八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.75「議会報告」

令和2年第1回(3月)定例議会

≪代表質疑・第16号議案、令和元年度八王子市一般会計補正予算(第4号)について・代表質疑≫

1.元木公園整備について
2.いずみの森義務教育学校について

1.元木公園整備について

〇本事業は、平成24年度に中島酒造様から市に寄附としていただいた下恩方町725番地の旧中島酒造跡地に残っている工場などの木造及び鉄筋コンクリート建屋、約1,070平米と高さ約20メートルの煙突を解体、撤去する工事費です。解体、撤去する建物と煙突は老朽化が進んでおり、このまま残置しておくことが危険であるということだそうで、ご寄付していただいてから既に8年の歳月が経過しています。

Q市ではここを公園とする予定地としているようですが、この8年間、この土地の活用に関して私どもは一度も耳にしたことはありません。平成24年度に寄附としていただいて以降、今回、解体、撤去する建物や煙突について8年間も残置されていたのは、例えば駒木野のように寄附を受けた建物も活用した公園にするなどの考え方などがあったからでしょうか。今まで構築物が残置されていた理由をお答えください。

A【まちなみ整備部長】
寄附を受ける際には、古くからある酒造場の跡地という特徴を生かした公園とすることも含め、総合的に整備の内容を検討するため、建物等を残しておいた。

Q平成24年度に寄附していただいてから8年間も何も手を付けておらず、今までここに残置されている建物が老朽化していて崩壊の恐れがあり危険だという話すら出てきていませんが、今回急にこれらを解体、撤去する理由についてお示しください。

A【まちなみ整備部長】
寄附を受領後、建物等を公園施設として活用可能かどうかを調査検討してきたが、老朽化が著しいために活用しない結論とした。寄附を受けた当時より周辺の宅地開発が進み、近隣に住宅が多く建築されていることから、木造建築における火災の延焼や近年の台風の大型化による煙突や建物の倒壊等の危険を除去し、周辺の住民の安全・安心を図るために解体、撤去するものである。

Q今回この土地に残る構造物を撤去するということは、この土地の利活用方法については当然確定されており、今後の整備に向けた第一歩だと捉えてよろしいのでしょうか。今後の整備計画について具体的にお示しください。

A【まちなみ整備部長】
令和2年度に煙突や建物の解体工事をするに当たり、近隣町会等と調整していくが、解体を進める中で、今後の公園整備についても、地元の方と話す場を設けます。その後、基本計画の策定、実施設計、工事と進めていきたいと考えている。この地域では3,000平米を超える公園は少ない状況のため、地域の魅力を高める公園として整備していきたいと考えている。

2.いずみの森義務教育学校について

〇昨年の第4回定例会の代表質疑で、いずみの森小中学校の校舎新築工事の遅延について指摘させていただき、このまま突貫工事を続けて令和2年4月開校を目指すより、早目に工事の遅延をお認めになり、小中学校、保育園、学童保育所を含めて、建物完成までの対処方法を決定し、対象となる子どもたちと関係者に理解を求めるなど、早目に対処されることが得策と考えると申し上げました。
その後、市は、現場実態や工程を確認され、新校舎への移転は令和2年9月の2学期からするとする、ただし、義務教育学校としての開校については、新校舎は使わないが、令和2年4月からとするとの方針が示されました。これらの方針の地元や関係する児童・生徒、保護者への周知活動は本年1月から実施していると報告を受けています。以前、私がお聞きしていた情報では、4月に新校舎が完成できない場合は、完成した2階部分または3階の半分程度まで使って開校するという考えがあったとか。生徒の安全面や引き続き行う残工事の作業安全を考えるとぞっとするような話でした。新校舎完成までその校舎を使わないよう申し上げ、結果として、新校舎が完成した2学期からの移転という判断をしていただき、安堵いたしました。私自身の現場作業に携わっていたときの経験から、安全は何事にも優先していただきたいと考えます。指定された時間までに完成させるために、知恵を絞って工程を工夫し、複数の工種を調整し日数を短縮、完成時期を厳守することは当然の行為ですが、その範疇を超えてしまっているときに往々にして事故が起こります。市は発注者としてさまざまな工事を管理する側ですから、現場をあおるのではなくて、現場実態に合わせた冷静な判断が求められる立場です。安全は何事にも優先する、この言葉を常に最優先した仕事の進め方をしていただきたいと申し上げておきます。
・さて、いずみの森小中学校の一連の取り組みを見てきましたが、安全に工事を遂行するための工事工程の設計が初めからずれていたと感じています。本工事の工事請負契約案件が議案として出されたのは平成30年第2回定例会、2018年の6月で、契約工期は平成30年6月27日から、実際に現場着工されたのはその年の7月からです。私はこの当時から文教経済委員会で、現時点で既に工期が足りないと思われると申し上げています。当時あらあらの工程表を見せていただきましたが、既にその工程表に余裕がありませんでした。工程表上の余裕とは、例えば台風や大雪など、現場理由ではない天候上の理由によるもの。先ほどの他の議員に対する答弁で天候を遅延の原因と述べておりましたが、私はこれは違うと思います。そもそも天候が荒れることも考慮した工程を組むべきと考えます。
また、地元調整や現場の不具合等による遅延など不可抗力なものや、当初から読めない施工不可能な日数、正月や夏休みなど現場休工日数など、優秀な担当者や設計者は、経験値を生かしてこういった日数の読みがうまいわけですが、本工事は当初からこういったものが一切考慮されていない工程に見えました。私が「工程表上余裕がない」と委員会で指摘したときに、市側は、終わらせます、終わりますという回答に終始していたと記憶していますが、回答していたのは学校施設整備の部署であり、実際に工事発注、工事監理を行うのは財務部で、文教経済委員会には出席していません。

Qこういった常任委員会での発言や委員からの疑問、質問や意見といったものは、関連する部門に対してどのように生かされているのかについてお答えください。

A【学校教育部長】
委員からの指摘については、その都度内容について庁内関係所管で現状の把握及び課題整理を行い、工期内完了に向け取り組んで来た。

・私が実際に建築工事が遅れ気味であると現場作業に携わっている方たちからお聞きしたのは、昨年5月頃だったと記憶しています。その後も情報をいただくたびに工程は改善されず、さらにおくれる方向に推移し、8月には、正式な場ではありませんが、教育委員会に開校をおくらせる方向で検討されたらどうかと申し上げましたが、間に合わせますという返答に終始されていました。既にこの時期に現場から入手した工程表では、屋上に設置するプールは4月以降の工事工程で線引きがされていました。校舎の建物が物理的に無理な状況で、どのように何を間に合わせるのか、疑問に思いましたが、回答は変わりませんでした。11月になっても新校舎の4月供用開始についてはっきりした見解が出ないため、私は自ら現場状況を詳しく把握した上で、この代表質疑で正式に質問させていただくこととしました。

Q私がこの間、ずっと疑問だったのは、小さな工事が終わらないのではなく、コンクリート打ちなど大規模な躯体工事が大幅に遅延しており、急がせるという範疇の課題ではありません。間に合わせたい気持ちは理解しますが、なぜ冷静に判断できないのかということです。地元や生徒とその保護者、また、併設される保育園や学童保育所に通う予定の方々などには、早目の情報提供をすることで、無駄な混乱をさせずに対応していただく配慮が必要です。更に物理的に間に合わないものを急かせることで現場が不安全になることは目に見えており、こういったことを総体的に判断する市の立場としては、問題の捉え方や対処の時期が遅過ぎて不適切ではないかと思いますが、これらについて理事者の御所見をお聞かせください。

A【駒沢広行副市長】
いずみの森小中学校整備における工期延長の判断時期については、令和2年4月の供用開始に向け工事の進捗を注視しながらあらゆる手法を講じるとともに、新校舎の部分使用など様々な校舎使用の選択肢も並行して検討したが、子どもの安全確保、また、工事現場の安全対策、さらには、学校や保育所への影響など総合的に判断した結果、令和2年8月末から新校舎を使用することについて、令和元年12月末に決定した。

Q工期に関してもう1点お聞きしますが、給食センター南大沢や給食センター元八王子などを含めて、最近の市の発注する工事に工期不足ではないかと感じるものが多いと感じています。間延びをしてしまうほどの工期はこれもまた問題ですが、最適な工期となるよう発注する努力が欠けているのではないかと感じますが、御所見をお聞かせください。

A【学校教育部長】
・市発注工事における工期設定については、検証を行い、今後不測の事態への対応も含め、検証結果を踏まえた工期設定について検討を重ねてまいりたい。

Qいずみの森新校舎完成後に第六小学校校舎解体工事が予定されており、この工事については既に契約決定されています。工期は令和元年12月から令和2年9月末までとなっており、予算措置は令和元年度1億円、令和2年度2億円となっています。この工事が発注された時点では、いずみの森新校舎移転は令和2年4月ですが、実際には新校舎への移転が2学期からに変更となり、1学期は第六小学校の校舎を使います。この解体工事の工期を含めた措置についてお示しください。

A【学校教育部長】
一時的な工事中止期間の設定や必要な工期の検討などについて、受注者と調整を進めているところである。

Q今回の工期変更によって、1学期中は現場作業が継続して行われます。2学期から新校舎利用ということでも、実際は備品類の準備などの準備期間を考えると7月上旬には建物は完成している必要があり、工期延伸したとはいっても、それほど余裕ある日程ではないと感じます。現場作業が最盛期を迎える中で、子どもたちが近くを行き交う状況は今までと大きく変わるわけではありませんが、4月には新しい1年生が入学してくるなど、危険要素は増える心配があります。現場工事が続く中での子どもたちの安全の確保についてのお考えをお示しください。

A【学校教育部長】
現在も第六小学校では、隣接する工事現場と完全に区分をし、安全及び教育環境を確保している。4月からの校舎分離型の義務教育学校開校後も同様に万全を期して行う。

Q市内の小中学校では、過去にさまざまに発生した生徒を犠牲にした第三者の侵入による犯罪抑止のために、学校外周の出入り口を施錠したり、学校敷地外周に柵を設けたりして、第三者が簡単に敷地内に入れないよう対策をとっています。いずみの森小中学校の第三者からの安全確保策についてお聞きします。

A【学校教育部長】
新校舎の周囲は使用開始までには外構工事も完了していることから、セキュリティ上の安全も十分確保した上で、2学期からの学校生活を開始する。また、解体工事及び校庭整備工事については、新校舎敷地と完全に区分して工事を行うことで、こちらも十分に安全を確保する。

〇私は、既存の建物や敷地を使いながらの施工は作業効率が悪く、安全面で課題が多いため、できるだけ避けたほうがよいと昔から思っています。学校で考えれば、工事する時点で校庭が使えないとか、通常の出入り口が変更になる、また、工事の騒音や振動が発生する中での学校生活になるなど、不自由なことが多く発生します。土地の確保などの大きな課題はありますが、どちらにしても不具合いが発生するのであれば、学校統合などの場合はどちらかの校庭にプレハブの仮校舎をつくって移転してもらい、あけた用地を使って一気に仕上げてしまうという手法のほうが総体的に見て有利なのではないかと思っています。今回の工事遅延に関連して、一連の工事設計から現場施工監理、安全施策などは一度しっかりと検証していただき、どこに問題があったのか、何が今後の課題なのか、整理をきちんとしていただき、今後に生かしていただくことを要望しておきます。

相沢こうた
八王子市議会議員