八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.73「議会報告」

令和元年第4回(12月)定例議会

≪代表質疑・第4回定例議会 第137号議案、第139号議案に対する代表質疑≫

1.第137号議案 八王子市学校給食センター条例設定について
2. 第139号議案 いずみの森義務教育学校新校舎について

1.第137号議案 八王子市学校給食センター条例設定について

〇八王子市の給食センター方式による学校給食は、来年4月に一部導入される予定で、給食センター南大沢と給食センター元八王子2施設の供用開始を目指しています。給食センター南大沢は、南大沢清掃事業所の敷地5,636平米のうち入口東側の1,758平米を利用して建設、2,500食をつくって5つの中学校に配送する計画になっています。現地を見ると、給食センター用地として利用する1,758平米は、そのほとんどが給食センター建屋で、給食配送用車両や食材などの配送、搬入用車両などの停車や荷さばきなどは隣接する南大沢清掃事業所の敷地を有効活用することなると推測いたします。この場合、当然ですが、事業開始以前に、実際の運転時と同じ時間、同じ車両、要は同条件で実際に検証してみることが必要で、これによって机上の検討では想定しなかった課題を明確にして、運用開始前に問題解決しておくことが可能となります。これは調理に関しても同様のことが言えるわけで、こういったことをきちんと事前に行い、準備を整えることが大切だと考えます。運用に関する諸準備を十分に行うためには、建物の完成時期はそれらを考慮した時期となる必要があります。

Q給食センター南大沢及び元八王子の建屋の完成時期についてお聞きします。
建屋の完成はおのおのいつの見通しとなっていますか。また、建屋完成後、正式運用までの期間で行わなくてはならない準備作業についてのお考えを項目やスケジュールを含めてお示しください。

A【学校教育部長】
建屋の完成時期は、両施設ともに令和2年2月末の竣工を目指している。
給食開始に向けた準備作業は令和2年3月から調理場、厨房機器の清掃、消毒を行い、調理作業や各校への運搬、配膳のトレーニングを実施する。また、配送については、実際の搬出時間にトラックを実走させるなど試運転を行い、安全な給食提供を目指す。

〇給食センター南大沢から由木中、松が谷中、宮上中、別所中、松木中の5中学校、給食センター元八王子から長房中、元八王子中、四谷中、城山中、恩方中、加住小中の6校に配送することが示されています。配送車両については、以前の文教経済委員会の中で、1施設当たり3台を配備することが示されていますので、1校当たり1台ということではなく、食数や方面によって複数の学校を受け持つ配送者が存在することになると思います。また、学校での配膳方法について、各教室の前の廊下まで委託員が行うという方法が示されています。配送車はトラックタイプでしょうから、乗車できる方は2人ないし3人で、場合によっては複数の学校を受け持つわけですから、この方たちが各教室まで配膳することは考えられません。

Q現在、市が考えている給食センターの委託業務についてお伺いしますが、一つの給食センター当たりの調理などの給食センター側業務に当たる人数、配送に当たる人数、各学校での配膳に当たる人数と、おのおの方の働き方や役割についての考え方についてお示しください。

A【学校教育部長】
調理業務に従事する職員は30名程度で、業務内容は食材の受け取り、下処理、調理、午後の洗浄等を担う。配送については、3台の配送車を6名程度で運用し、各中学校へ配送する。配膳業務については、配膳作業員を各校四、五名程度配置し、給食を各教室前まで運び、食後に空になった食器を回収し、翌日に備えることとなる。

〇受け入れる学校側の課題は、八王子市の中学校は給食の導入を念頭に入れた建物のつくりになっていませんので、配膳室や配膳用のエレベーターなどが整っていません。学校によっては、一階外から配膳車が取りつく場所にさえ苦慮するところがあるのではないかと想像いたします。
校舎建物に外づけで簡易なエレベーターはつけられないのかお聞きしたところ、学校という建築物のさまざまな制約の中で簡単にはできないということでした。そうなると、人力で各階に階段を手で持って運搬するということになります。各階には配膳室がないため、クラスごとに配膳するためのワゴンに載せてクラス前の廊下まで配膳します。ちなみに、クラスごとに配膳するワゴンの置き場は各学校にスペースの確保をお願いし可能となっているようです。給食は廊下に置きっ放しでは異物混入などの心配があると申し上げたところ、委託の方が見張っているという考えが示されました。

Q各学校での運搬な見張り、片づけなどに従事する方の人数は少なくはないと思いますし、対象となる学校数は多く、給食は今後継続して行われることなどを考えると、これらはばかにできない経費になり、学校のハード整備を行ったほうが安価ではないかと思うわけですが、給食の導入を考慮されていない中学校建物を改善、改良するためにハードルとなっている事項についてお示しください。

A【学校教育部長】
給食の開始に向けて中学校校舎に配膳室や給食用エレベーターなどを整備するためには、建築基準法上の課題がある。

Q既に親子方式で給食を導入している中学校での配膳方法をお示しください。

A【学校教育部長】
配膳作業員を配置し、食器や食缶を手上げにより教室がある各階へ運んでいる。

〇校舎の課題は、予算上からも早急に取り組めない部分があるかと思いますが、配膳全般を委託員の方に頼って行う方法については見直す検討が必要ではないかと感じます。まだ対象が11校ですが、今後対象校が増加したときは、委託費用とともに給食の配膳をする仕事に人が集められるのかも疑問に思うところです。

・自分の子どもたちの行動を見ていて感じるのですが、我が家で食事のときに少しも率先して手伝おうとせず、上げ膳据え膳の状態です。子どもの数が少ないからなのか、世の中全体的にさまざまな場面で子どもに対して過保護になり過ぎていると感じているのは私だけでしょうか。

Q学校教育も含めて、教育とは、勉強を教えることだけではありません。集団生活や自立するという意味、人を思う心など、人として幅広く育ててほしいですし、食べることには食育という言葉があります。中学校給食の配膳方法について多くの配膳員が必要となる現行方式は、委託費や要員確保などの課題を抱えていると思います。生徒みずから給食を教室に運び、当然片づけもする方法となるよう、給食時間の確保も含めて指導体制を整えていただきたいと思いますが、お考えをお示しください。

A【指導担当部長】
中学生が自ら給食の食器や食缶の運搬も含め準備にかかわることは、食にかかわる人への感謝の気持ちを育む上で大切なことだと考える。現在、センター方式の給食に移行する学校については、給食時間を延ばし、30分程度確保するように指導している。まずは喫食時間を十分確保するため、配膳作業員による給食準備を進めるが、実施後の学校の状況を把握した上で、生徒自身が給食の運搬にどのようにかかわることができるか指導方法を研究したいと考える。

2.第139号議案 いずみの森義務教育学校新校舎について

◇本議案は第六小学校の解体工事についてですが、この解体工事が実施できるのかを判断するためには、新校舎建設工事が順調に当初の予定どおり来年4月に開校し、第六小学校の校舎が役割を終えることが条件となりますので、新校舎建設工事の進捗状況等について確認させていただく質問をさせていただきます。

〇いずみの森義務教育学校の新校舎は、令和2年4月開校を目途に建築工事が行われています。当然のことですが、建物が完成した次の日から使用できるわけではなく、開校に向けた諸準備が必要になります。机や椅子はもとより、ロッカー、下駄箱、理科室や音楽室などの特別教室等のさまざまな備品、これに加えて学校運営のために教職員の方々の諸準備期間も必要です。また、生徒が安全に通うために最低限の外構設備も必要です。こういった準備期間を最低1ヵ月程度見積もった場合、4月からのスムーズな学校運営を行うためには、建物の完成引き渡し時期は2月末ということになります。現在既に12月に入っており、年末年始休工を10日程度、2月は暦が短く、今からですと土日を含めても2月末までは実質75日程度の日数となります。

・先日、改めて現場の様子を見てきましたが、例えば4階部分はいまだ躯体が立ち上がっていないなど、私自身が建築現場にかかわってきた経験から見て、あと75日程度で完成する様子には到底見えませんでした。正式な工程表を見せていただいたわけではありませんが、工事に携わっている関係者に確認したところ、例えば屋上に設置される予定のプールは工期内での完成は無理であること、空調、電気関係も相当遅れ気味で、関係者の間では来年4月に使用できる建物は3階の一部までではないかという話が出ているなどの話を聞きました。

・私は、この現場の着工前に拝見した工程表から、着工前の段階で既に工期が足りないように見えると当時の文教経済委員会で質問させていただきました。既設の学校敷地内での工事であり、周囲は住宅地であるため、施工方法に制約を受けそうな背景もあり、当初から工程に無理があったと今でも思っています。その後も委員会等で、工程表上かなりの無理が散見されたため、新校舎の使用は2020年9月の2学期からでよいのではないか、早目に検討しジャッジすべきと申し上げましたが、市側の回答は、2020年4月開校に向けて間に合うようにする、努力するの一点張りでした。

Q年明けの2月末まで施工日数は実質75日程度、3月末までで100日少々となった現在、再度同様の質問をさせていただきますが、新校舎建設工事は予定どおり仕上がり、4月から何の問題もなく思い描いていた青写真どおりに開校ができるとお考えでしょうか。教育長にお聞きします。

A【安間教育長】
現在、工事も最盛期となっており、授業を初め開校後の学校生活に備え、不備が生じないようソフト面も含め取り組みを進めているところです。工事の状況について御質疑がございましたが、詳細については早急に課題整理及び調整を行い、ハード・ソフト両面から見た開校の全体像をお示しできるようにしてまいります。市内初の義務教育学校として、円滑な学校運営につなげるよう、今後の工事進捗を徹底管理するとともに、施設の有効活用を図るなど、さまざまな工夫を検討しながら開校に向けた準備を行ってまいります。

〇これ以降は、現場状況や関係者のお話から、工事工程に相当の遅れが生じていることは事実であり、100%の完成は不可能だという前提でお話を続けさせていただきます。

・今でも間に合わせたいという願望をお持ちかもしれませんが、間に合わせるために現場に休日返上、昼夜兼行、複数班の投入など、俗にいう突貫工事にかじを切ること、発注者としてそういう指示は行わないでいただきたいと申し上げておきます。理由は、1に、現場が不安全になること、2に、契約された条件と大きく異なる現場遂行は施工者に多大な費用負担を強いることになり適正な利潤を得ることができなくなること、そうなると市内業者を優先して発注している意味がありません。3に、国が働き方改革に取り組んでいる時代に、働く方々に過剰な労働を強いることは行政としてやるべきではないということ、4つ目として、何よりもこの先50年、80年と使っていく建物ですから、必要な時間をきちんとかけてよいものに仕上げていただきたいということです。工程を工夫して調整することと、現場に過剰な労働を強いることは全くの別物であると申し上げておきます。

・現場を見る限り、実質的にあと75日程度で完成するとは到底思えない状況ですが、新校舎には義務教育学校のほか、学童保育所や保育園も併設されます。2学期からの開校とか、4月に一部開校など選択肢は幾つかあるでしょうが、こういった方針を検討、決定し、生徒、保護者などに丁寧な対応を行うためには、私は現時点がぎりぎりのタイミングなのではないかと思います。

Q教育関係者の一部には、発表のタイミングはデリケートな問題であり、生徒や保護者への周知は今ではないと考えている方もいらっしゃるようですが、この期に及んでも間に合わせるの一点張りで、直前になって方向転換することのどちらのほうがハレーションが大きいのか、普通に考えればわかると思います。夏休み明けの当日になって、できませんでした、忘れましたという子どもの宿題ではないのです。少なくとも12月中に4月開校に向けた課題について整理し、おのおのに対応方法を明確にして、議会への説明と関係者や対象となる保護者、生徒に対する丁寧な対応を望みますが、教育長のお考えをお聞かせください。

A【安間教育長】
学校運営のための備品の配置などの諸準備に1ヵ月を見込み、その作業に着手する1ヵ月前を目途に、さきに述べた開校の全体像を整え、議会への報告及び保護者説明会、地域説明会、工事説明会を実施し、子どもたちが開校後の学校生活を安心して送れるよう、それぞれ丁寧に説明をしてまいります。

〇私は、当時文教経済委員会に所属しており、当初から工期に疑問を持っていましたので、本工事の進捗状況が大変気になり、頻繁に現場を確認にいき、進捗状況に関してさまざまに危惧する質問をしましたが、いつお伺いしても順調に推移しているような回答ばかりでした。
義務教育学校は、八王子市の新たな教育モデルとして注目されているプロジェクトです。いずみの森新校舎着工から一度も工事の進捗状況や事業の準備状況について情報提供されていませんので、4月には提示された絵のとおりの建物において新たな取り組みが始まると捉えている議員もたくさんいると思います。工事の遅れは誰のせいと言いたいわけではありませんし、誰のせいだと追及したいわけでもありません。ただ、事業の展開に正しい修正を加えるためには、私たち議員の理解や協力も必要ではないのでしょうか。今まで途中経過の御説明をいただけなかったことに疑問を感じ、残念に思うのは私だけではないはずです。

・また、一部開校という手法は、残工事の量と、それをどのように実施していくのかなどを考えて判断すべきと思います。この建築物は屋上部分に可動式の屋根を含むプールや電気や空調設備の本体を置く設計となっているなど、子どもたちがいる中でクレーンを使うなどの施工は危険が伴いますし、作業時間や作業場所に制約が生まれてしまい、非常に効率が悪くなります。また、工事内容によっては振動などが出る工程が残るなど、授業への影響も考慮する必要性も発生してしまいます。
私は、完成するまでは第六小学校を使い、完成すれば1学期途中でも移転し開校、セレモニーなどは夏休み中に済ませる、要は普通に工期延長し、生徒がいない中で新築工事を完了まで進めて、完成後に一斉に使用開始することがふさわしい方法だと思います。

Q新校舎への移転時期と開校までのスケジュールを調整しなくてはならないと思いますが、こういったことが明確になっていない中での第六小学校解体工事の請負発注がされていますが、この解体工事の工期は9月末、この工期で対応可能であるのかについてお聞きします。

A【安間教育長】
本議案のとおり、この工期にて対応する計画で事業を進めてまいります。

相沢こうた
八王子市議会議員