室蘭市議会議員

小田中みのる

MINORU ODANAKA

小田中みのるの市議会レポート
VOL.24

平成25年第3回定例会 予算審査特別委員会

24日 補正予算に対する審査が行われ、私は、消防庁舎建設費に関しての質疑を行いました。

この度の補正は、消防署本輪西支署と白鳥台出張所を統合し、その中間地点である陣屋町に新庁舎を建設するもので、そのための地質調査や実施設計に係る委託費44百万円が計上されています。

消防統合の背景としては、昭和40年代半ばに人口が18万人を超え、さらに増加を見込んでいたことから、市として開発した白鳥台地区に白鳥台出張所を新設し8署所体制とし、職員も大量に採用しましたが、昭和50年代に入り基幹企業の合理化等、最近では少子高齢化による自然減少等により人口減少が続き、現在は9万1千人台まで減少してきたことから、本市消防も平成2年母恋出張所と幸支署を統廃合し入江支署を新設、平成12年には、消防総合庁舎を新設し輪西支署と東支署を統廃合し消防署、さらに市役所内にあった消防本部も移設、平成17年には祝津出張所を廃止し入江支署に統合するなど消防署所の統廃合を行い、現行の5署所体制とするとともに職員の削減をしてきました。

しかし、本市人口が2040年には6万人台半ばまで減少する予測が出されていること、また、大量採用時代の職員が退職し現行の消防体制も維持できないこと、都市規模に見合った持続可能な消防体制を構築しなければならないことから、昨年の7月に民生常任委員会に平成27年4月を目途に消防統廃合を行い、4署所体制とするとともに職員も現行の150人工体制から12名減の138人工体制とするという提案がなされ、住民説明会を繰り返してきたものです。

私も、平成19年に議員に当選させていただいた当初より、大量退職後の消防体制の構築と職員の計画的な採用について再三にわたり質問、指摘してきましたが、平成20年に示された消防の広域化(室蘭、登別、西いぶりの3消防本部を統合すること)をという名の下に「広域連合で検討される」との答弁が繰り返されるばかりでした。

該当地域の住民の皆さんの意見としては、「もちろん地域から消防がなくなるのは賛成できないが、室蘭の将来を考えたときには致し方ない。」という方がいる一方、「消防車、特に救急車の到着の遅れは命に直結するものである。絶対に反対。」という方もいました。

私としては、統廃合後には4署所体制となりますが、消防力の整備指針では3署所体制となっていることや、削減後の職員体制でも他都市を比較するとまだ多い方であるとはいえ、この度の統廃合計画は、本市の財政面や消防体制の全市的なバランスを考慮すると致し方ないという判断をし、補正予算案には賛成の立場で質疑しました。

この度の提案により市民の混乱と不安を招いた原因は、職員の退職動向が分かっているにもかかわらず計画的な職員採用をせず(24年度退職18名に対し25年度8名採用、25年度退職11名に対し26年度8名採用予定、26年度退職13名に対し採用は未定)、消防体制を維持するために職員の非番や週休日による時間外勤務が増大していること、また、新人職員の急増により火災現場等の事故等の危険も増大すること、さらに、市としての消防体制の検討も消防広域化とリンクさせてまったく議論していなかったことにあり、これまでの市の姿勢について質すとともに、その原因となった消防広域化についても、現状では、本市にとって広域化するメリットがないことも指摘しました。

委員会の中では、「反対住民がいる以上、統廃合はすべきではない。」「建設予定地が適地ではない。」とうの反対意見も出され、予算の組み替え動議も出されましたが、採決の結果、原案通り可決されました。

面積の狭い室蘭市で白鳥大橋開通によりサークル都市となったとはいえ、市の中央部分が港であり、かつ、街の形成が沢ごとの分かれている地形の特殊性を考慮すると統廃合後の消防体制が最低限の体制であると考えます。

今後も市民の安全安心を守るためにしっかりと議論してまいります。

小田中みのる
室蘭市議会議員