最 重 点 要 望 項 目
1. 行財政改革について
(1)業務の効率化を進めながらも、地域主権を見据えた業務内容とそれに見合った職員数を確保するとともに、専門的な知識及び資格を有する職場については、採用計画を明らかにすること。
(2)再任用職員については、無年金期間に対応した給料級の引き上げを行い、嘱託職員についても、道内他都市と比較し低水準にあった賃金を、2年間で平均10%引き上げている。しかし、嘱託職員にあっては、道内他都市も引き上げを行ったことから再び低水準に陥っており、臨時職員も、低賃金のため雇用期間中に他職場へ転職するなど、業務上も支障が生じているため、一層の改善を図ること。
(3)委託や指定管理制度、行政パートナーなどの市民力や民間活力を積極的に活用する場合であっても、市民サービスのあり方を検証するとともに、雇用者の賃金・労働条件等についてもしっかりと検証すること。
2.安全で安心して暮らせるまちづくりについて
(1)自主防災組織結成率の向上と、市民の災害に対する意識向上に取り組むこと。
3.室蘭市総合戦略の確実な推進について
(1)生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想については、次年度、西胆振の市町村と連携した構想の策定と室蘭市内における推進を図ること。
4.協働のまちづくりについて
(1)新たな協働のまちづくり指針に基づき、着実に協働のまちづくりを推進するため、市民と職員の双方に於いて協働の理解を深める取り組みを進めること。
特に、職員に於いては研修機会を拡充し、協働事業の掘り起こしに向けた人材育成に努めること。
(2)市会館については、市直営としないとの方針が出されているが、地域コミュニティには必要不可欠な施設であることから、地域住民との話し合いを丁寧に行いながら、市の責任において会館機能を維持すること。また、町内会館においても、高齢化や会員数の減少等によりその維持が困難となってきていることから、市としても相応の対応をすること。
5.子ども・若者等への支援について
(1)子どもに関する施策は各部各課にわたっており、「少子化」や「子育て支援」、「発達障害への一貫した支援」、「不登校」、「義務教育終了後のひきこもり」などの多種多様なニーズへ対応するため、子ども・若者に関する施策の窓口を一本化し、切れ目のない継続した支援を行うこと。
(2)発達障がい児の早期発見には、「5歳児検診」が必要であると考えるが、当面は、他都市で実施している児童のすこやかな発達を支援することを目的とした「5歳児相談事業」等を実施し、発達障がい等により支援が必要な児童に対して早期に対応すること。
(3)公立保育所を含めた保育行政、また、子育て支援センター、子ども発達支援センター等を含めた子育て行政の将来ビジョンを示すこと。また、保育士については、平成28年度に1名採用する予定であるが、将来ビジョンに合わせた採用計画を示すこと。
(4)引きこもりは、長期化し高年齢化するとともに増加傾向にあり、その支援については福祉的課題が多いことから、保健福祉部生活支援課の生活支援相談室を強化するとともに、関係機関と連携しながら、義務教育以降の引きこもり対策に積極的に取り組むこと。
(5)就労支援相談員の活用により、障がい者の一般就労に向けた取り組みを強化すること。
(6)障がい者優先調達推進法の精神に則り、障がい者の工賃アップ、安定した収入確保に努めること。また、庁内に自立のための就労の場を設けるなど公的部門における一層の支援体制を図ること。
(7)若者に対する就職にむけた訓練、教育の機会を拡充すること。
(8)学校統合による放課後児童対策においては、通学距離の広域化に配慮し、子ども達の利用人数に応じたスペースの確保、施設整備を行い、地域が子どもを育てる事が希薄化してきている現状も踏まえ、地域と連携した対策を早期に実施すること。
6.地域医療体制の強化について
(1)休日・夜間の初期救急医療体制の確保に向け、引き続き精力的に取り組むとともに、安易な時間外救急診療の防止などの市民啓発に一層努めること。
(市立室蘭総合病院)
(2)医師・看護師をはじめ医療従事者の確保と職場環境の改善に引き続き務めること。また、病院経営にあたっては、職員とのコミュニケーションを図りながら、病院一丸となって進めること。
7.産業・観光振興について
(1)産業構造のさらなる多様化へ向け、(財)室蘭テクノセンター機能強化のための支援を行い、産学官民の連携を図り、新規事業に取り組む市内企業や、新たに起業する人材を積極的に支援すること。また、食を含めた新たな室蘭ブランドの発掘や構築を進め、販路開拓支援を強化すること。
(2)水産業振興については、将来に渡り安全安心な水産物の安定供給のため、漁協と連携を図り、4港の課題を整理しつつ、国・道に対し、必要な整備について要請を行い、ハード・ソフト両面の支援を行うこと。
また、本市ブランドホタテ貝「蘭扇」をはじめとする本市水産物 の地元消費喚起及び販路拡大に努めると共に、国内外へのPRに努めること。
(3)水素活用のまちとして、北海道のトップランナーを目指した取り組みを強化するとともに、市民への情報提供に努め、水素を利活用したまちづくりへの市民理解を図ること。
(4)買い物弱者を作らないために、サポートセンターと協力し、地域事情をふまえた商業振興策を強化すること。
(5)観光資源を有効活用するため、情報発信拠点となる道の駅みたら室蘭の機能・内容の充実、観光ポイント周辺のインフラ整備、観光客へのおもてなしの受け入れ態勢の強化、及びトータルでの情報発信強化に努めること。
8.PCB廃棄物処理事業について
(1)安全操業を徹底し、広域的な安全対策を強化するとともに、関係市町村を含めた経済・文化・観光等の交流を具体性・継続性を持って積極的に進めること。
9.公設地方卸売市場について
(1)施設の老朽化、耐震化に伴う方向性について結論を早期に出すこと。
10.室蘭港の活性化の取り組みについて
(1)3年後に開設予定の宮古港とのフェリー航路の確実な就航やRORO船航路、客船の誘致並びに国際コンテナ航路の拡大のため、商工会議所や市内事業者と協力し、道内の一次産品を中心とした荷の確保に精力的に取り組むこと。
11.教育の充実について
(1)いじめや子どもの虐待、不登校などは学校だけで対応するのではなく、「子どもの命は絶対に守る」という観点から、関係機関や地域住民を含めた社会全体で対応する必要がある。そのため、常設のサポートチームや第三者機関等を組織し、これらの問題に対する対策を強化すること。
(2)訪問アドバイザーとスクールソーシャルワーカーについては、社会環境や家庭環境等が複雑・多様化しているため、増員を含めて取り組みを強化すること。
(3)コミュニティスクールなど児童生徒の充実した教育環境を形成し学力の向上、体力向上、人間力向上に向けた地域ぐるみの取組みが出来るように体制づくりを図ること。