1.PCBについて
2. 学校給食について
〇PCBとは、ポリ塩化ビフェニルの略称で、人工的につくられた物質です。といっても、イメージが湧かない人が多いと思いますが、具体例を示しますけれども、例えば電柱の上のほうに鉄製のポリバケツのようなものが乗っています。これは変圧器で、柱上トランスと呼ばれているものですけれども、この中に巻き線、コイルが入っており、こういった電気機器が入っているところに絶縁油という油が入っています。過去のある時期、この油の製造過程で混入させた物質の1つがPCBです。PCBは、油などに成分の1つとしてまざっているものと理解していただければと思います。
・PCBは、水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、それから電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、今申し上げた高圧トランスや高圧コンデンサー、安定器などです。ほかに、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙などさまざまな用途で利用されましたが、人体への悪影響が明らかになったため、現在では新たな製造が禁止されています。昭和47年8月以前に製造された業務用・施設用蛍光灯などに用いられた安定器の中にはPCBが入っているものもありますが、家庭用の蛍光灯には使われていません。
・PCBの毒性については、脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、さまざまな症状を引き起こすことが報告されています。PCBが大きく取り上げられる契機となった事件として、昭和43年に食用油の製造過程において、熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。一般にPCBによる中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹、これは塩素ニキビといいますが、他に爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。
・八王子市では、平成12年5月24日に中野北小学校1年2組の教室で蛍光灯の安定器が破裂・破損し、生徒の帽子やランドセルにPCBが付着し、目尻が赤く腫れるなど、児童8人が被災する事故がありました。同年10月4日には陶鎔小学校の図工室で蛍光灯の安定器が破裂し、4年生の児童4人が被災する同様の事故がありました。被災した児童に対しては、採血による検査にてPCBの影響を数年にわたり継続的に行いましたが、健康上の影響はなく、事なきを得ました。
市は、この事故を受けて、市内小中学校やそのほかの市有建物において、PCB使用の蛍光灯安定器の取りかえを実施しました。その数量は、小学校3,892台、中学校1,083台、そのほかの市有建物575台で、費用は1億2,000万円程度かかったという記録が残っています。
・PCBの処理については、平成13年6月22日にPCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法が公布され、同年7月15日から施行されました。法律の施行により、国が中心となって中間貯蔵・環境安全事業株式会社、JESCOといいますけれども、ここを活用して、平成16年から全国5ヵ所に処理施設が整備されました。
PCBは、製造・使用を禁止してから処理施設が整備されるまで相当の期間があり、平成16年以前に現場から撤去されたPCBを含有する機器は処分できず、一時保管を義務づけられた期間が長くあったことになります。
【新潟県のホームページ・照明器具の安定器にPCBが使われているものがあります】
QPCB特別措置法により、廃棄物の管理監督所管、八王子市の場合は廃棄物対策課となりますが、廃棄物の監督所管は毎年6月末までに前年度の保管及び処分の状況報告が義務づけられていますが、現在の市の施設に残っているPCBが含有している機器についてお聞きします。
市の施設に使われていた安定器など、PCBが含有している機器で、現地にて使用中のものはありますか。
A【資源循環部長】
平成12年の事故を受けて、市立小中学校など、市が所有する建物については、PCBを含有する安定器が使用されている全ての照明機器の調査を行い、必要な照明器具の交換もしくは器具内の安定器の交換を行っている。一部の市が所有する建物では、現在使用中の受電設備の中にPCBを含有する機器が使用されており、その数は変圧器が18台、コンデンサーが1台、遮断器1台となるが、処理期限までに計画的に更新する予定となっている。
Q平成12年の案件を含めて、撤去・交換されたPCB含有の廃棄物の保管処理状況はどのようになっているのかについて、お示しください。
A【資源循環部長】
これまで撤去・交換されたPCB含有廃棄物については、現在、市内数ヵ所の保管場所にて、PCB特措法の基準に従って適正に保管しており、順次処分している。現在は、高濃度のPCBを含有する安定器は3,123台、コンデンサーは5台、変圧器は4台を保有しており、処理期限までに適正に処理する計画である。
〇PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年、保管や処分の状況についての届け出を行うことのほか、法令で定める期間内の処分が義務づけられています。PCBの含有量によって高濃度廃棄物と低濃度廃棄物に区分されていますけれども、処理期間は、高濃度廃棄物の変圧器、コンデンサーが2022年3月末日まで、同じく安定器が2023年3月末日まで、低濃度のものは2027年3月末日までとされています。
廃棄物に関する事項ですので、通常はその権限を持っている都道府県が環境省、経済産業省の指針に基づき具体的対策を展開しますが、八王子市は中核市となり、東京都から廃棄物に関する事務が移管されているため、独自でPCB廃棄物対策を実施することになります。
Q八王子市として対応するPCB含有機器の対象は市内民間施設まで全てとなり、残り期間の少ない中でこれらをゼロにする責務があります。市の施設以外の八王子市内の民間企業など、対象となる設備を保持している方々への対応についてお聞きします。対象となる設備を保持しているであろうと思われる方に、調査依頼の通知を発送した段階であるとお聞きしていますが、通知を発送した対象者の抽出方法について、通知を発送した後の反応や成果などの現状を含めてお示しください。
A【資源循環部長】
対象者の抽出については、環境省のマニュアルに沿って行っている。変圧器やコンデンサーなどの高濃度PCB廃棄物については、自家用電気工作物設置者を対象としており、その件数は2,647件となる。そのうち1,944件が調査を終了し、残りの703件について、本年度内に調査を完了する予定である。安定器については、昭和52年3月以前に建てられた事業用建物所有者リストをもとに、4,771件を対象としており、現在、調査しているところであり、現在の状況は、回答件数は1,036件となっており、未回答者につきましては電話連絡で回答を促しているところである。
〇平成13年6月22日にPCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法が公布され、同年7月15日から施行されましたが、PCBの処理施設の整備が遅れたことにより、PCBを含有する製品を撤去しましたが破棄できず、中間保管をしなくてはならない状況を生み出しました。中間保管されたまま最終処分されていない製品が、それらを入れた容器の腐食などにより、PCBを含む絶縁油が流れ出すなどの事象が複数報告されています。
国は、当初予定していた平成28年3月までの処理完了が困難な状況となったことから、平成26年6月にポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画を改定し、これには先に申し上げた処分期限を過ぎると、高濃度PCB廃棄物は事実上処分することができない、そのような表現となっており、処理完了に向けた厳しい取り組みを喚起している状況にあります。
PCB含有製品は電気設備に多いため、私のように電気の仕事に関わっていた者はPCBに関してさまざまに接してきましたので認識が強いのですが、一般の方々の中にはPCB含有の機器について無頓着な方が多くいらっしゃると思います。特に電気などに関係のないお仕事で倉庫や作業場などを所有している方の中には、御自身の所有する建物の中にPCBを含んだ機器があることを気にもしていない方はいらっしゃるだろうと推測します。
【山口県のホームページから】
Qこういった方々に国が言う目標と危機感を伝えていく方法について、どのように展開されていくつもりであるのか、お示しください。
A【資源循環部長】
廃棄物の排出事業者向けに毎年行っている3R講習会や企業向けに講習会を行うなど、さまざまな機会を活用して、積極的にPCBに対する指導・啓発活動を実施していくとともに、国に対しても、広く周知するという意味で、テレビCM等を使った周知活動などを要望していきたい。また、中核市移行のメリットであるきめ細かな指導・啓発活動が効果的であることから、必要に応じて直接現地に出向くなどの対応を行いたいと考えている。いずれにしても、より効果的な指導・啓発活動を展開し、期限内処理を推進していく所存である。
・市は、所有している建物や倉庫などにPCB含有製品がないか、まずは調査することをあっせんしています。工場や倉庫は総じて天井が高く、現在PCBが含まれており、現地に多く残っているだろうと懸念されている蛍光灯の安定器の機器に張ってある銘板を確認する行為ですら容易ではないものが数多くあります。また、過去の事例でサンプリング検査、これはたくさんある中から抜き打ちで何個か見るということですけれども、サンプリング検査を実施し、問題なしと判断されていた建物でサンプリングされなかった機器が破損し、それがPCBを含有していたというものがあり、調査は専門の人が全数行うことが原則であるとされています。
Q専門の方に調査を依頼し、作業は高所であり、操業中の工場などでは調査時間にも制限があり、さらに数量は全数行うということになると、調査費用だけでもばかにできない金額になることは容易に予想がつきますので、PCBに取り組まなくてはならない理屈は理解していても、なかなか積極的に取り組めないという方が多くいらっしゃるように推測します。調査に対する補助金はどのような制度設計になっているのかお伺いします。
A【資源循環部長】
公益社団法人東京都環境公社や一般社団法人温室効果ガス審査協会による補助金制度があり、PCBの有無を調査する費用について、最大で50%の補助が行われることとなっている。
Q調査作業に当たる方々はどのような方を想定しておられるのかについてお示しください。
A【資源循環部長】
市内の電気工事店や一般社団法人日本PCB全量廃棄促進協会が担うこととしている。
〇PCB含有の機器は、その当時は世の中の汎用品だったわけで、その機器が所有する施設に設置されていることに建物所有者の落ち度があったわけではありません。それを数十万円もかけて調査し、対象機器があったら2022年までという短い期間に全て撤去して新しいものにかえなくてはならない。これにも当然相当の費用がかかるわけで、これらのことを一体どのくらいの人が、はい、そうですかと実施してくれるのだろうかと考えると、私は今のままの取り組み方法ではかなり厳しいと思っています。
そうは言っても、人類の将来に向けて、PCBは世の中から完全に除去するという国の方針に沿って実施していただけるように誘導していかなくてはならないわけです。この容易ではない施策を完遂させるためには、幾つかのアイデアが必要だと考えます。
まず、調査で判明した対象機器の取りかえなどにかかる費用についての補助金の割合を大きくすること。調査に関しての補助は上限5割という回答でございましたが、調査対象設備を多く所有し、調査費用が増大してしまう方の枠を別に設けるなど、御検討いただきたいと思います。
対象設備として、蛍光灯などの安定器に使われているPCBが多そうなため、古くなっているので調査は行わず、全て取りかえてしまおうということでも対応できるように、環境施策として行うLED化などの補助金を増額して、あっせんすることもよいと思います。
また、資金の厳しい方への貸付も方法としてはあります。
対象となる市民の方々にまずは問題を正しく理解していただくこと、その上で改善・改修に取り組みやすくすること。これらについて部門を超えて深く議論していただき、目的を達成するための施策を展開することが求められます。
PCBに関しては、国が設定した期限に、間違ってもできなかったということは許されない取り組みです。その重要性をしっかりと理解して、予算を増額して対応すべきだと考えます。
中核市になるときに、これからは独自の政策の実現も可能だと、肯定する意味でそのフレーズをよく耳にしましたが、私は負の部分もたくさんあるのではないかと申し上げたことがありました。こういう難しい課題を抱えたときにこそ、中核市の自在性を生かした取り組みを行っていただきたいと思います。
Q国が決めた期限までに八王子市内の民間を含めたPCBの完全除去に向けて施策の工夫を行うこと、または補助金制度など、予算面でも重点を置いた取り組みを実施するべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
A【資源循環部長】
PCB廃棄物の期限内での適正処理については、重要課題だと認識している。
PCB調査をはじめ、器具交換や処分にかかわる国や東京都の補助制度について、期限内処理を促進する上で非常に大きな誘導策となることから、その拡充を要望していきたいと考えている。
また、本市における地球温暖化対策を目的とした中小事業者省エネ改修等推進事業補助金制度を活用した古い照明器具のLED化の促進については、環境対策のみならず、同時にPCB対策にもつながることから、関連所管としっかり連携を図って実施していきたいと考えている。
〇平成29年11月、八王子市は長年の課題であった中学校給食について、給食センターを設置して対応することを表明しました。過去には、昭和44年の八王子市議会で中学校給食の実現に向けてという請願が議論された経過もあり、50年の長期間に及ぶ中学校給食という市民要望がついに実現化したと、このことについては英断であると評価していますが、いまだに全体を捉えた基本的な考え方や総事業費などが具体的に示されていないなど疑問を感じていることがありますので課題としました。
《八王子市の給食の歴史》
・八王子市の小学校については、基本的にそれぞれの学校に給食室があり、昭和40年から全市立小学校で週5日の完全給食を実施しており、現在に至っております。
・中学校に関しては、弁当持参でしたが、平成11年4月から平成14年3月の期間には、第二中学校と中山中学校でデリバリー方式を導入、平成14年9月から平成21年3月まで、全校であっせん弁当、これは仕出し弁当を頼めるという形を採用しました。平成21年4月からデリバリー方式を導入しますが、現在の喫食率は30%に満たない状況です。平成22年から小中一貫校となった加住、館、いずみの森と、平成25年からは親子方式として、川口、横川、中山、南大沢のそれぞれについて、小学校の給食室でつくった給食を中学校にも配膳しています。こちらの評価はおおむね好評だとお聞きしています。
・八王子市では、中学校給食のあり方検討会を過去から多く開催しており、この最終が平成19年に行われており、報告書を見せていただきましたが、この報告書では、給食センターの話に触れてはいますが、特に重視しているものではありませんでした。
Q過去の経過に関してお聞きしますが、今までの八王子市の小中学校給食における給食センター設置について、個別に検討されたことがあるのかお示しください。
A【学校教育部長】
平成21年にデリバリーランチ方式による給食の提供を開始した後は、小学校の給食室から運搬する自校方式や親子方式を実施してきた。当時は、その他の手法の1つとしてセンター方式も視野に入れていたが、整備に向けた課題の洗い出し等の詳細な検討は実施していなかった。
Q今回の給食センター設置による中学校給食の実現が突然表明されたのは平成29年11月だと申し上げました。この年の10月には、台風第21号による被災で加住小学校の裏山の土砂崩れが発生し、給食室が壊れて使用不能となり、親子方式で実施していた加住小中学校の給食も提供できなくなりました。この給食室の復旧費用の概算が2億円以上になると参考的にお聞きしたと記憶していますが、時期的にはこの自然災害と給食センターを設置する決断を下したことは無関係ではないと推測します。
改めてお聞きしますが、給食センター設置に突然にかじを切ったことには幾つかの理由があると思いますが、その経緯と理由についてお示しください。
A【学校教育部長】
デリバリー給食の喫食率が課題になっていたことや、親子方式の拡大にも限界がある中、新たな手法を模索する中で、最も早く中学生全員に温かい給食を届けられる手法として、センター方式を選択した。
〇給食センター設置を表明した時点での説明事項として①なるべく費用を抑えるために一番金のかかる土地取得をしないことを前提とし、既にある市有地などの有効活用により建設場所を検討していく②給食センターは市内に7ヵ所程度を考えている③なるべく早い実現を目指して出来るところから順次進めていくといったものでした。
用意できる土地の場所も広さも決まっていないため、建設される給食センターの規模は当然決まらず、いまだにどの給食センターがどの学校を担当するのか、確定し切っていません。ですから、当然ですが、各学校はいつから給食に移行できるのか、全てが決まっているわけではありません。
当時、私は文教経済委員会に所属しており、委員会の給食センターに関わる報告事項の度に新たに知る内容が多く、そもそもの基本計画が示されていないこと、具体的な全体の実施計画が見えないことを問題視すると何度も申し上げました。
Qそもそも給食センター方式の導入に当たっては、給食センターをつくるだけで事が済むということではありません。給食センターでの調理方法や経費、給食センターからの配送方法や費用、受け入れる学校側の方法や設備の整備状況など、こういった費用が全体でどのくらいの額になるのか、そういう基本的なことすらお聞きしたことがありません。基本設計が予算も含めて固まらない事業が見切り発車で動き出して成功した例など民間では皆無ですし、そもそも普通は発車出来ません。
教育長にお聞きしますが、基本構想や基本計画がない中で給食センター方式による中学校給食を進めることとなっていますが、事業は問題なくできるという判断であったのかについて、御所見をお聞きします。
A【安間教育長】
学校給食の提供方法については、長年にわたり検討を重ねてきました。これまでは全校で早期に提供ができると考え、選択制によるデリバリーランチ方式を実施してきましたが、さまざまな方策をめぐらせても、なかなか喫食率が上がらないのが事実です。
こうしたことから、かねてからの市民要望や中学校給食への期待の高まりに応えるため、温かい給食を全ての子に最も早く提供できる方法として、センター方式を選択し、建設と運営を同時に進めていくことといたしました。センター方式においてもさまざまな課題があることは認識していますが、その課題を一つ一つ調整し、解決しながら、1日でも早く中学生が給食のある学校生活を送れるよう、全力を挙げて取り組んでまいります
【南大沢給食センターの完成予想図】
〇給食センター方式に移行するということは、給食センターだけ建設すればよいということではありません。まず大いに気になることは、学校側の設備が給食センターからの給食の供給を受ける建物構造になっていないということです。
・私が生まれ育った埼玉県狭山市は、初めから小中学校給食は給食センターからの配送でした。そのため、学校側には給食センターからの配送を受ける専用の取りつけ口があり、そこから上位階に配膳するために給食用のエレベーターが設置してあり、エレベーターは各階の縦位置に配置してある配膳室内に接続していました。配膳室は空調が整っており、鍵の施錠もできるようになっていました。生徒は午前中の授業が終わると各階の配膳室に給食をとりにいき、クラスごとに配膳用のワゴンに乗せて給食や食器を教室に運びました。給食が終わると生徒が各階の配膳室まで容器や食器を戻しますので、給食の時間以外に配膳用のワゴンが教室や廊下などに放置されることはありませんでした。
・八王子市の中学校建物は、給食を考慮していませんので、配膳室や運搬用エレベーターなどは整備されていません。どのように配膳するのかを過去の文教経済委員会でお聞きしましたが、学校に給食が届いたら、人力で各階に運搬し、クラスごとに教室の前まで運んで置いておく。給食が終わったらクラスごとに教室の外の廊下に出しておき、それを配膳専門の方が片づける方式で運用するということでした。
Q配膳専門の方の人数と年間の人件費を含めた費用について、どのように試算されているのでしょうか。
A【学校教育部長】
学校の規模や教室配置にもよるが、1校当たり3名から4名を予定しており、年間の人件費を含めた予算については、1校当たり500万円程度と試算している。
Q給食センターからの給食の提供は、今後、その学校が存続する限り続くものであるということでよいですか。
A【学校教育部長】
給食センターからの給食の提供は、今後も学校が存続する限り、継続していきます。
〇中学校の耐用年数80年に対してあと何年残っているのかは中学校ごとに違いますが、給食センター方式による給食の提供は将来的に継続していくということならば、仮にその学校がこのままの校舎で運営していくとした場合、単純に向こう30年で配膳費用だけで1校当たり1億5,000万円、40年で2億円となります。更に益々人手不足が予想される世の中で、配膳の仕事にそんなに多くの人が従事してくださるとは考えにくく、では、シルバーでとはいかない力仕事です。配膳室は、鉄筋コンクリートではなくて、鉄骨で既存の校舎につけ足す形など安価な施工方法が可能ですし、物を上げるだけのエレベーターは、人を乗せるそれより安全率などの規定が簡易であるため、割合安価にできるはずです。
現在考えている方式では、廊下に給食が出しっぱなしの状態で準備されていて、食べ終わったらそのまま廊下にワゴンが出ている光景は、衛生的にもよい状況ではないと思います。心配のし過ぎかもしれませんが、給食の中に何かを混入させるなどのいたずらも簡単にできてしまいます。配膳は人力で上の階まで運搬し、廊下に出しっぱなしという状況は改善すべきです。
Q長い年月の費用や社会の将来像を考慮すると、配膳室と配膳エレベーターの整備は必須だと考えますが、御所見をお示しください。
A【学校教育部長】
空き教室の状況や建築基準法上の課題の整理が必要なことから、今後、老朽化に伴う中学校校舎の改築や長寿命化改修を行う際に、状況に応じて取り組んでいきたいと考える。
〇小学校では、現在は各学校の給食室で学校ごとに調理して給食の提供をしています。学校の建物の寿命は80年とお聞きしますが、校内各施設はこの間複数回の修繕を行う必要があり、給食室も同様です。
市内の小学校のうち、築年数が40年を超えているものは44校あり、この数は全体の約3分の2に当たります。それに加えて、当初から生徒数が100人以下と少ない学校、また、近年になって生徒数が減少している学校などが複数校あります。こういった小学校において、自校で給食をつくることについて、既存の給食室が健全であればよしとしますが、給食室が老朽化した場合、億単位の修繕をしてまで継続することが相応しい選択だとは思いません。修繕費用などを比較検討して、こういった学校については給食センターからの供給に変更することが有効であれば、そちらも視野に入れておく必要を感じます。そうしますと、給食センターでの調理量、食数は、中学生だけを見ていては困るということになります。
Q給食センターの規模などについてお聞きしますが、現在の1つの給食センターで調理できる食数は、何を基準に必要数を割り出しているのか、考え方をお示しください。
A【学校教育部長】
市内全体の生徒数の状況から、全体で1万5,000食の給食を提供するため、5ヵ所から6ヵ所に分散して効率よく提供できるよう、候補地の条件により、調理能力を鑑みて決定している。
Q運転開始当初の見込みで、1つの給食センターで調理可能な食数に対して、何割ぐらいの運転率で運営する計画か、どの程度の余裕があるのかについてお示しください。
A【学校教育部長】
新入生の見込みと在籍生徒の状況から、現時点ではおおよそ90%から95%程度の運転率で、1センター当たり2,500食を調理可能とした場合の2,250食から2,400食となる想定である。
【南大沢給食センターの調理室】
〇小学校の給食室がいつまで今のまま稼働できるのか、これらを修繕する費用など、さまざまなケースを想定し、また、効率性などもあわせて総合的に検討していただき、各給食センターの場所や規模を決めていただきたいと思います。
・本来、こういった検討は、基本計画策定前にしっかりと行って、給食センター事業を進めるべきだったのです。幸いにと言ってよいかどうかは微妙ですが、いまだ全ての給食センターの場所や規模が決まっていませんし、総費用も示されていませんので、今からでも給食センターとそれに付随する事業、八王子市の小中学校の給食の将来構想まで含めた給食センター整備事業の全容をきちんと整理し直していただきたいと思います。
Q給食センター整備事業は、給食センターをつくればよいというものではありません。これに付随して多くの費用がかかることは当然のことで、そういった環境整備まできちんと行って初めて給食センター整備事業として機能するのは当然のことです。
どこかの段階できちんとした形で全体計画や総予算額などを含めて、しっかりとした考え方を示していただくことを望みますが、御所見をお示しください。
A【学校教育部長】
まずは建設と先行2施設の運営開始に向けた準備を進め、少しでも早く全ての中学生に温かい給食を届けるために注力している。全ての建設地が決まった段階で、提供校を含めた全体計画や運営上の課題を盛り込んだ中学校給食整備運営基本方針を示せるよう取り組んでいく考えである。