源を大切に使う新たな循環の仕組みづくりに努め、市民協働による循環型社会の実現を目指してまいります」と述べられました。今回の施政方針の総論では、「こうした厳しい経済情勢のときにこそ、行政がしっかりと対応していかなければならないと考えております」と述べられています。100年に一度と言われる急激な経済の大変動で、輸出産業を中心にした従来型の産業構造の変革が求められている中、世界じゅうが環境・エネルギー分野に活路を見出そうとしています。本市において、環境分野、再生可能エネルギー分野、あるいは豊富な水と緑を対象とした分野を次の成長産業と定めて、大垣市版グリーン・ニューディール政策として腰を据えて取り組んでいくべきではないか、市長のお考えをお聞かせください。
第2点目に、隣接する滋賀県・三重県との広域観光ルートの開拓についてお伺いをいたします。
本市の西南端の時山地区と滋賀県多賀町を結ぶ林道時山多賀線が平成21年度に完成します。これは長く不通のまま放置されてきた県道時多賀線の一部が、林道という形にせよ開通するものです。平成8年度に工事が始まり、ようやく完成を見るものです。総延長が4,070mで、そのうち3,310mが本市の上石津側となります。時地区は古来からこの近江へつながる江州街道と三重へつながる伊勢街道の分岐点として栄えた地区で、多賀町とも交流が盛んでした。そもそも時地区の名の起こりは、その昔、天照大神の新しい宮を探す命を受けた倭姫が大和の地から近江へ入られ、多賀からこちら、美濃側へ来て烏帽子岳のふもとで昼食をとったところ非常においしく、その「おとき」が地名として残ったと伝えられています。そして、その地を新しい宮として市街地の形成計画まで立てられましたが、突然模様がえになり、現在の伊勢の地に決まったということです。当時の村人は非常にこのことを残念に思い、天照大神をお祭りをすることを申し出て許され、現在は湯葉温泉のもとにある湯葉神社の祭神としてお祭りされています。以来、時の地は伊勢神宮と関係が深く、鎌倉時代の初期には伊勢神宮の御厨、すなわち穀物等を納める神領として米などを納めていたとの記録がもう既に出てまいります。また、南宮山南側の牧田・一之瀬地区では、ヤマトタケルの領地、武部の里として繁栄の時代があったのではと郷土史家が注目し始めています。
数十年にわたって通行不能であったこの街道が再び開通することは、こうした古代のロマンに光を当てるものでもあります。三重県と本市と滋賀県を結ぶ広域観光ルートの開拓は、将来の内需型産業の振興にもつながり大きな価値を生むと期待されますが、いかがでしょうか。ぜひお考えをお聞かせください。特に広域観光ルートの開発は、日帰り観光では投資効果がありません。何としても宿泊型となるよう複数の拠点を連携させることが重要であります。現在、本市では、市の中心部に奥の細道むすびの地記念館の建設が進められようとしております。先日の市長の発言でも、その建設を急ぐ旨表明がありました。非常に意を強くしたものであり、ぜひとも強力な推進をお願いするものであります。先ほど川上議員からもお話がございましたが、北部から東部につながる中山道赤坂宿、美濃路大垣宿、墨俣宿の整備による観光ルートの整備と、中心部における芭蕉を核とした観光拠点の整備と、南部から西部における古代ロマン・里山ルートの整備を組み合わせれば、市内で最低でも1泊して三つの文化を楽しんでいただけるパッケージ戦略が可能になると思います。入り込み客は単なる日帰りでお帰りいただくのではなく、宿泊していただいてこそさまざまな消費波及効果が生じます。奥の細道むすびの地整備構想の三つの方針のうち、3番目に「西美濃全域フィールドミュージアム化のゲートウェイ機能の整備」とあります。恐らく広域展開を期待してよいと感じるのですが、30文字のうち17文字が片仮名であり、ここで改めてフィールドミュージアム並びにゲートウエーについて、その概念をお聞かせください。
これで1回目の質問を終わります。

◯議長(高橋 滋君)
市長。

〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
大垣版グリーン・ニューディール政策の取り組みについて御答弁申し上げます。
日本版グリーン・ニューディール政策は、環境分野での社会資本整備や消費拡大、投資促進を通じて景気の浮揚と雇用創出を目指すもので、現在国において骨格が固められ、今年度中に成案がまとめられるとされております。本市での環境面における社会資本整備や消費拡大につながる事業といたしましては、平成19年度から高効率給湯器の補助制度を、また新年度からは太陽光発電設置者に対し新たな補助事業を推進してまいります。一般家庭における太陽光発電の設置につきましては、平均規模が約3.7kw、平均価格は約264万円となっております。これらの設備投資に係る経済的負担を軽減するため、国による設置補助に加え、発電された電力の環境価値を買い取る補助を行うことにより、太陽光発電の普及促進と経済的波及効果を期待するものでございます。
また、公共施設への太陽光発電システムの設置につきましては、導入を検討してまいります。
次に、既存企業への支援、新産業の誘致につきましては、現在産業活性化アクションプランの改定に向けて取り組んでいるところであり、産業活性化と環境配慮の両立を課題とした産業施策を新たな柱とすることを検討してまいります。
いずれにいたしましても、御提言の大垣版グリーン・ニューディール政策への取り組みにつきましては、昨年、国の環境モデル都市に応募、提案をいたしました自然エネルギー、住環境、食料、それぞれの地産地消にもつながるところがございますので、国の動向を見きわめながら検討してまいりたいと思います。御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(高橋 滋君)
経済部長。

◯経済部長(田中重勝君)
隣接する滋賀県、三重県との広域観光ルートの開拓について御答弁申し上げます。
本市には、大垣城、奥の細道むすびの地、中山道赤坂宿、多良峡、墨俣一夜城などの観光資源があり、毎年多くの方にお越しいただいております。これまで、大垣市観光協会を初め観光関係者とともに誘客に取り組み、さらに西美濃広域観光推進協議会、西美濃・北伊勢サミットを通じ、広域観光の推進にも努めてきたところでございます。こうした中、林道時山多賀線や東海環状自動車道西回りが整備されますと、交流人口の増加などにより、本市はもとより西美濃地域全体の活性化につながるものと考えております。特にアクセス向上による旅行時間の短縮が図られることにより、これまで以上に観光の幅が広がることから、滞在型観光も期待できるものと思われます。今後、本市といたしましては、関係機関などと連携し新たな広域観光ルートの開拓に取り組んでまいりたいと存じます。また、西美濃全体の歴史、文化、風土を紹介、案内する玄関口として、奥の細道むすびの地周辺整備の早期完成を目指してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、本市の観光振興とさらなる誘客の促進に努めてまいりたいと存じますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(高橋 滋君)
1番。

〔第1番 田中孝典君 登壇〕

◯第1番(田中孝典君)
ありがとうございました。
第1点目の大垣市版グリーン・ニューディール政策について、別の角度から再質問させていただきます。
行政が市民協働という言葉を使うときは、常に市民と行政の協働と置きかえるべきだと私は初めての一般質問で述べさせていただきました。その考えは今も同じです。本来、行政が率先して取り組まねばならない分野でありながら、市民の皆さん、応援します、頑張ってくださいで責任転嫁してはいないかということ、これを常に振り返らなければならないと思います。国のなすべき施策、イコール地方自治体のなすべき施策ではないように、地方自治体のなすべき施策、イコール家庭のなすべき施策ではありません。また、支援するといっても、家計を支援するのか、既存産業を支援するのか、新規産業の育成を支援するのかで、おのずと政策が変わってきます。このように、施策の内容をターゲットによって分類し碁盤目状に区切って、だれが何をするのか明確にしていく戦略をマトリックス型戦略といいますが、少なくとも主要施策、重点施策と呼ばれる施策集団は、だれが何をどうするのか、しっかりとマトリックス状に明確に位置づけられていないと所期の目的を達成することができません。さらに今、ミクロ経済学、ミクロ経済学というのは家計や個人の消費行動と経済の関係を扱う分野ですけれども、今、心理経済学という分野が伸びつつあります。なぜそれを買いたいと思うのか、あるいはなぜ買わないようにしようと思うのか。高くても何に引かれて買うのか、逆に安くてもなぜ買わないのか。家計支出においてはこうした心理的要因が極めて高く、理屈だけでは消費行動には結びつかないという研究です。行政の意図と庶民の感情が遠くずれていたら、幾ら旗を振り補助があることを叫んでも市民は行動を起こしません。
そこでお伺いをいたします。国では、市民の環境行動として、太陽光発電、高効率の太陽熱利用、市販ではエコキュートとも呼ばれたりしておりますが、そのほか家庭用燃料電池が挙げられています。私はそれに既に実用化されている従来型の太陽熱温水器を加えて4点について、少なくとも市が市民活動を支援する立場にあるということであれば、少なくともそれらを各家庭が導入するとしたらどれくらいの負担が必要か恐らくもう調べておられると思いますので、それを明らかにしていただきたい。ただ太陽光につきましては、今市長の御答弁から金額について波及がございましたので、残り三つでも構いません。
続いて、第2点目については、ゲートウエーとフィールドミュージアムについての少し確認がなかったので、もしできればお願いしたいのですが、それは質問残として言わせていただいて、第2点目は要望を述べさせていただきます。
国では、観光庁の設置、観光庁は、いわゆるお役所という官公庁ではなくてサイトシーイングの観光ですけれども、観光庁の設置やビジット・ジャパン・キャンペーンが進められています。県では次年度から、組織再編によって観光課を総合企画部へ移して観光・交流総括監を置くことを発表しています。これは全国、全県で観光の振興に取り組もうとしています。現実には、既に多良峡では企業の森とモミジ1万本運動が広く紹介されたのでしょうか、実はもう昨年の紅葉のシーズンには大型観光バスが列を連ねて入ってくるようになっています。さらに、11月23日の記念植樹の日の午後に再び多良峡を訪ねてみると、夕方4時ごろでしたけども、遠く四国から4台の大型バスが来ました。添乗員さんに聞きましたら、朝7時に高松を出て関ケ原で食事をし、養老の滝を見て、多良峡を見て、午後10時に高松へ帰る日帰りツアーとのことです。こんなハードなのに人気も高く、次年度の開催も検討しているので、ぜひ大垣のいろいろな資料を送ってほしいとのことでした。残念ながら、四国では大垣の情報はほとんど伝わってこないとのことでした。この企画も知り合いのレストランから要望があって、ここを回るといいよということで、食事をぜひうちにということで企画が決定されたそうです。6ヵ月前から8ヵ月前には次年度の企画が決まるので、なるべく早く情報を届けてほしいということでした。話をしているうちに別のバスがまた来ましたのでこちらで聞くと、大津のほうから来たと。五峡めぐり、五峡の峡は多良峡の峡ですけれども、と題して、岐阜、愛知のもみじの名所を1泊2日でめぐるツアーとのことでした。こちらも多良峡を見た後、別の地へ移動して愛知のほうへ行くということでした。これは何とももったいなくて、見送る心の中は複雑でした。
企画さえよければ必ず観光需要は開拓できます。さきに述べた時地内では、地元住民が自力で物産即売コーナーを立ち上げたり、企業が率先してハナモモの植樹や自治会への配付などを行ったりしています。こうしたホスピタリティーや特色ある花いっぱいの里づくりが滋賀や三重とつながる古代ロマンと結びついたとき、本市の大きな観光資源に成長すると信じます。1泊2日観光の一つの柱に成長すると信じております。本市の観光資源の成長促進と連結強化をぜひ図られるよう要望いたします。こちらについては要望ですので、答弁の必要はございません。
以上で第2回目を終わらせていただきます。

◯議長(高橋 滋君)
市長。

〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
CO2の排出量を削減する環境に優しい家庭用機器といたしまして、高効率の給湯器というのが平均設置価格23万円から70万7,000円ほどでございますし、また太陽熱温水器が22万9,000円ほどでございます。また、お話がございました家庭用燃料電池につきましては、設置規模700wで320万円といったところでございます。
以上、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

◯議長(高橋 滋君)
1番。

〔第1番 田中孝典君 登壇〕

◯第1番(田中孝典君)
ありがとうございました。
最後に、第1の大垣市版グリーン・ニューディール政策について、マトリックス的な提言をさせていただきます。
お昼の前に間に合ってちょうどよかったとは思っておるんですけども。現下の経済情勢で1家庭に数十万円から200万円、300万円も出費を求めるような施策が本当に現実的なのかということです。先日の新聞に、夫婦の食事を切り詰めてでもという主婦の方の投稿がありました。これから少しよく考えてみてください。地デジチューナー、あるいはチューナー内蔵テレビへの切りかえ、家庭用の火災警報装置がもうすぐ義務化になります。耐震補強をしないといけない、バリアフリーの改修を予定している、家計ではこれからさまざまな出費が必要となってきます。右肩上がりでこれから給料がどんどん上がっていくという時代ならいざ知らず、100年に一度と言われる大不況の中でバブル期と同じ施策でいいのかと。この緊急の時代に、市民生活への支援という視点で本当にこれは施策が検証されているのかということです。
それから、技術的にいいますと、電気と熱は全く相反する特性があります。太陽光発電は発電パネルと送電線に接続する装置で構成されます。発電パネルの発熱量はパネルの枚数に比例しますので、多いほど発電量がふえます。接続装置は設置すればするほど設置費や附帯設備、メンテナンス費用が発生しますので、接続する設備は少ないほどコストが安くなります。結論は、大規模であればあるほどコストが安くつくということです。また、太陽光発電は、既存の木造家屋については耐震性、コンクリート家屋については、安定用の土台固定とボルト埋設による排水構造の再整備が必要となってきます。ですから今、基本的には家屋の新築時に屋根兼用型で設置するのが最も安心で低コストとなります。一方、温水は、逆に配水距離が長くなればなるほど温度低下が著しくなり、なるべく高温のまま使うことが低コストになります。このように考えると、太陽光発電は公共団体が新規施設をつくる場合に率先して設置するのがベスト、太陽熱温水器は家庭配置に向いているということになります。新エネルギーは使う場所や形によってそれぞれに最も適した技術的な答えが存在しますので、この点を理解し検証しないと目的と手段が全くずれてしまい、結果的にとても環境貢献とは呼べないものになってしまいます。そして、先ほど挙げたいずれの品も、家庭的にはおいそれと手が出るものではありません。本当に市民の立場に立って、これこそ環境に優しいというものはないのか、それが提言できない限り、私もまた無責任のそしりを免れないので、ここでこれをちょっと紹介させていただきます。

〔圧力なべを提示〕

◯第1番(田中孝典君)
これは何か御存じでしょうか。実はこれは電気式の圧力なべでございます。電気式の圧力なべ。大体給付金1万2,000円で、夫婦分ぐらいにちょっと足せば買える値段です。2万4,000円かな、定価2万9,000円ぐらいだったと思いますけど、買いました。しかも、すぐ歩いていけるところの小売店で買わせていただきました。この圧力なべですけども、ここから何かテレビショッピングみたいになって申しわけございませんが、非常にこれは健康によい。やわらかくなって吸収もいい。それから、例えばカルシウムだと約10倍残っています。それから、環境によい。例えば、今まで黒豆を煮ていた240分の時間が60分で済んだりする、そのほかも一緒ですね。ということは財布によい。そして、何よりもこれは地場の農業にいい。なぜならば、水をそんなに入れなくてよくて、この中に例えば大根であったり、そうした野菜が持っている水分が分解して中へ出てきますので、そのものの持っているうま味が出る。ということは、はるか遠くのどうやってつくられたかわからない農産物よりも、地場のこのおいしい大垣の水を吸って育った地場のものがおいしい。しかも、これは子供と一緒に、これは電気式なので子供と一緒に調理できる。食育によい。それからなべ物、煮炊きですね、煮物・炊き物は御飯とセットです。今、パンへ行ったのは、オイルを使う食事に日本がならされちゃったからパンへ移行していますけれども、煮炊きのものは必ず御飯と合う。それで、なべは家族団らんにいい。それから、これは高温高圧になります。高温高圧下では物性が変化をします。なぜこれが、普通に炊いたらやわらかくならないのに、これで炊くとカレーの安い肉がこんなにおいしくなるんだろうということをお父さんがちょっと子供に言ってくれるだけで、子供は理科の勉強をしようとしてくれる子も何人かいると思います。この高温高圧下は、このまま物理でいくと原子力におけるプラズマ状態を指しますし、つい先日もセラミックスを高温高圧下で変性させると非常に新しい素材ができると。高温高圧下で物性が変化するというのは、これからの日本の産業を支える大きな成長分野であります。そのほか、日本食がいい。それから、子育て支援にいい。というのは、栄養価が高くて、忙しいお母さんが短時間で料理をするということになる。そのほか、近隣小売店によい。これはアルミですので、今、日本で一番無駄なことは、ボーキサイトを入れてアルミに精錬して大量にエネルギーをかけながら、アルミになったものは安く変性することができますが、その固まりを中国へ売っている。こんな無駄なことはない。アルミこそ国内で流通すべきであると。それから、働いている夫婦の間では、料理にかける時間が少なくなって栄養が高くて団らんが復活する。それから、そうしたものは高齢者によい。いいことずくめであります。これがたった2万4,000円から6,000円で手に入る。例えば、こんなシーンを想像してください。赤ちゃんが生まれた家庭を訪問した市長が、にっこり笑って子育て日本一の大垣市ですとこれを贈っているシーンがあれば、暗い世相がぱっと明るくなると思わないでしょうか。定額給付金を一家の外食に使ってしまうとただ消えるだけです。これでは困ったと悩んでいる夫婦。しかし、これなら夫婦2人の給付金を合わせれば、子供の給付金に手をつけなくても、なべを囲むささやかな団らんが手に入ります。しかも、料理はおいしく、主婦は楽になります。これが市民の目線という括弧つきの市民ではなくて、例えば奥さん、例えばお母さんの立場に立つということではないでしょうか。まさに自分よし、相手よし、社会よしの三方よしの見本です。ぜひ市長さん、これはぜひ真剣に御検討ください。これは全国まだどこもやっていませんので、決断一つで大垣を全国へ家庭と環境を大切にするまちとして発信することができる。僕も自分でお金を払って買ってきましたので、ぜひお願いします。
さて、圧力なべの紹介だけで終わるとテレビショッピングで終わってしまいますので、残りのマトリックスにかかわる提言をさせていただいて、終わらせていただきます。
既存企業の支援については、再度、エマルジョン燃料の導入による燃料コストの削減、エンジンやボイラーのカーボンクリーニングによる燃費の向上を提言させていただきました。これは昨年6月議会に詳細に提言させていただいておりますので、御検討ください。また、太陽光発電や風力発電は、広い設置面積が確保できる行政や企業が率先して設置すべき分野であると重ねて申し上げます。
そして、先日、名古屋市で水といのちとものづくり中部フォーラムの設立のための発起人会が開かれました。これは中部地方の企業などが持つ水資源の技術を、産学官の連携でプロジェクト化して国際貢献と新たな海外ビジネスにつなげようとするものです。これは自動車の次に来る新たな戦略産業として、水を中心に産業連携機構をつくろうとするものです。沿岸部では、既に水質浄化や淡水化等のキーテクノロジーを核に売り込もうとしておりますが、本市においては東海環状の西部ルートの拠点として、また河川の上流域として、水、緑、太陽光、CO2吸収というキーワードから、光合成の国レベルのトップ機関の誘致と県との協働による基礎研究の支援体制の整備、産業化への支援を提言させていただきます。光合成は、植物体の持つ葉緑素の中で、太陽エネルギーによって二酸化炭素と水を原料に糖類やでん粉、セルロースなどがつくられるものです。この技術は今のところ基礎研究の域を出ていませんけれども、22世紀までに絶対に完成させなくてはいけない未来技術です。ただ、今こうした時代で、新エネルギーの陰に隠れてマスコミ等の話題にも上っていません。もちろん実用化、民間転用には何年も必要となります。しかし、非食品由来の糖類、でん粉、セルロースの自国内生産はこれから必須の分野となります。また、世界に目を転じれば、日本は人口減少ですけれども、世界は爆発的な人口の増加で食料不足が起きつつあります。政府関係機関と連携して、中部の水産業の重要な一角を光合成技術を中心に本市が担えるように、今から積極的に情報収集と研究機関の誘致に取り組まれるよう提案します。本市が全国にその名を知らしめ、新しい企業の誘致や若年世帯の定住を促進するためには、日本一を目指すくらいの取り組みが重要です。二番せんじや人まねで足れりとするようなまちは、企業も若い世代も魅力を感じません。一度や二度の失敗に負けずにチャレンジし続けるその姿に、このまちに住んでみよう、きっといいことがあるはずだと感じさせる何かがあると思います。また、日本一に挑戦し続ける中で得られるすばらしい人たちとの肝胆相照らす関係が、必ず本市の大きな財産になると思います。真剣に御検討いただきますようお願い申し上げて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

田中たかのり
大垣市議会議員