八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.81「議会報告」

令和4年第2回(6月)定例議会>

≪一般質問≫

1.八王子市民球場の施設改修の完了に向けて
2.子どもたちへの新型コロナ感染対策について
3.夜間照明の一元管理に向けた取組について
4.ゼロカーボンシティ宣言達成への取組について

1.八王子市民球場の施設改修の完了に向けて

〇八王子市民球場 (昨年6月より株式会社スリーボンドの命名権によりスリーボンドスタジアム八王子という名称となっていますが、この質問では八王子市民球場で行います) は富士森公園内西側に位置する野球場で、1956年に開設され、同年にはプロ野球公式戦巨人対大洋戦が行われた歴史を持っています。
2013年に開催された第68回国民体育大会は、多摩国体の名称で呼ばれ、多くの競技が多摩地区に誘致されました。八王子市民球場が硬式野球の会場となることが決定し、まず電光式スコアボード、スピードガンの設置が東京都の国体のための補助金を活用して実施されました。しかし、当時の八王子市民球場は、新しくなった電光表示盤の存在だけが浮いてしまうほど相当に老朽化しており、国体を行うこの機会に大規模改修・整備が必要と議会で発言させていただき、当時の故田中副市長の大変熱い野球への情熱と相まって、大規模改修を実施していただく運びとなりました。
・野球用具の進化により、球は当球場の開設当時よりも格段に飛距離が出るようになっていましたので、開設当時の外野両翼91メートルを両翼98メートル、センターは122メートルに拡張しました。拡張により新しくなったフェンスはラバーを新調し、球場の土の入替えと外野の芝生の全面整備を実施しました。また、当時、三塁側のファウルボールが球場外に飛び出しやすく、安全上の課題があると指摘されていたため、三塁からレフト側の防球ネットを増設しました。更衣室やトイレ、ベンチの整備、観客席への車椅子入場の動線の整備、外野芝生席と通路の整備などを経て、見違えるほどきれいな野球場へと変身しました。私は当時、国体に出場した甲子園球児に球場の感想を聞きました。外野の芝生が甲子園よりも守りやすいと言ってくれた球児がいて、とてもうれしかったことをよく覚えています。

さて、現在の八王子市民球場では、高校野球の地区予選や大学野球が行われ、先日5月29日にはプロ野球イースタンリーグ公式戦が開催されるなど、硬式・準硬式の球を使った試合が多く実施されています。プロ野球が開催されるグラウンドは大変シビアな審査を受け、特に選手の安全に関しては厳しい目で見られますので、プロ野球が開催されるということは、内外野やフェンスなどの安全に対する施設整備状況が一流の球場だと評価されていることのあかしだと胸を張ってよいことです。 ・当時の一般質問で指摘させていただいた多くの改修が必要と思われる事項に関して、当然予算の制限がありますから、全てが完了したわけではありません。例えば内野の観客席は、最低限の費用での改修に向けて検討を行っていただいたこともありましたが、その当時にはかなわず、ここ最近になってやっとベンチ形状のまま改修が行われたとお聞きしました。
・ただ、当時から安全上の課題として取り組むべきと指摘していた項目の中で、バックネットの改修だけが完了していないことが気になります。バックネットが低いため、ファウルボールが場外へ飛び出しやすく、バックネット裏の球場外は人が通行しており、さらに一般道や民家も近い環境にあります。申し上げたとおり、ここでの試合は硬式や準硬式の試合が多く、そのような試合では選手のレベルが高いため、ピッチャーの投げる球の球速やバッターのスイングは速く、ファウルボールの球速も当然速くなります。硬式の野球のボールを触ったことのない人にお伝えしておきますが、硬式のボールは石ころのような硬さです。現状のバックネットの高さ・形状では、キャッチャー後方へのファウルボールが球場外に危険な速度のまま飛び出すことが多くあります。実際に近隣からの苦情にもなっているとお聞きします。

Q現在のバックネットの形状についてのお考えをお示しください。

A【スポーツ担当部長】
平成23年に三塁側の防球フェンスを延伸した当時は、これにより球場全体として打球の飛び出しはほぼ抑止できると考えられていました。しかし、その後の競技技術の向上や用具の進化により、本塁後方への打球が施設外へ飛び出すケースが増えてきたことから、御指摘のように、バックネットを含めた本塁後方の防球設備の改善が課題であると捉えています。

Qあれだけの大改修を実施したにもかかわらず、唯一バックネットの改修だけが10年以上も忘れられたように手つかずになっている理由についてお示しください。

A【スポーツ担当部長】
防球効果を高めるため、ネットの張替えや支柱延伸によるバックネットのかさ上げなどの改修を検討してきましたが、球場管理者への影響や建築基準法の制約などから実施に至っていない。

〇運動施設の整備は案外、想像しているよりも費用がかかるというのが私の感じているところで、市内にある様々な各種運動施設の改修費用が予算計上されると、こんなにかかるのかという感想を持つことが多くあります。恐らく八王子市民球場のバックネットも、これを全て整備し直すとなると相当の費用が必要になると想像します。また、バックネットの形状は現在のままでも野球のプレー自体に支障はなく、行うべきなのは場外へのファウルボールの飛び出しを防ぐことですので、現在の設備に工夫することで改良できる範囲でよいと思っています。

Q今後、八王子市民球場の防球設備の改善をどのように進めていくのか、お示しください。

A【スポーツ担当部長】
現在、民間の技術を活用しまして打球のシミュレーションを実施しているので、その結果などを基に、安全性と費用面を考慮した効果的な改善策を見極めたい。

Q明らかに安全上の改修が必要な施設なので、先送りにしないで、多額の費用をかけない方法を、知恵を絞って検討し、実施してほしいと強く思いますが、実施時期に関しての考えをお示しください。

A【スポーツ担当部長】
出来るだけ速やかに対応していきたいと考えています。

2.子どもたちへの新型コロナ感染対策について

〇今年に入って間もなく、新型コロナウイルスオミクロン株の感染者が全国で爆発的に広がりました。この株は感染力が強いという特徴を持っており、これ以前の新型コロナウイルスは比較的子どもには感染しにくいと言われてきましたが、主流がオミクロン株に置き換わってからは、子どもの感染例も多く確認されるようになりました。ただし、症状としては1日から3日の発熱程度と比較的軽い場合がほとんどのようです。
・本市でも今年2月頃より、学校や保育施設に通う子どもたちに感染者が増加し、学級閉鎖や保育施設で休園の措置をとるケースが増加しました。特に今年の前半は保育園の休園が目立ち、保護者の方からの相談が多かったのですが、まず、保育園での濃厚接触者の考え方・対応に関してお聞きしたいと思います。
保育園の場合、学校と大きく違うのは、席が固定されておらず、園児が自由に行動していますので、保育中に園児に感染症状が出ると、濃厚接触者の特定が広範囲になってしまいます。このため、クラス全員が濃厚接触者の指定となり、クラスが1週間の閉鎖となってしまうケースが多く発生していました。
これが数ヵ月のうちに複数回繰り返されたこともあり、未就学児を置いて仕事に出られない、もう仕事を休めないという切実な相談が多くありました。これにより、生活が相当不安定になった家庭や、やむを得ず未就学児を自宅に置いて仕事に出ざるを得なかった方がいたと推測します。大きな事故などの報告はないようですが、想像するとちょっとぞっとする話で、コロナ対策にだけ課題が偏り過ぎていて、社会全体の思考回路がバランスを失っているとずっと感じていました。

Q保育園での濃厚接触者の特定について、市にはどのような意見が届いていたのか、お示しください。

A【子ども家庭部長】
保護者からは、休園が続いた場合に仕事を休めないといった意見が寄せられる一方で、濃厚接触者の範囲が限定的で、休園としなかった場合に、陽性者が出たのに休園しなくて大丈夫なのかといった意見も届いています。

Qこういった声を受けて、国や都に対して濃厚接触者の定義の見直しを求めたり、保健所単位での判断に変えてもらう努力など、対応したことがありましたらお示しください。

A【子ども家庭部長】
本市は中核市であることから、保健所と常に情報連携を行いながら、陽性者が発生した際には、各施設の保育状況や感染防止対策を詳しく聞き取ることで、できる限り休園の範囲や期間を限定するよう努めています。

〇小中学校の話しになります、6月3日の日本経済新聞に掲載された記事によりますと、全国的に見ると、オミクロン株に感染する子どもが多い中ではありますが、子どもの重症化の事例が少ないことを考慮して、各地で感染対策の緩和に踏み切る学校が出てきているとの前書きで、例えば千葉県教育委員会は、4月中旬に県立学校や市町村教育委員会に対して感染対策の緩和を求める通知を出し、今まで制限してきた修学旅行やグループ学習を原則実施に変更し、生徒全員が正面を向いて食していた給食を、コロナ前の向かい合わせに変更するなどしているとのことです。ほかに、秋田県教育委員会は部活動の制限を緩和、長野県は学級閉鎖や休校の基準を緩和したとありました。この報道は、国の指針に対して、地方の感染状況を冷静に分析し、地方の教育方針を重視した対応に修正している事例で、大変興味がある取組に映ります。
八王子市は、この2年半の間、修学旅行などをできる限り実施して行おうという姿勢で取り組んできたことは、なかなか頑張ったなと評価しています。体育祭なども縮小バージョンにするなどの工夫をして実施しており、できる限り子どもたちの立場になって考えていただいた結果と捉えています。一方で、前向きな保護者ばかりではないため、微妙な判断となったものもあったのだと推測します。

Q現在の八王子市の子どもたちの感染状況や、これまで感染した子どもたちの重症化リスクなどを検証して、極力、従来の教育活動に戻しつつ、感染対策と両立させることを考える時期ではないかと思いますが、今後の取組に関しての御所見をお示しください。

A【指導担当部長】
本市ではこれまでも学びを止めないという考えの下、教育活動を一律に中止することなく、学校行事を含めた教育活動を継続してきました。今後も子どもたちの学びを保障し、充実した学校生活を送れるよう、本市医師会等の助言を踏まえ、よりよい教育活動と感染症対策の両立を推進していきます。

〇次に、子どもたちへのマスク着用についてです。
・本年1月末に行われた新型コロナウイルス感染症対策政府分科会で、後藤厚生労働大臣が、保育所で2歳以上の園児へのマスク着用を積極的に進めるべきとの考え方を示しました。この分科会では、結局のところ、年齢の明記はせずに、可能な限り着用するという表記にとどめたようですが、こういった議論をきっかけに、マスク着用を強要する保育施設が増加し、恐らく一時期は市内全ての保育施設で子どもたちが常時マスクを着用していたのだと推測します。
・子どもたちへの感染が多く見られる中で、預かる施設の側が、私には異常に見えるほど日に日に神経質になっていき、子どもたちに様々なことを無理強いしているように映りました。そもそも私は子どもにマスク着用させることに反対でしたし、今も同様です。
まずはふだんの子どもたちの行動を少し想像してみてください。マスクをあちこちに置くし、落とすし、どちら側が表か裏かも分からず、鼻水を垂らす、食べかすが口の周りについたまま、衛生とか清潔とかといった言葉の意味は分からず、汚れたマスクをつけていることのほうが圧倒的に不衛生です。いまだ自分1人でトイレに行くこともままならないような幼い子どもに、1日中清潔にマスクをつけていなさいと言っていること自体がナンセンスです。マスクなしで、その分、小まめに手洗い・うがいを励行するほうがよほど効果があると私はずっと思っています。
・ここに来て、5月20日付で厚生労働省から、小学校就学前の児童のマスク着用についての考え方が示されました。遅過ぎる感がありますが、これによりますと、2歳未満の乳幼児のマスク着用は勧めない。2歳以上はオミクロン株対策以前の新型コロナウイルス対策の取扱いに戻す。具体的には、保育所等では個々の発達の状況や体調等を踏まえる必要があることから、他者との身体的距離に関わらず、マスク着用を一律には求めない。なお、施設内に感染者が生じている場合などにおいて、施設管理者等の判断により、可能な範囲でマスクの着用を求めること等は考えられるということです。

Q小中学生は登下校時でもきちんとマスクを着用していますし、中には部活動で運動中もマスク着用している生徒を見たりします。私は着用による弊害のほうが心配だと思っていますが、小中学校でのマスク着用については、今までどのように周知されていたのかについてお答えください。

A【指導担当部長】
市立学校では、飛沫感染を防ぐため、身体的距離が十分とれないときや換気が不十分と思われる場などでは、原則としてマスクを着用するよう周知しています。ただし、熱中症予防の観点も含め、教育活動の内容や児童・生徒の様子などを踏まえ、臨機応変に対応するよう指導・助言してきました。

Q厚生労働省のマスク着用についての考え方を受けて、今後の子どもたちへのマスク着用についての考え方を、未就学児、小中学生それぞれに対して具体的にお答えください。

A【子ども家庭部長】
2歳未満の園児にはマスク着用を推奨しないことをはじめ、マスク着用が可能な園児についても、午睡中や熱中症リスクが高いと考えられる場合や、体を動かす屋外ではマスクを外すといった対応を行っており、従前からの変更はありません。
今回の国の通知を受けて、改めて、屋内であっても一律にマスク着用を求めないことや、子どもやその保護者の意向に反してマスク着用を実質的に強制することのないよう、保育所等に対し徹底をしていきます。

A【指導担当部長】
厚生労働省のマスク着用についての考え方は就学前の子どもたちを対象にしているため、市立学校における基本的な感染症対策に変更はありません。市立学校には、今後も基本的な感染症対策をしながら、熱中症は命に関わる危険があることを踏まえ、熱中症予防を優先することや、マスク着用の有無に対する偏見や差別につながる行為が起きることがないよう、人権への配慮等に努めることを引き続き指導していきます。

〇私たち大人ですら、それに意味があるのか疑問でも、コロナ対策に関しては周りからの目があって、周りがしているとおりにしないと非国民呼ばわりされる、そういったことを考えると、逆らえないものがあります。子どもたちはもっと苛酷なのだと思っています。マスクをつけていることによる熱中症など、そういった弊害が多く考えられますので、今示していただいたお考えを小中学校に徹底していただきたいと思います。

Q小中学校、また、保育施設にそういったものを指導する場合に、各施設の判断に委ねる部分の幅をとり過ぎると、今回のコロナ対策に関しては特にですが、正しく実施されない懸念があると、私はそのように思っております。それぞれを管轄する市の所管からなるべく具体的な指示を出していただきたいと思うのですが、小学校、保育施設それぞれについて御所見をお聞かせください。

A【子ども家庭部長】
議員御指摘のとおり、子どもの個々の発達の状況や体調等を踏まえる必要があることから、繰り返しになりますが、他者との身体的距離に関わらず、マスク着用を一律には求めないことや、子どもやその保護者の意向に反して実質的に強制することのないよう、国の通知の趣旨を改めて各施設へ周知するとともに、常に最新の情報を徹底していきます。

A【指導担当部長】
熱中症は命に関わる危険があることを踏まえ、登下校時や体育の授業及び運動・部活動の場面を具体的に例示して、マスクの着用は必要ないことなど、熱中症予防を優先して、子どもたちが通常の教育活動を送れるように周知しています。引き続き、基本的な感染症対策や熱中症予防、マスク着用の有無等による差別・偏見とならないような人権への配慮に努め、子どもたちが伸び伸びと安心して学べるよう指導・助言をしていきます。

3.夜間照明の一元管理に向けた取組について

〇私は過去に一般質問で三度、予算等審査特別委員会でも数回、夜間照明に関して取り上げてまいりました。夜間照明には街路灯、防犯灯、公園灯、商店街灯の大きく4種類があり、それぞれが違った管理方法となっており、お世辞にも厳正・適確管理と言えないもの、管理費用や電気代に大いに無駄があり、また、現在のペースではLED化すらいつになったら終わるのか、その時期すら不透明であったため、それらの課題を整理し、最終的には市の一括管理に移行して、効率的で透明な管理をすべきだと10年間以上も申し上げ続けてきました。
・道路交通部が管理している街路灯に関しては、本年3月までに鋭意整備を進めていただき、LEDへの取替え作業が完了しました。本来はこの仕事に同調すべきであった防犯灯に関しては、一度予算計上されたものの、準備が整わず、令和4年度に着手すると、先日、八王子市公衆街路灯公有化及びLED化事業の公募型プロポーザル方式による受託者の募集について、本市のホームページにその要項が公開されました。しかし、私はこれを見て、市の考え方に多くの疑問を感じましたので、質問させていただくものです。

〇道路交通部で管理している街路灯に関しては、令和3年度に積極的に取り組んでいただき、LED化を完了させていただきました。中心となって進めていただいた路政課には敬意を表します。
街路灯については、LED化と同時に、もう1つ目的がありました。それは、多く残っていた水銀灯を撤去することです。2013年10月10日に熊本市で採択、署名された水銀に関する水俣条約は、水銀や水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条例で、先進国と途上国が協力して水銀の供給や使用・排出・破棄などの各段階で総合的な対策に取り組むことにより、水銀の人為的な排出を削減し、地球規模での水銀汚染の防止を目指すものです。これにより、既に2020年に水銀を使った製品の製造や輸出入が原則禁止となっています。日本は先進国であり、過去に水銀による公害である水俣病を経験している国として、率先して取り組む立場にあり、街路灯に関しては今回この目的を果たしたことになります。

Q以前の一般質問でお聞きした際に、水銀灯に関しては公園灯や防犯灯にも使われているとお答えを頂いていますが、そちらの水銀灯に関しての状況と取組に関してお示しください。

A【まちなみ整備部長】
公園の緑地などにおいて水銀ランプを使用した照明灯は、現在、約1,100基あり、全体の30%程度となっています。これらについては、順次LEDランプへの交換を行っています。

A【市民活動推進部長】
今回移管対象としているもの約2万5,000灯のうち、水銀灯は約100灯で、割合は0.4%。今回の移管対象としていない商店街灯などでは、約8,000灯のうち約200灯で、割合は約2.5%となっています。
今後の取組ですが、移管対象のものについては、移管後にLED化を行います。また、移管の対象外のものについては、引き続き公衆街路灯設置事業補助金によりLED化を促進していきます。

Q令和3年度に道路照明灯をLED化したこと、及び、電力会社との契約内容を全て整理し正常化したことで、相当の電気料金削減効果が図られたと推測しますが、LED化による電気料金とCO2それぞれの削減効果についてお示しください。

A【道路交通部長】
電気料金等の削減量についてはLED化する前と比べ、電気料金、CO2共に約7割が削減されています。

Q道路交通部では今回のLED化工事に際して、市内全域の夜間照明灯の現状についての調査も実施しました。これは、市内の夜間の環境を緻密に調査することによって、暗がりの改善につなげるもの、また、街路灯、公園灯、防犯灯などのだぶつきによる無駄を削減することなど、夜間照明灯の最適化を図るための貴重な資料、ベースになるものであり、このデータの活用に大いに期待しています。この調査結果に対する感想と今後の活用についてのお考えをお示しください。

A【道路交通部長】
調査の結果、約1,000ヵ所で照度過多や照度不足であることが分かりました。これを受けて、LED灯具に更新するだけではなく、さらに環境負荷の低減や効率的な維持管理を目指し、照明灯の適正な配置や明るさを考慮した改修を行っていく必要があると認識しました。
今後については、こうしたデータを有効活用し、ゼロカーボン推進に向けた取組として、より効率的な維持管理を目指し、関係所管と連携を図りながら進めていきたいと考えています。

〇街路灯のLED化が7割もの電気料金とCO2の削減につながっているということは、私の想像以上の効果で、これだけの効果があるのならば、防犯灯に関しても早急に取り組まない手はないと改めて思うわけですが、このたびその要項が示された防犯灯の事業に関しては様々に問題があります。
・そもそも協働推進課が防犯灯に関して関与している所管なのは、町会に防犯灯を管理させていて、町会と関係を持っているのが協働推進課だからであり、協働推進課と防犯灯は直接つながっていないと考えるのが筋です。

今回、防犯灯を市の管理下としてから一斉にLED化する動きとなっていますが、町会が移管した防犯灯に関しては、協働推進課に移管したわけではなく、八王子市に移管したと捉えるべきだと考えます。

Q協働推進課と町会と防犯灯の関係性について、市はどのように考えておられますか。

A【市民活動推進部長】
防犯灯は現在、町会・自治会が自主的に設置して管理を行っており、市はこれらに要する費用の一部を補助することで支援を行っています。防犯灯の所有権を町会から市に移し公有化することで、町会・自治会の事務負担の軽減のほか、市が一括発注することで、短期間でのLED化による早期の環境負荷軽減が可能になると考えています。

Q今回町会から移管された防犯灯は、協働推進課の範疇を離れたものとして私は理解するのですが、なぜLED化の工事の実施所管が協働推進課なのでしょうか。

A【市民活動推進部長】 
町会・自治会からの移管手続と同時にLED化を併せて進めていることから、現段階では協働推進課に担当の課長を置いて進めています。

〇本市のホームページに掲載されている令和4年度に着手する八王子市公衆街路灯公有化及びLED化事業の受託者募集要項の内容について、幾つかお聞きします。
・契約件数は3件名あり、防犯灯公有化に係る調査業務及び移管業務委託として、契約締結日から2026年3月31日までの契約期間で、予算額が9,479万1,675円。
2つ目が、LED防犯灯賃貸借として、契約締結時から2035年3月31日までの契約期間で、予算額が8億6,194万6,800円。
3つ目が、防犯灯維持管理業務委託として、契約締結時から2035年3月31日までの契約期間で、予算額が2,115万9,048円、となっています。

Q契約が3本立てとなっている理由についてお聞きします。街路灯は、調査業務、LED交換から電力会社への申請と台帳整理以後の維持管理まで、一本の契約で実施し、成果を上げています。防犯灯に関して、調査、移管、本体工事、既に町会によりLED化されて取替え対象とならない灯具の維持管理が異なる契約ということは、3つの契約案件を異なる事業者が受注する可能性もあるわけですが、このような契約方式とする利点をどう考えているのでしょうか。

A【市民活動推進部長】 
業務を事業者に発注する場合、発注する業務の種類ごとに事業者間で競争し、受注者を決定することを基本としています。今般の防犯灯のLED化については、事業を3つの事業で構成しており、この3つが全て密接に関わるものであることから、一括してプロポーザルにより決定することとしています。決定後の契約に当たっては、業務の種類ごとに受注者を決定するという基本の考え方に基づき、プロポーザルで決定した提案者の各構成員が担う業務ごとに契約するものです。

Q今回発注分は市内防犯灯のうちの全てが工事対象ではないとお聞きしていますが、何%程度が対象で、残りについてはどのように実施するつもりなのか、お考えをお示しください。

A【市民活動推進部長】
本事業では、令和5年度以降、段階的に最大約2万5,000灯の防犯灯を市に移管する予定ですが、蛍光灯や水銀灯のほか、町会・自治会が設置し5年以上経過したLED灯を含め、約9割の防犯灯について、リースにより更新する予定です。なお、設置後5年未満のLED灯につきましては、そのまま引き続き使用する予定としています。

Qそれぞれに細かな予算額となっていますが、2の防犯灯賃貸借の対象灯数と1灯当たりの単価について、リース料と工事費の考え方なのですが、要項を見ると、対象となる防犯灯の灯数は約2万3,300灯あり、単純にこの数字で予算額を割ると、約3万7,000円となります。現在、町会で防犯灯のLED化を行うときの1灯当たりの工事費に比較してかなり安い単価となっており、さらにこの単価は向こう13年間の維持管理費まで含まれているようですが、考え方をお示しください。

A【市民活動推進部長】
材料費と設置にかかる経費のほか、金利や維持管理経費などが含まれていますが、部材の一括調達などを前提に計上していることから、町会・自治会が1灯ごとにLED化を行った場合の費用と比較して、1灯当たりにかかる費用が安価になっていると考えています。

Q維持管理料についてですが、公開された要項を見ると、市内に対象となる灯具は4,500灯以上あるようですが、契約期間が13年もあり、その期間、4,500灯もの市内に点在する灯具の維持管理を2,000万円でできるでしょうか。単純に2,000万円を13年で割ると150万円程度で、1年間1人分の人件費にも満たない額ですが、年間150万円で4,500灯以上の市内に点在する防犯灯の維持管理をどのように行うのか、考え方を詳しくお示しください。

A【市民活動推進部長】
灯具の位置情報や設置年度、電力契約内容などの情報について、防犯灯管理システムを使用し現状把握を行います。また、不点灯などの問合せへの対応を行うため、コールセンターを設置するとともに、適宜現地確認を行います。

〇私は、市が管理する夜間照明の4種類は、最終的には市の一括管理に移行して、効率的で透明な管理をすべきだとずっと申し上げてきましたし、その考え方は、昨年度、道路交通部が実施してくださった工事の成果を見て、一層強くなっています。皆さんも街路灯のLED化で7割もの電気料金とCO2の削減効果があったという先ほどの回答をお聞きになって、この効果の大きさを感じ取っていただいたものと思っています。
私が夜間照明の中で課題だらけだと指摘し続けてきたのが防犯灯です。これを整理することで、さらに様々な削減効果や事業の透明性などが図られるのです。しかし、令和4年度に着手しようとして公開した防犯灯の工事は、はっきり申し上げてひどい内容です。今後の市内夜間照明灯の維持管理に関して、一つ例を挙げますが、ある市道路線に、道路側には街路灯が設置してあり、歩道には今回実施しようとしている工事のリース契約で取替え対象となった防犯灯と、町会で設置して5年未満のものは取替え対象から外れ、これが別の事業者で維持管理だけで発注されます。最悪の場合、1つの路線の照明の維持管理に3者が関わる非効率な維持管理となる可能性があります。さらに、契約期間が2035年までとなっていますので、向こう13年間、非効率な維持管理体制を続けていくことになります。
・昨年度、道路交通部で実施していただいた市内全域の夜間照明の調査結果から、1,000ヵ所以上の照度過多及び照度不足の場所があることを先ほどの御回答で明らかにしていただきましたが、こういった場所を改善することで、市内の夜間照明の最適化が図れます。そのためにはまず、市内夜間照明に関して一元管理を実施する方針・体制づくりが事前に必要であると強く思います。

〇既に公開されてしまった内容を適正化する方法について、私はその知識を持っていませんけれども、明らかに間違っていると指摘させていただきますので、関係する所管で早急に対応していただくように求めます。

Q町会から市に設備移管された防犯灯に関して、なぜいつまでも協働推進課が関わっているのか。こんなことをしていては、再度違った形の不透明な夜間照明の管理体制をつくってしまうだけだと思います。将来見据えて、専門に扱う所管をつくるなど、しっかりした体制づくりが必要と考えますが、理事者の見解をお聞きします。

A【木内基容子副市長】
将来を見据えて一元管理を行っていくことは重要であり、必要不可欠である、そのように認識しています。そのため、今回の防犯灯公有化及びLED化事業については、事業所管課だけでなく、ノウハウを兼ね備えた関係所管とともに一体的な取組を行うことにより、より効率的かつ効果的に省エネ化を進め、環境負荷低減を図れるものと考えています。
・防犯灯のLED化の推進は市長公約にも掲げていますので、協働推進課がただのLED化だけの工事を発注しようとしているのはこのことが関係するのかと察しますけれども、事は防犯灯のLED化だけにとどまっては駄目です。
・嫌味のような言い方ですが、長く放っておかれたことで、夜間照明の一元管理による効率化は、ゼロカーボンシティの実現にも大きく寄与する施策となる要素が大きく含まれてきました。また、水銀灯の解消も全て完了しているわけではないことは先ほどの答弁で明らかですが、取替えに関しての具体策はないのが現実です。
・さらに、町会からの防犯灯の移管は全て終わっているわけではありませんし、民地に設置してある防犯灯など、今後の維持管理方法が確定していないものもあります。また、商店街灯に関しては、その一部を防犯灯の扱いとして補助していた手法に関してどのようにしていくのか、議論すらされておらず、ゼロカーボンに向けて商店街灯のLED化をどのようにしていくのか等についてもきちんと議論していただきたいと思っています。

Q本市の夜間照明の取組は、街路灯のLED化が終わっただけで、まだ多くの課題が道半ばです。夜間照明の厳正・的確管理、効率化と省エネ、CO2削減、市民の夜間の安心・安全などの目的をきちんと果たすために、八王子市として考え方をきちんと整理した方針に基づいて取り組む必要があると考えますが、理事者の見解をお聞かせください。

A【木内基容子副市長】
道路照明灯については、LED化が完了したことで、一定程度、その効果が見え始めています。また、防犯灯については、令和3年10月に担当課長を配置し、事業化に向けて動き出したところです。
今後の取組についてですが、街路灯のLED化についてはゼロカーボンシティの推進に大きく寄与していると認識しています。防犯灯や商店街灯などについては、様々な課題はありますが、さらなるゼロカーボンシティの推進に向けて、関係所管が一体となって取り組んでいきます。

4.ゼロカーボンシティ宣言達成への取組について

〇八王子市は令和4年2月10日の市長定例記者会見で、2050年二酸化炭素排出実質ゼロに取り組むゼロカーボンシティ宣言を表明しました。市民・事業者・市が一体となって地球温暖化対策に取り組み、市内から排出される温室効果ガスを減らし、2050年の脱炭素社会の実現、実質的二酸化炭素排出ゼロを目指すことを宣言したわけです。
現在2022年ですので、あと28年で2050年。28年もあると感じるか、28年しかないと感じるか。私は後者です。目標達成のためにはどのような取組を進めていかなくてはならないのか、切り口が多くあり過ぎて、その設計図を描くことからしてとても大変なことですが、まずはしっかりとした設計図と工程表をつくる作業が必要です。
・市の施設の新設や設備更新に関しては、各種設備の実質的な耐用年数はまちまちですが、CO2の排出源となる主要な空調設備や電気設備の耐用年数は30年から35年くらいかと推測します。仮に30年と考えると、さきに申し上げたとおり、2050年は28年後にやってきますので、現在新設・取替えした設備・機器が2050年にそのまま使用されていることになります。ゼロカーボンシティ宣言達成のために、CO2排出量の多い設備を直前になって全て交換するということは絶対に不可能ですから、今年度以降施行する新設工事や設備更新においては、二酸化炭素排出量の極力少ないものを検討し選定しておく必要があり、2050年までに取り替える機会が訪れないことを想定していなくてはなりません。
先日、本市のとある設備の空調設備等の大規模改修工事の御説明を頂きましたところ、新たに設置する機器は既存の機器と同様のもので設計されており、その設計に温室効果ガス削減の視点は全く入っていませんでした。このまま改修工事を実施してしまうと、2050年にCO2を出し続けている設備となってしまう懸念があります。
また、今後数年間をかけて整備する医療刑務所跡地利用等をはじめとした施設新設に関しては、実質カーボンゼロの設計にしなくてはならないはずです。2050年に目標達成するためには、既にゼロカーボンの意識を持って取り組まなくては到底達成できないという時期にあるということを自覚することが必要です。
ゼロカーボンシティ宣言したことによって、その目標に向かって取り組まなくてはいけない。現在行っている仕事も、以前とは違って、CO2削減の視点を大いに反映させて行う必要があるという認識を職員全員に持たせることが必要であり、これは極めて重要なことであり、今やらなくてはならないことです。

Q2050年にゼロカーボンシティを実現したいのであれば、既にできることから始めている、そういう市役所にならなくてはなりません。以前から申し上げていることですが、市のあらゆる施策は環境部長の承認が得られないと実行できない、極端ではありますが、そういった対応が必要です。
環境負荷低減の意識を職員全員に持たせることに関しての御所見をお示しください。

A【環境部長】
ゼロカーボンシティの実現に向け、職員の意識向上は必要不可欠と考えます。今後も環境推進監督者である部長職、環境推進責任者である課長職をはじめ、職員向けの研修を継続的に行い、職場全体で意識の向上を図っていきます。また、地球温暖化対策地域推進計画と併せて改定するエコアクションプランの中でも、ゼロカーボンへの取組を見える化し、職員ひとりひとりが日々の業務から排出される二酸化炭素を意識し、業務改善や施設改修などの機会を捉えて、エネルギーの削減が図れるような仕組みを示していきたいと考えています。

相沢こうた
八王子市議会議員