1.小学生の通学路の安全確保について
2.脱炭素に向けた取組について
〇6月28日に千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、小学2年生の男子児童2人が死亡、他の児童3人が重傷を負う非常に痛ましい事故が発生しました。心から御冥福をお祈りします。
・現場は直線の見通しのよい道路ですが、道路幅員は7メートルと、両面通行の道としては道幅が狭く、歩道はもとより歩行者側を明示する白線はなく、さらに、この道路の制限速度は60キロとなっており、小学生の列の脇をこのスピードで車が通っていることが恐ろしいことだと想像します。この道の端を1列になって登下校していた、けなげな小学生の姿を思うと、胸が締めつけられる思いがします。10年前から地域は市に対して歩道やガードレール設置の要望を出していたとのことで、さらには、5年前に、このルートで今回と同様の事故が発生し、複数の小学生が車にはねられる事故があったという経過がありました。
今回事故を起こしたトラックの運転手は仕事中から酒を飲んでいた悪質な飲酒運転で、事故時は酩酊状態にあったようですので、歩道があったら事故はなかったかというと、一概にそういうことにはならないかもしれませんが、対策を取っていて防げなかったのか、無策だったのかによって無念さには大きな差があります。事故後、政府は全国の通学路の一斉点検を指示しましたが、通学時に小学生の列に車が突っ込むという事故は過去から全国各地で後を絶ちません。私は今までも議会や委員会の場で何度も通学路の安全確保について発言し、市内の幾つかの通学路の改善を市と一緒に実施しましたが、市内にはまだまだ多くの危険な通学路が存在していると認識しています。
Q八街市の事故を受けた政府の一斉点検指示についてお聞きしますが、指示内容は具体的にどのようなものでしょうか。また、危険箇所が抽出された場合の対処方法や改修費用などについても併せてお示しください。
A【道路交通部長】
教育委員会と道路管理者には、それぞれ文部科学省と国土交通省より令和3年7月9日付で通知が出されている。内容は、教育委員会が実施する合同点検においては道路管理者として積極的に対応することとの内容である。また、補助金などの国の支援等については、現在のところ通知はない。
〇八街市の事故現場には多くの不安全な課題があり、この中で車の制限速度の制定が異常だったことに着目します。歩道どころか、歩行者側を区別する白線すら引けない狭い道幅の通学路の制限速度が60キロだったことを放置していたことで、この事故は人災ではないかとまで思います。事故後に、ここの制限速度は30キロに変更されたと新聞記事で読みましたが、過去に同様の事故が発生しているにもかかわらず、その時点で制限速度の変更に知恵が回らなかったことは非常に残念なことです。
Q八王子市内の通学路において、通学時間帯の子どもたちの脇をかすめるように車が走っている場所、また、例えば、大型車両が頻繁に子どもたちすれすれを走っているような危険な場所は、どの程度あると認識されているのか、お示しください。
A【道路交通部長】
職員による市内巡回や市民からの情報提供等により危険な道路について把握に努めているところであるが、全てを把握できているとは言えない状況である。
〇以前、小学生の通学路について質問させていただいたとき、市教育委員会からの回答で、今でも非常に引っかかっていることがあります。当時は学校選択制が実施されていたため、本来の学区外からの通学者もあり、それらを含めて小学生の通学路を教育委員会が把握しているのかと尋ねたところ、通学路の管理は各学校で実施しているため、教育委員会ではその詳細について把握していないというものでした。私は、その回答に対して、各学校が指定している通学路がどのルートであるのか、また、安全性についての考え方などに問題や課題はないのかなどの指導は、市としての統一的見解を持って教育委員会が行うべきではないかと申し上げ、現在でもそれが正論であり、問題や課題の指導、改善のためには市内小学校の通学路を教育委員会がきちんと把握すべきだと思っています。
Q当時この回答をされた方は既に退職されて、いらっしゃいませんが、改めてお聞きします。現在、八王子市内の小学校の通学路について、教育委員会はどのような立ち位置で関与されているのかについてお示しください。
A【学校教育部長】
それぞれの小学校が設定している通学路については、教育委員会として全校、全て把握をしている。今回の安全点検に合わせて順次、最新の情報に更新をしているところである。また、通学路上の危険箇所などについても、保護者や地域の皆様から直接お問合せをいただくこともあり、まずは教育委員会が通学路の状況を確認して、学校や道路管理者などと連携をして対応している。
〇通学路の安全施策として、ガードレールや歩道、押しボタン信号を設けたりする、いわゆる道路の構造的な改良を図ろうとすると総じて時間がかかり過ぎます。これは要望件数が多い、優先順位をつけにくい、予算に限りがあるなどの理由で単純に順番待ちになってしまうことが原因です。それでも物理的な改善には当然取り組んでいただかなくてはなりませんが、順番が巡ってくるまで無策で放置するのでは能がない。そこで、ぜひ実施していただきたいことが通過車両の制限速度の変更です。通学路の不安全箇所の改善がすぐにできない場合、そのルートしかないのか、安全なルートへの通学路変更はできないのかを、まず検討していただきたいと思いますが、そのルートが回避できない場合には通過車両の制限速度について検討していただきたいと思うのです。警察署と協議して、対象となる区間の通過車両の制限速度を下げる取組を実施することで、万一、児童との接触事故などが発生しても大事故に至る可能性を極力低下させていただきたいと思います。
Q警察署と連携して迅速に現場に反映できる方法を構築していただきたいと思いますが、御所見をお示しください。
A【道路交通部長】
現在、事故発生により安全対策が必要となった箇所や、市内で死亡事故等が発生した場合には、交通管理者からの要請に基づいて合同実査を行い安全対策に努めている。今後も通学路安全対策においては、交通管理者のみならず国道や都道管理者も含め新たなルールの構築など、より一層連携を強化し迅速な対応に努めていきたい。
〇通過する車両の運転手は、ここが通学路だという意識があれば当然注意して運転しますという考えの方が大半だと思います。課題として、たまにしか通らない道や、他の市区町村に在住の方が通過する場合などは、現在の通学路にまれに設置してある朽ちた立て看板程度では、通過している道が通学路だと認識することが難しいということだと考えます。道路にカラー舗装を施したり、通学路の文字を書くなども有効な方法ですが、施工が大がかりであり、費用面などからも、市内全域を対象にしてスピード感を持った対応をと考えると最善策とは言えません。また、通学路の入り口付近のみの表示では車両を運転中、継続した注意喚起にならず、効果が薄くなってしまう運転手もいるでしょう。
Q何か得策はないかと考えましたところ、職業柄、電柱が目につきました。電柱の下の部分、道路表層から1.5メートルくらいの高さまでは、散歩の犬が目印をかけていく対象になっている程度で、特に何も使っていません。ここに既に行政で所持している幅10センチ、高さ60センチくらいの通学路注意、子ども多し注意などのシール状の表示を活用して注意喚起をしたらいかがでしょうか。電柱はNTTや東京電力の設備なので、勝手に利用できませんので、何らかの協議や協定の締結などが必要になりますが、子どもたちの交通安全に貢献する事業ですので、御協力をいただくのはそれほど難しいことではないと思います。今後、NTTや東京電力などの電柱管理者と連携して、電柱を活用した通学路の安全性向上施策を構築したらいかがかと思いますが、御所見をお示しください。
A【道路交通部長】
電柱を活用した交通安全ステッカー等による注意喚起は、短時間で一定の効果が得られる対応策の一つと考える。今後、電柱管理者に働きかけて積極的に調整を進めていきたいと考える。
Q通学路の安全施策の充実のためには道路交通部、まちなみ整備部、生活安全部、市民活動推進部などとの協力が絶対に不可欠ですので、各学校単位ではなく、それぞれの所管と同等の立場である教育委員会でその責務を担っていただいたほうが、迅速な対応が図れると考えます。また、他市での事故を前提とした緊急性を求められる再発防止策の徹底などを迅速に市内統一の視点で行うためにも有効です。何の非もない子どもたちが巻き込まれる通学路での交通事故撲滅は、最重要課題の一つとして取り組んでいただきたいと考えます。小学校通学路の安全確保に関しては、各学校には当然、より一層の取組を望むところですが、教育委員会としても積極的に関与していただきたいと考えます。これらについての教育長の御所見をお示しください。
A【安間教育長】
学校保健安全法における安全確保等の各種措置については、校長その他の教職員のみならず、管理運営について責任を有する教育委員会も合わせて果たすべき責務を規定しているものと認識している。今後も、教育委員会はその責任に基づき、学校、家庭、地域、関係機関等との連携をさらに強化して、市長部局とともに必要な措置を講ずることで、通学路を含めた地域社会における安全安心の確保に万全を尽くしてまいります。
〇子どものみならず、市内の交通事故を減らすための方策の一つとして、車両を運転するときのマナー向上の取組が不可欠だと考えます。子どもが視界に入ったらアクセルを緩めて安全な速度で通過する、信号のない横断歩道手前では歩行者が目に入らなくても減速するなど、優しい運転をするドライバーが増えてほしいと思っています。様々な物理的な施策は必要でしょうが、八街市の事故では、道路の隅をきちんと歩いていたのに悲惨な事故に遭ってしまったわけで、ここに歩道があったとしても、結果はあまり変わらなかったのではないかと思います。
Q事故を起こす運転側のマナー向上や、ルールを遵守するなどの意識の醸成が重要です。広報などを活用して、市民に常に交通事故撲滅を訴え続けていただくなど、根気強い取組を継続することで人に優しい運転マナーを持つ八王子市民を増やしていただきたいと思っております。交通事故にとどまらず、子どもたちを危険な目に遭わせない取組を市として全力を挙げて実施していただきたいと思いますが、副市長の見解をお聞かせください。
A【駒沢広行副市長】
この度の八街市の交通事故については、大変痛ましく、胸を締めつけられる思いであり、改めて交通事故撲滅に向けて運転マナーの向上が強く求められると感じている。このため、これまで以上に警察、交通安全協会、そして地域の方々などとともに、また、教育委員会とさらなる連携を図り、子どもたちを事故から守る様々な対策を講じてまいります。
〇2020年10月、菅総理は臨時国会冒頭の所信表明演説で、我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言しますと発言しました。この宣言では温室効果ガスの排出と明言していますので、日本が目指すカーボンニュートラルはCO2だけに限らず、メタン、亜鉛化窒素、フロンガスなどの温室効果ガスを対象にするということになります。これらの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするという意味は、排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分については、同じ量を吸収または除去することで差引きゼロを目指しましょうということになり、これがカーボンニュートラルのニュートラル、中立という意味ですが、これが意味するところです。しかし、吸収、除去できる量はたかが知れているため、結局私たちが目指すべきは、排出する温室効果ガスの総量を大幅に削減することになります。
・今回の質問の題目に使っている脱炭素も同様の意味で、そのために取り組まなくてはならない大きなテーマに化石燃料からの脱却があります。現代社会は、石炭や石油といった化石燃料を燃やして作ったエネルギーが主軸となっていることは、二酸化炭素の排出量を増大させている主要因となっていますので、これを大きく方向転換しなくてはならないことは以前から認識しているところですが、これに具体的な時間軸が与えられたことで取組が急務となってきました。目標達成に向けて電力部門は脱炭素化、電力部門以外は電化することが強く求められ、供給する企業側の削減に加えて使用者側の取組が必要であり、節電やリサイクルなど、ひとりひとりの地道な行動も、カーボンニュートラルの目標値達成のためにはとても大切なことになります。
2000年以降、我が国で行われてきた脱炭素化の取組を、これまでの2倍のスピードで取り組んだとしても、2050年のカーボンニュートラルは50%しか達成できない見込みとのことで、市民、企業、大学、行政等、社会の構成員が一丸となって取り組まないと到底達成できないものであると言えます。
Qここで1つ、本市の取組に関してお聞きしたいことがあります。八王子市地球温暖化対策地域推進計画には、市内から排出される温室効果ガスを減らすために、市が自ら率先して環境負荷の低減を図ることが重要だと明記してあり、これは当然行っていただかなくてはならないことです。しかし、7月に開設した上野町の新型コロナワクチン接種会場では、室内空調をはじめとした会場の電源に発電機を使用しています。ここはまちなかの住宅地で、周囲には普通に電柱があり、高圧線も敷設されていますので、電力供給に支障はない場所です。ここに設置した発電機は超高効率で、電力会社の電気を使うよりも温室効果ガスの排出量が少ないということならば話は別ですが、そんな発電機を私は知りません。この施設の電力供給を発電機で行っていることに関してどのようにお考えか、お示しください。
A【環境部長】
本市では、市の事務事業によって排出される二酸化炭素削減に向けて八王子市役所エコアクションプランを策定し、取り組んでいる。しかし、緊急に設置が必要な施設についてはその考えが及んでいなかったのも事実だと捉えている。今後も環境負荷の低減に対する職員の意識向上を図るため、八王子市役所環境マネジメントシステム、H-EMSに基づく定期的な研修や監査を実施していきたい。
〇接種センターは設置までに多少の工事期間はあったこと、近隣に架空配電線があることなどを考慮すると、私は、お答えにある緊急には当たらないと思っています。担当した所管が多忙で、そこまで気が回らなかったということなのだと思っています。ただ、どのような理由があるにしても、環境負荷低減に対する職員の意識がその程度であったということなのだと、厳しい教訓としていただき、今後の取組に生かしていただきたいと思います。
〇国は2050年、カーボンニュートラルの実現に向けて、革新的な技術開発と、その早期の社会への実装が重要であるとして、2021年6月に「地域脱炭素ロードマップ~地方からはじまる、次の時代への移行戦略~」というものを示しています。その中で、これから5年間の集中期間に政策を総動員し、少なくとも国内100ヵ所の脱炭素先行地域を創出、重点対策を全国津々浦々で実施する脱炭素ドミノにより、2030年までにできるだけ多くの取組を全国に普及させていくこととしており、今年度から全国で100ヵ所の先行地域の選定に着手していると聞いています。
Q市は、この国の動きを承知しておられるのか、また、この取組にどのような姿勢で臨む考えでおられるのかについてお示しください。
A【環境部長】
温暖化に関わる国の動向についての情報収集には常に努めており、議員御指摘の国の動きについても承知をしているところである。国もロードマップでカーボンゼロに向けての施策を示しているので、本市としても積極的に情報収集に努め、的確な時期に行動が起こせるよう準備を進めていきたい。
〇私は以前から、市が行う様々な施策に環境負荷低減の視点がちゃんと生かされているのか、そのことを常にチェックする必要があり、そのためには、全ての事務事業に環境部長の押印がないと進まない仕組みにすべきだと御提案させていただいています。
Q接種センターの事例から、職員の隅々にまで環境負荷低減、そのための手法などが浸透していないと改めて感じたわけですが、全ての事務事業に環境部長の合議がないと進まないような仕組みづくりをするべきではないか思いますが、御所見をお示しください。
A【環境部長】
日々の業務において二酸化炭素が排出されていることへの意識を常に持てるように、繰り返しにはなりますが、定期的な研修等で環境負荷低減への職員の意識向上に努めてまいりたいと考えている。
〇今後、本市として国が方向性を示したカーボンニュートラルに対して、どのように対処していくべきかという話ですが、一言で申し上げれば、多摩地区唯一の中核市として、当然ですが積極的に取組を進めるべきと考えます。ただし、取組として今までと大きく違わなくてはならないのは、現在の環境基本計画に掲載されているような、現行の市の施策を実行する中に環境の視点をかませるという質素な取組ではなく、政策を総動員して具体的に社会への実装をしていく必要がありますので、今後予定されている大規模プロジェクトをモデル事業として大きな脱炭素化を実現していくことが望ましいと考えます。
・そういった視点で、これから予定されている市の事業を改めて見てみると、北野地区で予定されている新たなまちづくりが、脱炭素社会実現への八王子モデルとして合致するのではないかと私は思います。北野地区では今後、下水処理場や清掃工場跡地などを活用した公共施設の再編をきっかけとした新たなまちづくりの動きとして、土地の活用構想を市で検討していると聞いています。
Q改めて北野地区における土地活用構想についてお尋ねしますが、北野地区における土地活用構想の策定と事業化については、どのような考えとスケジュールで取り組むお考えでおられるのかについて、現段階での考え方をお示しください。
A【都市計画部長】
下水処理場と清掃工場など公共施設の再編を契機としたまちづくりを進めるため、北野下水処理場・清掃工場跡地活用構想の策定に着手している。環境とエネルギー、防災の拠点、官民連携による新たな付加価値の創出を基本コンセプトに、創出される空間を活用して、地域の皆様に親しまれる集い・憩いの場とともに、災害時にも機能する空間づくりを進めることとしている。スケジュールについては、令和3年度及び4年度において跡地活用構想を策定し、その後、基本計画、実施計画等の策定を経て、既存施設の撤去等が見込まれる令和9年度以降に当該地の活用が可能になるものと想定している。
〇既に私どもに御説明いただいている北野地区の跡地活用のコンセプトにエネルギーがうたわれています。令和9年度以降に事業が実施されると考えると、2030年を当面の目標とする国の地域脱炭素ロードマップとのスケジュールと、ぴたり整合します。市としてカーボンゼロを進めるのであれば、この国の動向を的確に捉えて、北野地区の取組を市のパイロット事業として効果的かつ効率的に取り組んでいただきたいと考えます。
・土地の規模や立地を考えると、太陽光や太陽熱のほか、下水熱や地下水、浅川の水など、これらから作り出された電力を活用するとともに、これらを水素に変換して活用する方法、食品残渣やし尿を嫌気性発酵させることで生じさせるメタンガスを燃料としてバイオガス発電を行うことなど、実現の有無は詳細検討が必要ですが、多くの候補が考えられます。脱炭素の新たなエネルギーとしてのこれらの取組は北野地区になじむのではないかと考えます。
また、来年度の北野清掃工場の停止に伴い、あったかホールの代替熱源には戸吹クリーンセンターをはじめ、市内清掃工場のごみ発電で生み出された電力を自己託送して活用すると聞いています。自己託送でごみ発電の電力を北野地区で活用することは、あったかホールの照明や空調など運営に必要なエネルギーに加え、ここで例えば水素の生成などを行った場合は、これらに必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで補うことが可能となり、脱炭素エネルギーを活用した先進的な取組を行う絶好の条件が整っていると言えます。
Q北野地区においては様々な形の再生可能エネルギーの導入が考えられ、これらは大変恵まれた条件であり、中核市、多摩のリーディングシティとして脱炭素に取り組むにふさわしいステージとなるのではないかと考えますが、市のお考えをお示しください。
A【環境部長】
脱炭素社会の実現には再生可能エネルギーの積極導入が必須と考えている。それに加え、本市の特性を生かした環境教育、普及啓発の拠点となるよう、都市計画部、資源循環部、水循環部等、関係所管と連携し、設備の導入について検討してまいりたい。
〇北野地区は、周辺に目を向けると、卸売市場などの民間商業者や物流事業者のほか、鉄道事業者、石油関連事業者、コンクリートやアスファルト等の建材を扱う建設事業者など、大量のエネルギーを扱う民間事業者が集積しています。民間企業にも目標達成に向けた義務や制約が課されることから、市と地域の民間企業が一体となって国の支援制度を活用することで民間企業の参入を促すことも考えられ、事業としての厚みが増すことも考えられます。検討期間と開発期間や竣工時期などの時間軸が政府の方針、時期と合致し、場所柄から導入検討できる新たなエネルギー利用システムが多くあり、民間企業参入の検討も可能であるなど、数々の条件がそろった北野地区で脱炭素の取組を行うことは、メリットが大きくチャンスだと、私は非常に興味深く映ります。
Q環境、資源循環、水循環、そして都市計画と庁内の関連する部署が連携し、一体となって目標の実現に向けて取り組んでほしいと考えます。北野地区においては脱炭素の取組を提案したいと考えます。庁内連携して民間企業の参画を促すなど、地域の強みを引き出すように取り組んでほしいと強く思うのですが、取りまとめを行う都市計画部長にこれらに関してのお考えをお聞きしたいと思います。
A【都市計画部長】
本地区が、これまで環境教育、環境学習、交流、文化活動の場として活用されてきた経緯と、立地条件が持つ様々な可能性を踏まえ、新たなエネルギーの活用や学習の場など、これまで以上に市民の皆様に親しまれる活用方法について、しっかり検討していきたい。事業化に当たっては、周辺地域の民間事業者の状況や意向等も把握しつつ、付加価値の高いサービスを提供するための手法について庁内連携して幅広く検討していきたい。
〇国がカーボンニュートラルの目標値と目標達成時期を明言したことで、既に表明されている国内100ヵ所の脱炭素先行地域の創出以外にも、今後、総務省、環境省、国土交通省など様々な省庁から、地方行政が進める脱炭素の施策に対しての補助制度が表明されると、これは確信していますので、それらをしっかりつかんでいただき、過去に他行政が取り組んだまねごとのような二番煎じ、三番煎じではなく、八王子市の特徴を生かした独特な先進的取組を期待しています。