平成27年度一般・特別会計決算審査特別委員会が終了
11月9~11日の3日間の日程で一般及び特別会計決算委員会が終了しました。
私からの質問は、衛生費に関して保健衛生総務費中のがん対策について、土木費に関して公園費中の室蘭岳山麓総合公園の整備やその管理体制について、また、都市計画総務費中の子育て世代持家住宅促進助成金について伺いました。
がん対策については、平成27年度はがん対策推進条例が施行された年度で、ピロリ菌検査が開始された年でもあります。がん検診等にかかる事業費としては、検診実施に伴う医師会への委託料38,140千円、がん検診推進事業費(大腸がん検診)4,189千円、働く世代の女性支援のためのがん検診推進事業費9,257千円などであり、検診実績としては、前年度との比較ではわずかの増加にとどまっており、その傾向は、今年度も同様で、国のクーポン制度が廃止された大腸がん検診が減少する以外は微増傾向の見込みとのことであった。
また、ピロリ菌検査については、50歳から65歳までの5歳刻みの年齢の方5,071人を対象とし(自己負担700円)、その30%の受診を想定していたものの、結果としては受診率14.9%の755人にとどまり決算額は1,298千円でありました。なお、陽性率は41.5%とのことでありました。
がん対策推進条例が施行され、小・中学校でのがん教育、報道機関を中心に議会、行政、医療機関、事業所、患者会などが参加する「室蘭がんフォーラム」が創設され、がんに対する普及啓発が深められるなど一定の効果はあるものの、検診の必要性など市民への浸透はまだまだといったところであります。
来年度に向けてさらなる取り組み、例えば「室蘭がんフォーラム」の協力を得ながら市民フォーラムやシンポジウムを開催するなど全市的な取り組みの必要性を指摘しました。
ピロリ菌検査については、5歳刻みの枠を撤廃し50歳以上65歳までとしたい旨の考えが示されました。
公園費については、まず室蘭岳山麓総合公園の整備内容について伺いました。この整備は、子育て応援プランの一環として平成26年度から3ヶ年で行ったもので、総事業費は58,000千円で5割が国の交付金であり、乳幼児向けスペースである「ちびっこサンパワーハウス」やローラー滑り台などの整備がされていました。遊具の整備にあたっては、子ども・子育て支援事業計画の策定にあたって行ったアンケート調査や他都市での人気遊具を参考に選定したとのことであり、以前に比べ大幅に利用者が増えていることから、効果があった事業と思われます。
一方で、室蘭岳山麓総合公園は指定管理者が管理運営を行っていますが、あくまで宿泊研修施設を含めた施設の使用許可、維持管理に重点が置かれており、もっと子どもたちが自然学習の場としても利用ができるようなソフト面の充実が必要であること、また、指定管理者のHPについて2012年以降更新されていないことを指摘しました。
また、施設整備について、計画は終了したものの無料キャンプ場内にあるバーベキューコーナーの炉の改修や屋根の整備について訴えました。
次に、子育て世代持家住宅促進助成金についてですが、これは、自ら居住する住宅を取得した、18歳以下の子どもと同居する方を対象に、固定資産税と都市計画税の合計の2分の1に相当する額を3年間助成するもので、平成27年度決算では、平成26年に取得した方が対象となっています。助成金額は、1件約4万円3年間で12万円、1年の申込件数は、190件を想定。
この助成金は、子育て応援プランの一環として制度化されたもので、20~34歳の若者世代の社会減少(近隣市への流出)が拡大しているという調査結果、消費税増税に伴う住宅取得者減少などの懸念から定住対策として始まったものですが、私としては、平成26年第1回定例会においても、住宅取得は、様々な要因、タイミングで左右され、この制度が住宅取得につながるとは思えない、つまり効果について検証できないこと指摘してきました。また、そもそもこの制度は、唐突に出てきた感が否めず、庁内でどれだけ検討されたのか疑問であるとの指摘もさせていただきました。
結果として、平成27年の助成は、128件で5,276千円となり、成果と課題について、アンケートにより定住につながる40%、少しは定住につながる49%と評価されている一方で、市内に住宅を取得するきっかけになったかとの問いには、70%の方がこの制度がなくても市内に住宅を取得した、つまり、住宅取得のきっかけとはなっていないことが明らかとなりました。
今後は、現在の制度の見直しを含め、より定住につながる方策を検討するとの答弁でありましたが、この助成金の対象は平成26年から28年までの3年間に住宅を取得した方が対象であります。助成金の交付は平成27年度が初年度であり、今後も27年度決算と同様の申請件数とした場合の事業費の総額は、約50,000千円となります。効果がない事業に対しても平成31年度まで予算計上しなければならないということ自体も問題であることも指摘しました。
住宅施策、定住対策は本市でも喫緊の課題ではありますが、本市の定住につながる、検証できる制度の構築が必要であり、自分としてもしっかりと検討してまいります。