平成28年第4回定例会が終了しました。
12月16日、平成28年第4回定例会が、一般会計補正予算第5号(1,432,310千円)、国民健康保険特別会計補正予算第1号(217千円)、また、一般会計では市会館清掃等業務委託や火葬場火葬業務等委託、病院会計では医療資機材滅菌・消毒等業務等委託、市場会計では指定管理者制度による管理費用等の債務負担行為設定、室蘭市空き屋等対策協議会条例制定の件など議案12件、「地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書」を含む意見書4件を可決、平成27年度一般会計決算や3特別会計4件を認定、最終日提出の人権擁護委員候補者推薦の件を承認し閉会しました。
主な一般会計補正予算としては、臨時福祉給付金(337,180千円)、市営住宅改修費(51,202千円)、東町たいわ・汐見団地建替事業費(1,035,604千円)など国の平成28年度補正予算に伴う事業となっており、一部または全部が繰越明許費として設定されています。
各常任委員会では、議案審議のほか様々な報告もなされております。
総務常任委員会では、就学援助の「新入学児童生徒学用品費」の早期支給についての報告がなされましたが、これは、新入学児童生徒学用品費について、現在は小中学校入学後の6月末に給付しているものを児童生徒が援助を必要とする時期である入学前の3月に給付できるよう見直すものです。わが会派の議員も一般質問や11月の決算委員会で取り上げたものであり、市民(議員)の声が市政を動かしたいい例であると思います。
他には、今後の室蘭市にとって重要な計画となる「室蘭市公共建築物適正化計画」や「室蘭市行政改革プラン2016」の素案が報告されました。
本市では昭和40年代の人口増加や市民ニーズに応じて学校や市営住宅、社会教育施設など多くの公共建築物を整備してきましたが、人口減少に伴う税収の減少などにより、それらの老朽化に伴う多額の維持更新費用が捻出できなくなることから今年の3月に「室蘭市公共施設等総合管理計画」を策定し、今後10年間で15%、40年間で40%の保有数量の縮減を目指すこととしています。
また、行革プランは、昭和56年以来7次にわたる行財政改革に取り組んで来ていますが、今回は、「財政に見通し」において平成33年度末には約18億4千万円の累積収支不足が生じることが見込まれていることや、さらなる人口減少(室蘭市人口ビジョンでは2040年に約7万人)、公共施設の更新等に伴う多額の財政負担が見込まれていることなどから、平成28年度から平成33年度までの6年間のプランを定めるものです。
しかし、行革の柱であった職員数の縮減や民間委託はほぼやり尽しており、実施プランの中身を見ても具体的削減金額や増収金額を明示しておらず、全体の効果額としては約9億5千万円、残りは減債基金等の活用に頼らざるを得ないとしています。
そのような中、中島スポーツセンター(夏季はプール、冬季はスケートリンク)の存続についての考えが出されました。このスポーツセンターは、平成17年8月に新日鐵健保組合室蘭支部が平成18年3月末をもって休止する表明を受けて市が譲り受けて現在まで管理運営していているものですが、主要機器である冷凍圧縮機が故障し、今年度補正予算により修理したものの今シーズンしか使用できないことから、今年度中に耐震診断の結果も踏まえ判断するとしていたものです。その結果、耐震補強すれば使用可能であること、国の補助金を活用できる可能性があること、室蘭や西胆振にとって唯一の屋内スケートリンクであること、児童の冬季スポーツとしてのスケート授業の実施や冬期間の健康増進施設として多くの市民に利用されていることなどから存続の判断がされたものです。
改修に必要な費用としては、冷凍製氷機装置一式等で4億2,500万円、耐震工事1億5,300万円、老朽化対策等で3億7,200万円、合計約9億5,000万円との試算が出されました。
まずは、冷凍装置等の改修を行い、耐震工事や老朽化対策については、来年度中に時期も含めた考えをまとめたいとのことでした。
私も雪の少ない本市として冬季スポーツとしての屋内スケートの存続に反対するものではありませんが、従来の議会答弁では、「やはり当初、最初廃止というものが表明された中で、このまま当分の間運営が可能として譲渡を受けたこと、それから主要機械、先ほど2億円かかる話もしましたけれども、また建物自体も40年も経過し、いずれ大規模な改修が必要になるということを考えますと、その限られた財源というものもありますので、やはり優先的に整備しなければならない耐震とか老朽化に対応する学校、社会教育施設など、ほかの公共施設も数多くありますし、また土地も無償借地ということを、それらを総合的に勘案しますと、なかなかリンクを続けるための設備更新は難しいものというふうに考えてございます。」(平成21年一般・特別会計決算審査特別委員会 教育長答弁)としていた市の考えが、いつの時点で変わったのか、2040年には、7万人を割り込むかもしれない、また、行革プランを策定しても累積収支不足を基金の活用で解消しなければならない状況の中、本当にスケートリンクを更新すべきなのか、あまりにも議論が不足していると感じています。今後、補助金の内示を受けた段階で臨時議会が開催されると思われますので、しっかりと議論しなければと思います。
さて、私の所属する経済建設常任委員会では、入江運動公園駐車場についての対応についての説明がなされました。
これは、駐車場利用の車の中に目的外使用と思われる車がみられること(通勤で使用している車を駐車しているとみられる。)から、柵により10台分のスペースのみとすることを試験的にするというものでしたが、各委員からその方策に疑問の意見が出され、見直しをすることになりました。私からも目的外使用と思われる車両が特定されているのであれば所有者を特定し、まずは個別に対応すべきであると指摘しました。