西いぶり広域連合議会総務常任委員会行政視察報告
7月24日から26日まで西いぶり広域連合議会総務常任委員会におきまして行政視察を行いましたので、ご報告いたします。
視察の目的は、西いぶり広域連合では、平成15年4月から稼働した広域廃棄物処理施設が14年以上経過しており、昨年度に長寿命化か建て替えかを検討した結果、建て替えと決定し平成37年度の新施設稼働を目指していることから、更新された焼却施設を視察し今後の参考とするものです。
【豊中市伊丹市グリーンランド】
≪対象人口≫
~H28.10.1現在
豊中市396,014人、伊丹市196,947人 計592,961人
≪施設概要≫
・着工~H23年11月、竣工H28年3月、総工費205億5,875万5千円
・焼却炉~全連続式焼却炉(ストーカ炉)525t/日(175t/日×3基)
・ガス冷却方式
・ボイラ~単胴式自然循環型水管式ボイラ 3基
・蒸気圧力~4MPa
・発電装置~蒸気タービン発電機 14,000kW 1基
・建築面積~13,540.40㎡
・延床面積~36,411.21㎡ 階数~地下1階、地上10階建
・建築高さ~44.22m
・煙突高さ~45m
・ごみピット~15,750㎡
≪契約≫
・予定価格(税込)~22,575,000,000円
・落札金額(税込)~20,317,500,000円
・業者選定方法 ~総合評価(非価格要素+価格)
・入札方式 ~総合評価型一般競争入札
・事業方式 ~公設公営方式
≪工事請負者≫
~JFEエンジニアリング㈱大阪支店
≪財源内訳≫ |
<ごみ焼却施設建設工事> |
交付金 | 6,889,412,000円 |
起 債 | 10,833,700,000円 |
一般財源 | 1,628,806,320円 |
合 計 | 19,351,918,320円 |
<ごみ焼却施設建設付帯工事> |
交付金 | なし |
起 債 | 904,800,000円 |
一般財源 | 302,036,400円 |
合 計 | 1,206,836,400円 |
全体工事金額 | 20,558,754,720円 |
・旧施設(昭和50年竣工)の老朽化に伴い、平成14年度にごみ処理施設整備基本構想(コンセプト「森の中の再生工場」)を策定し、平成21年度から平成30年度までの10年間の整備事業期間として工事を進めており、敷地内に平成24年3月にリサイクルプラザ、平成28年3月に焼却施設が竣工。なお、クリーンランドでは、これまで余熱利用形態の一つとして、平成10年(1998年)2月から余熱利用施設「クリーンスポーツランド」へ蒸気及び電気を供給してきたが、平成28年度からの新ごみ焼却施設の稼動に合わせて余熱利用施設を廃止し、そのうえで、ごみ焼却により発生した余熱を貴重な再生可能エネルギーとして効果的かつ効率的に活用していくこととし、自家消費における省エネルギー化の促進も図りつつ、電気の売却を主体とする余熱利用形態へと転換を図っていました。その売電額は、平成28年度実績として9億円。また、焼却施設とリサイクルプラザを合わせてグリーンランドとして、環境教育にも力を入れている施設であり、リサイクルプラザは、公設民営(DBO)方式がとられているが、ビン、かん、ペットボトル等の手選別には、障害者が40人弱雇用されており、作業に従事しているということありました。
施設は稼働して2年目を迎えたばかりであり、点検等もメーカー対応のため、3年目以降に維持管理費等が確定していくとのことでありました。
【平塚市環境事業センター】
≪対象人口≫
~1市2町 H28.10.1現在
平塚市258,126人 大磯町31,467人 二宮町28,256人 計317,849人
≪施設概要≫
・着工~H22年5月、竣工~H25年9月、総工費205億5,875万5千円
・焼却炉~旋回流型流動床式焼却炉 315t/日(105t/日×3基)
・発電装置~蒸気タービン発電機 5,900kW 1基
≪施設概要≫
・建築面積~5,455.53㎡
・延床面積~10,245.76㎡ 階数~地下1階、地上6階建
・煙突高さ~80m
・ごみピット~5,900㎡
≪入札方式及び応札業者数≫
公募型プロポーザル方式 4社
≪工事請負者≫
荏原環境プラント
<契約金額> |
建設工事請負額 | 11,398,875,600円 |
交付金 | 4,264,987,000円 |
県補助金 | 252,148,000円 |
市債 | 5,449,500,000円 |
2市負担金 | 1,175,424,774円 |
一般財源 | 256,815,451円 |
運営業務委託金額 | 4,355,988,000円
|
焼却残さ資源化処理業務委託金額(3契約合計) | 4,194,075,000円(20年間) |
焼却残さ輸送業務委託金額(2契約合計) | 572,873,700円(20年間) |
合計 | 20,521,812,300円 |
・旧ごみ処理施設は昭和63年に稼働しており、施設が老朽化してきたこと、神奈川県が廃棄物処理施設の用地確保の困難性、ごみ処理経費の増加などの問題に対応する目的で平成10年3月に策定した「神奈川県ごみ処理広域化計画」に基づき、大磯町との広域化施設として整備することとなった。その後、平成22年に二宮町を加えた1市2町で「一般廃棄物に係る事務事業の広域化に関する覚書」を締結し、その後具体的な検討を行い平成24年3月に「平塚・大磯・二宮ブロックごみ処理広域化実施計画」を策定し、見直しを加えながら進めているものです。
ちなみに、平塚環境事業センターは、可燃ごみのみであり、不燃ごみや粗大ごみは粗大ごみ破砕処理場、資源ごみについてはリサイクルプラザなど、廃棄物処理施設が市内に分散されており、動線も含めて連携が図りにくいことが課題として挙げられていました。
運営委託料は、139,756,590円(税込、平成28年度決算速報値)で、内訳:固定費215,366,170円+変動費8,279,298円‐FIT清算金等83,888,861円で、1,731.34円/t(焼却残渣輸送及び資源化業務除く)となっており、焼却残渣輸送及び資源化業務を含んだ価格では、6,139.59円/tで、平成24年度の7,678.56円/tと比較し経費の削減につながるとともに、発電、売電のほか焼却残渣の全量資源化など効果があったということでありました。
住民対応については、余熱利用施設「リフレッシュプラザ平塚」が今年の3月から供用開始されたものの、小学校の移転、医療施設の設置の2項目が合意事項のうち未了事項となっていました。
この度の二つの規模・炉形式が違うごみ処理施設を視察し、それぞれ問題なく稼働しているということでありましたが、稼働して間もないこともあり、今後の機器交換や炉床低温時の灯油の使用量の変化など、継続した調査も必要と感じた視察でした。