八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.68「議会報告」

令和元年第2回(6月)定例議会

≪一般質問≫

1.八王子市の夜間保育について
2.プラスチックゴミについて

1.八王子市の夜間保育について

〇待機児童解消など保育施設の充実が社会的な課題として注目され、改善に向けた取り組みが積極的に実施されるようになって十数年が経過します。保育園がとにかく足りないと待機児童解消に向けて奔走していた時期と課題は少しずつ変化しており、八王子市では地域によってニーズに対して不足している地域が見られること、保育園の新増設がその地域住民の賛同を得られず頓挫するほか、保育園運営に関する一部住民からの苦情などを含めて、地域との良好な関係の構築が求められていることなどが最近の課題であると私は捉えています。

〇さて、現代の子育て世代の背景は、ひとり親家庭の増加や核家族化、職業の多様化や共働き世帯の増加、また、男女雇用機会均等法による女性の社会進出の幅が広がったことなどにより、夜間においても、子育て中の母親が就労するケースが明らかに増加しており、これらにより子どもを夜間に預けるニーズも増加しているのではないかと推測します。児童福祉法第39条には「保育所は保育を必要とする乳児、幼児を日々保護者のもとから通わせて保育を行うことを目的とする施設」とあり、これには昼夜間の区別は明記されていませんから、保育を必要とする乳児、幼児が存在するならば、夜間の保育環境整備に取り組む必要があることになり、現在行政が行っている待機児童解消のための昼間の保育園の量的拡充だけで、全ての保育ニーズに合致していると言えるのだろうかと思うのです。

〇私が今回の質問で夜間保育の課題を取り上げたのは、世の中から子どもたちが犠牲になったり不幸になる事件、事象をなくしたいと常々考えていることからです。人の目が届きにくい夜間帯に、寂しかったり悲しかったりしている子どもがいない社会を目指すことは、虐待やいじめ、無残な交通事故をなくす、撲滅することと同様に、力点を置いて取り組む必要があると強く思っています。

Q八王子市で夜間保育を実施している施設は、認証保育所でキッズスペースドリーム、認可外保育所でりとる・えんじぇるという2施設があります。昼間の時間帯は、地域型保育を含む認可135施設、認証5施設がありますので、この施設数の差を比較し、また夜間の女性の就業人数を想定したときに、果たして夜間の保育施設は足りているのだろうかと疑問に思います。現代社会における夜間保育のニーズについてどのように捉えておられるかお答えください。
A【子ども家庭部長】
平成30年度に行った子育てに関するアンケート調査では、就学前児童世帯の保護者4,800人を無作為に抽出し意識調査を行い、回答のあった2,083人のうち、ほぼ毎日から、月1日から2日利用までを合わせた定期的な利用希望が12.4%の259人となっている。

Q今まで保育園の課題を議論しているとき、その対象は昼間の保育が対象でした。
現在の夜間施設は2施設ですが、ここで保育可能な人数についてお示しください。
A【子ども家庭部長】
認証保育所のキッズスペースドリームでは15人、認可外施設のりとる・えんじぇるでは13人、合わせて28人の保育が可能となっている。

Q八王子市の夜間保育施設・体制に関しての市の認識をお示しください。
A【子ども家庭部長】
夜勤がある医療介護職や、深夜まで営業している飲食業など、夜間保育のニーズは一定数存在しており、現在夜間保育を行っている2施設については、多様な働き方を支える重要な施設として認識をしている。

〇2014年3月に、埼玉県富士見市で、母子家庭の母親が仕事に行くために、インターネットのマッチングサイトを通して2人の子どもをベビーシッターに泊まり保育として預けた結果、そのうちの1人が遺体で見つかったベビーシッター事件がありました。大事な子どもを預ける先を安易に選択してなどと母親を責めるような発言も見られましたけれども、それほどまでに子どもを預ける場所を探すことに窮していた背景が呼んだ悲劇だったとも思います。

〇夜間の保育や子どもの実態に注意が必要な理由は、大きく分けて2種類あると思っています。1つには、無届けなどを含めた認可外保育所での過去の事故実態が示しています。2015年版の保育白書によると、2015年に認可外保育施設で起きた事故12件のうち、5件が24時間型もしくは夜間保育の施設形態であり、事故の特徴的な点は、認可外保育施設において死亡した12名中12名、全員が0・1歳の低年齢児、そのうち9件が睡眠中の事故ということであり、夜間における保育環境においては、事故の可能性が高いと報告されています。八王子市で把握している2施設以外のいわゆる無届け保育施設で夜間保育が行われているとしたら、その事故確率は保育白書の報告の数値に当てはまり潜在する事故確率は高まります。
もう一つは、預ける場所に苦慮して、数時間、また一晩だからと子どもを放置することによる危険性です。これは預ける場所がないことに加えて、金銭的なことなど他の理由も考えられますが、事故にならないとしても、子どもの発育にマイナスとなる行為です。2010年には放置することが恒常的になった結果、2人の姉妹が餓死した大阪2児餓死事件という大変痛ましい事件がありましたが、少なくとも夜間保育の必要性がある家庭なのかどうかを出来る限り把握することで最悪の結果を防ぐ可能性は上がります。

Q八王子市の夜間保育所が2ヵ所であり、私は女性の夜間の就業者数と比較すると足りていないと感じますが、2ヵ所の保育所以外に夜間保育の手段はどのようなものがあり、どのぐらいの数の保育ニーズに応えられると把握されているのかについてお答えください。
A【子ども家庭部長】
現在の2施設以外では、医療施設で働く職員の子どもを預かる院内保育やベビーシッターなどがある。認可外施設から運営状況報告書により、毎年10月1日の時点での夜間帯の利用数を把握しているが、それによると2施設以外で夜間保育を利用した方は市内全域で16人となっている。

Q夜間保育を検討するためには夜間における保育の現状をしっかりと捉える必要があります。八王子市ではどのような理由で夜間保育を必要とする方が多いと把握されているのか。先ほどの回答にありました平成30年度に行った子育てに関するアンケート調査結果などで捉えているものがありましたらお示しください。
A【子ども家庭部長】
日常的に残業があるからが52.1%で最も高く、次いで、職場が遠く通勤時間が長いからが43.6%、シフトや夜勤で終業時刻が夜間に及ぶからが36.3%という順になっている。

Q子育てに関するアンケートは、無作為に抽出した未就学児世帯数が4,800世帯で、そのうち回答があったのが2,083世帯とのことです。市内の未就学児世帯数は1万4,000世帯以上あると推測しますが、親の仕事や生活形態、家庭環境などは千差万別であるため、統計学的なサンプリングで対応すべきではなく、1件1件の声をなるべく多く拾い集めていただきたいと思います。例えば保健福祉センターで実施する1歳半や3歳児健診は、対象年齢の子どもは全て受診しますので、このときを利用して、なるべく多くの未就学児世帯から情報収集して、子育て支援策に反映させるなど丁寧な手法を望みますが、御所見をお聞かせください。
A【子ども家庭部長】
提案を参考に、全世帯を対象に実施する乳幼児健診などの機会を利用し、夜間保育のニーズについてのアンケート調査等を行うことや、夜間保育の必要とされる方に利用可能な施設の案内を行っていくなど、ひとりひとりのニーズに対応した手法をとれるよう関係所管と調整して行きたいと考える。

〇夜間の保育施設整備に関して積極的な取り組みをしている行政は少ないのが現実のようです。これは、ある専門家の方の見解をおかりすれば、夜間における家庭外での保育は、児童の健全育成の立場からもできるだけ避けたいという考えによるものだと思われるということで、果たして八王子市がこの考え方に合致しているのかどうかわかりませんが、少なくとも過去は、夜間に子どもを預けてまで仕事をする必要はないという考え方はあったものだと推測します。しかし、今後ますます悪化、進行する労働力不足や、女性の社会進出を積極的に推進する社会背景を鑑みると、夜間保育ニーズは着実に増加するものと思われます。
児童の健全育成の視点に触れますが、認可保育所の長時間保育を利用している園児と利用していない園児を5年間追跡して、何が子どもの発達に影響するのかを調査した資料があります。これによりますと、子どもの発達には、家庭での適切な子どもへのかかわりや、相談者の有無という子育てサポートの存在が強く関連し、保育時間に集約される保育時間の長さや時間帯などは関連しなかったという結果が出ています。つまり、夜間保育を必要とする家庭に対しては、質が確保された保育の提供が必要であり、家庭における子どもへのかかわりを支援することや保護者へのサポートをすることが求められ、それによって子どもの発達を保障することができるということになるわけです。保育は、親と離れている時間、親にかわって子どもの発育を支援することが目的であり、保育によって子どもの発達が保障されるのであれば、夜間保育施策の充実にも積極的に取り組む必要があり、そのためには、まず現状や市民要望について詳細まで把握する必要があると考えます。

2.プラスチックごみについて

〇プラスチックごみに関しては世界規模の社会的課題だと報道されます。世界的な範囲でのプラスチックストローや、レジ袋の抑制や禁止という報道が頻繁にされ、新たな課題だと認識している方は多いと思いますが、この問題を改めて詳しく調べてみますと、プラスチックごみの問題は決して新たな課題ではなく、プラスチックを便利に使ってきた150年の間、人間がある意味目をつぶって知らん顔し続けてきたものが、ついに知らんぷりできなくなるほどひどい状況となり、さて、どうしようということだと理解しました。私自身も世界中でここまでひどいことになっているという認識がなかったので、知らん顔していた1人だということになりますが、プラスチックごみの現状とその原因、それらに対して私たちは何ができるのかということを考えます。

〇この写真はプラスチックごみ問題を特集したある雑誌に掲載されていたものです。この写真はバングラデシュのブリガンガ川の橋の下で、ペットボトルのごみを収集して、使えるものを分別し回収業者に売り僅かな収入を得て生活をしている、恐らく貧しい層の家族の様子を捉えたものです。この写真を見た時にプラスチックごみの問題は私たちの想像を遥かに超えてひどいことになっているのだと思いました。ブリガンガ川は、現在世界で一番汚染されていると言われている川です。プラスチックなどのごみで汚れた同様の河川は、中国、インドネシア、フィリピン、タイなど、インターネットで検索すれば幾らでも出てきますが、やはりその汚れぐあいは私の想像の域をはるかに超えていました。

Qその一端と言えるこの写真を見てどのような感想を持たれるか感想をお聞きします。
A【資源循環部長】
大量の廃プラスチックの山に埋もれながら家族が作業をする光景を見ると、世界的な課題であるこの廃プラスチックの問題の深刻さを改めて認識したところである。

〇世界の話をする前に、まずは八王子市の近年のごみ処理政策について確認したいと思います。八王子市は、平成16年10月に、ごみの有料化、ごみの戸別回収、資源物回収の拡充の3つの取り組みを実施し、また平成22年10月からは、容器包装プラスチックの資源化を拡大するとともに、資源物も戸別収集に変更しました。平成22年10月には、戸吹清掃工場敷地内にプラスチック資源化センターを新設、稼働させ、平成27年4月からは、不燃ごみの中から手作業により小型家電やガラス、陶磁器などを選別する手選別ラインを導入し、より多くの不燃ごみを資源化する取り組みを開始し、平成30年度には埋め立て処分量ゼロを達成しました。平成31年3月には、新たな八王子市ごみ処理基本計画を策定し、さらなるごみの減量、資源化を推進しています。

Q戸別収集を導入するに当たっては、八王子市の特徴である広大な面積と世帯数を考えたとき、事業の持続性などに対してさまざまに不安の声が上がったと聞きますが、私は業務改善をしながら確実に定着をさせてきた努力を評価しています。平成16年からの大まかな流れについて申し上げましたが、ここまでのごみ処理の取り組みに関しての市の見解についてお聞きします。
A【資源循環部長】
ごみの有料化制度導入に際して、町会・自治会に対する数多くの説明会を実施してきた。その結果として、広く市民の皆様のごみ減量・資源化意識の定着が図られたものと考えている。また、事業者に対しては、事業者向け3R講習会や訪問指導、内容物検査等を実施することで、事業系ごみの減量・資源化の促進を図った。いずれにしても、あらゆる機会を捉えての啓発活動を継続的に実施してきた成果であると同時に、それに呼応してごみ減量・資源化の取り組みに御協力をいただいた市民、事業者の皆様の環境意識の高さが背景にあるものと考えている。

Q現在、八王子市は3Rの取り組みとして、3R生活を始めてみませんかという運動を展開しています。1つ目のRはリデュース、ごみになるものを減らすこと、2つ目のRはリユース、物を繰り返し使うこと、3つ目のRはリサイクル、ごみを資源として再利用すること、この3Rを市民に推奨することで、さらなるごみの減量を図ろうという取り組みだと理解します。この取り組みについて具体的な手法についてお示しください。
A【資源循環部長】
リデュースの取り組みは、食品ロス削減に向けた啓発活動を通じて、ごみの発生抑制に取り組んでいる。リユースの取り組みとしては、リユースショップを紹介する冊子の作成配布や、あったかホールにおける定期的なフリーマーケットの開催を通じ、再使用する意識の向上を図っている。リサイクルの取り組みは、市民生活から排出されるペットボトルや容器包装プラスチックをプラスチック資源化センターにおいて中間処理し、リサイクル業者によって資源化を図っている。その他にも7種類に及ぶ資源物の分別収集を実施し、資源の有効利用を図っている。

【プラスチックについて】

・プラスチックとは石油から生まれた合成樹脂(合成樹脂とは、人間の手で製造された高分子化合物から成る物質のこと)のことを言います。プラスチックは、大きく分けて、熱を加えると溶けて柔らかくなり、型に入れて冷ますと固まって製品になり、再び熱を加えると溶けて柔らかくなるという性質を持つ熱可塑性プラスチックと、熱を加えると溶けて、型に入れさらに加熱すると今度はかたくなり、一旦硬化した後では基本的には熱を加えても柔らかくならない熱硬化性プラスチックがあります。前者はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどで、後者はアクリル樹脂、ポリウレタン、シリコンなどです。

・プラスチックは19世紀後半に発明され、生産が本格化したのは1950年ごろです。発明当初は、植物に含まれる高分子化合物セルロースからセルロイドを合成するなど、さまざまな天然の素材を使っていましたが、石油の精製過程で生じるエチレンなどのガスの分子を結合させればさまざまな高分子化合物を手軽に生み出せることがわかり、それからプラスチックの用途が一気に広がりました。あらゆるものがプラスチックでつくられるようになり、生活の中に安価なプラスチック製品があふれました。

【プラスチックごみの現状】

・現在、世界で生産されるプラスチックは年間約4億トンで、生産量はいまだに猛烈な勢いで増加しています。これまでの累計生産量は83億トンと言われており、そのうち破棄されたものは63億トンに上りますが、破棄された中でリサイクルされていないプラスチックは57億トンもあるということで、破棄されたものの9割は、どこかに捨てられたか焼却されたということになります。破棄されたプラスチックがどの程度焼却され、どの程度が土中に埋められ、また海に流出したのかは誰にもわからないということですが、2017年にアメリカ、ジョージア大学の工学者、ジェナ・ジャンベックという方が、現代の沿岸部から海に流出するおおよその値として、毎年年間480万から1,270万トンに上ると推測した数値に世界中が震撼しました。

・マスコミで話題にしている飲料のプラスチックストローが海に流れ出すことは問題の1つですが、流れ出すプラスチックの量はそんなに小さなレベルではないということです。さらに海に流出したプラスチックの推測の値に対して、世界の海で見つかっている廃プラスチックの量はその1%程度だと言われており、残りの膨大な量のプラスチックがどこに行ってしまったのか、その影すらつかめていません。海に流れ出したプラスチックが分子レベルまで分解される時間は450年という説もあれば、永久に分解されないという見方もあり、一言でプラスチックと言ってもその種類は多岐にわたり、自然界で分解される仕組みについても明確に解明されていないのが現状です。

・分子レベルまで分解されていませんが、波や太陽光、海の生物などにより、微細な粒子となって海中を漂っている物質、これをマイクロプラスチックと言います。海洋にはこれらが大規模に堆積している場所があり、また深海の堆積物から北極の海水にまで、あらゆる海域でこれが採取されており、ハワイ島の浜辺の砂は、多い地点でこの粒子が15%を占めているところがあるという報告もあります。実は、ハワイ周辺の海域は、海流の関係で太平洋のごみベルトと言われ、海に流れ出したごみが堆積する地点だと判明しています。

・現在、プラスチックごみに関してひどい状態なのはアジアの国々です。2010年の試算で、世界の廃プラスチックの半分は中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、スリランカのアジアの5ヵ国で発生しているということです。これらの国ではごみの収集システムが整備されておらず、そもそも存在すらしていない国もあります。リサイクルどころか、要らなくなったものは投げ捨てるしかないという国で、さまざまな社会の仕組みが確立しないまま新しいものだけが入ってきて、人口は増加の一途をたどっている。この状況は今も全く改善されないままひどさを増しています。

【ゴミの上を歩いて渡れるほどになっていまっている川】

Q現在の日本から大量にプラスチックのごみが海洋に流れ出しているとは言いませんが、それでも市内の至るところに投げ捨てられたプラスチックごみは散見されます。八王子市のプラスチックに対する認識について少しお聞きしたいと思いますが、戸別収集への移行以前と移行後、平成22年10月のプラスチック資源化センター稼働などの取り組み状況を交えて、プラスチックごみに対する取り組みと認識についてお示しください。
A【資源循環部長】
八王子市で全ての容器包装プラスチックとペットボトルの収集を開始したのは平成22年10月だが、平成23年度の実績と、開始前の平成21年度を比較すると、総収集量が約2.6倍に増加しており、大きな成果を上げている。これは平成22年10月のプラスチック資源化センターの稼働に伴い、全ての容器包装プラスチックとペットボトルを収集品目に加えたことによりプラスチックの大幅な資源化が実現したものであり、市民の皆様のさらなる分別意識の向上が図られたものと考えている。

〇国連環境計画によりますと、プラスチックごみの排出量は現在でも年々増加傾向にあり、2015年の数値では年間3億トンで、このうち47%をペットボトルやレジ袋、包装などの使い捨てプラスチック容器ごみが占めているということです。このことを真剣に考え始めてから数週間、自分自身の生活の中で、商品の開封や、家の中にあるさまざまなものや、生活の各場面でのプラスチックを意識してみますと、容器包装に使われているプラスチックの多さと、それを取っておいても自身の生活の中で何の使い道もなく、捨てる以外の選択肢がないことに改めて愕然とする思いでした。

・コンビニでおにぎりを買うとプラスチックで包んであり、それをまた丁寧に小さなビニール袋に入れてくれます。そればかりか、コンビニの商品を改めてよく見ると、食料品はほぼプラスチックの容器や袋に入っています。宅急便で荷物が届くと、その荷物の梱包や、すき間を埋めるビニールの小さな風船のようなものが入っています。野球場や競馬場で生ビールを買うと、1杯ずつプラスチック製のコップに入れてくれます。おかわりで持っていっても、また新しいコップに入れてくれます。お弁当のしょうゆやからし、インスタントラーメンの粉スープや薬味、細かなものを包装してあるものはほぼ全てがプラスチックであり、それらは使い捨てです。使われるプラスチックのうち、4割から5割はこういった使い捨てだということに改めて納得する次第です。

・プラスチック容器ごみの総排出量は中国が世界1位ですが、人口1人当たりの廃棄量では、世界最多のアメリカに次いで日本は2番目に多く、次いでEUとなっています。国連環境計画は、禁止や課金などの対策を各国に要請し、これを受ける形で、環境省は使い捨てプラスチックの削減戦略案を打ち出し、2030年までにこれらを25%削減する目標を定めました。

Q使い捨てプラスチック容器ごみに関連してお聞きします。環境省の削減目標を受けて、八王子市では具体的にどのような取り組みを実施されることになりますか、お考えをお示しください。
A【資源循環部長】
使い捨てプラスチックの象徴であるレジ袋の削減の取り組みとして、国においてレジ袋有料化の方向に大きく進もうとしている。本市としても、これまで取り組んできたマイバッグの持参を呼びかけるなどの啓発活動を引き続き実施していく。

〇2017年末から今まで世界中から廃プラスチックを輸入していた中国が、主に生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止しました。中国はそれまで石油から精製してプラスチックを生産するよりも、廃プラスチックを原料として受け入れてペレット状に精製したほうが安価で簡単であることから、廃プラスチックの輸入を積極的に行っていましたが、ごみとなる部分も多く、このごみが国内で社会問題化していることから、輸入の禁止にかじを切りました。
日本は、世界第3位の廃プラスチック輸出国で、2017年は143万トンの廃プラスチックを輸出しており、その約半分は中国でした。中国の輸入禁止に伴い、それ以降、東南アジアや台湾向けの輸出が増加しており、昨年の数値では、タイ14万トン、マレーシア11万トン、ベトナム9万トン、台湾8万トンなどとなっており、いずれも前年比2倍以上となっています。しかし、いずれの国や地域も、2018年7月以降、廃プラスチックの輸入基準を厳格化しており、日本が今後も同基準での輸出を継続していくことは困難と見られ、また中国や、これらの国にかわる廃プラスチックの輸出先があらわれる可能性は極めて低く、日本の廃プラスチックの行き場はなくなりつつあります。

Q八王子市が資源ごみとして回収している廃プラスチックごみの行方についてお聞きします。各家庭から資源ごみとして回収したプラスチックごみはどのような経過を経て、どのようにリサイクルされているのかについて、全容をお話しください。
A【資源循環部長】
家庭から回収・収集された容器包装プラスチック及びペットボトルはプラスチック資源化センターに持ち込まれ、そこで不適物を取り除き、容器包装リサイクル協会を通じてリサイクル業者に売却され資源化されている。資源化内容についてはリサイクル業者により異なるが、現在、本市で契約している事業者では、日本の容器包装プラスチックから再生プラスチックペレットを製造し、それをもとにして、園芸用品やごみ袋などさまざまな製品に再生されている。また、ペットボトルについては、再生ペット原料を製造し、飲料用ペットボトルや卵のパック、衣類や文具等の製品に再生をされている。

Q中核市となり、産業廃棄物に関してさまざまな権限が東京都から移譲されました。産業廃棄物として破棄、処理されるプラスチックごみについて、市としてかかわっている業務はどのようなものがあるのかについてお示しください。
A【資源循環部長】
廃プラスチックを含む全ての産業廃棄物に関する処理施設の設置や処理業の許可業務、許可業者に対する規制指導、排出事業者に対しての分別の徹底やリサイクルの推進について、指導、啓発を行っているところである。

Q市が資源回収しているプラスチックごみについては、最終処分まで市の責任ということではなく、プラスチック資源化センターで分別し、ペールという塊にしたものを事業者に売却する、市の関与はそこまでということです。ペールにして売却し、あとは買った企業任せという形でよいのか。これらがプラスチック廃棄物に絶対なっていないという確証をどこで得ているのか、少し疑念があります。収集したプラスチックがどのような経路で最終的に何になったのかなど、責任感のある対応について御検討いただけないかと思いますが、御所見をお聞かせください。
A【資源循環部長】
本市から出る容器包装プラスチック及びペットボトルは、日本容器包装リサイクル協会から厳格な要件を満たしたリサイクル業者に売却され、資源化されている。リサイクル業者に対しては、適宜工場に赴き、適正な業務管理が行われていることを確認している。

Qごみをごみとしか感じられない時代から、ごみを資源として大切にする目的で資源物回収に力点を置いて取り組んでいくのであれば、質の高い資源物として回収すべきで、ごみが減ったと喜ぶだけではなく、資源物の質を上げる努力をするべきだと思います。資源物として回収したものがどのような評価を受けているのか、どのような協力をしてもらえれば、もっと質の高い資源物として扱えるのかなど、こういったことを積極的に市民に呼びかけて、ごみの排出量の少ない都市の取り組みから、さらに上を目指していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。
A【資源循環部長】
 本市が輩出した容器包装プラスチック及びペットボトルは、日本容器包装リサイクル協会が行う品質検査において、過去においても全て最高ランクのAランクの評価を得ている。この結果は、市民の皆様のごみ減量・資源化意識の高さによるものであり、今後もあらゆる機会を捉えて啓発活動を展開し、この環境意識の高さが持続されるよう取り組んでいきたい。

〇八王子市は資源物を回収してリサイクルしようという活動を行っていますが、実際にリサイクルしているのはほかの事業者で、市は集めたものをそこに売却しているだけです。そこに物足りなさを感じます。八王子市としてプラスチック処理に責任を持つためには、市内に処理施設を持つべきではないかと思うのです。海外への廃プラスチックの輸出は、近い将来ほぼ不可能になるでしょう。そもそも自分たちで排出したものを自分たちの責任で処理しないなどということは、今後容易に許されないことになると思います。施設の形は自前でなくても、企業とのタイアップでも、民間企業誘致でも構わないと思います。
日本は廃プラスチックを輸出処理に頼ってきたため再処理技術がおくれていると言われていますが、日本の技術力をもってすれば、質の高いプラスチックペレットを製造して資源循環することで、恐らくすぐに世界一になれると考えます。日本の廃プラスチックの現状と世界の社会情勢を見たとき、積極的に取り組まざるを得ない環境省の立場を考えると、大きく国の補助金を使ってできる事業になる可能性も秘めていると推測します。手法は問いませんので、市内にプラスチックの循環システムを構築することを早急に研究テーマにしていただき、議論を始めていただきたいと思います。

Qここまでさまざまにお話しさせていただいた世界的なプラスチックごみの問題の認識を含めて、御所見をお聞かせください。
A【資源循環部長】
プラスチックごみが世界的に問題になっていることについては議員の説明のとおりであり、本市としても重く受けとめている。廃プラスチック処理については、最新の廃棄物処理技術の動向や国内処理体制の整備等を注視しながら、御提案の趣旨を踏まえ、リサイクル方法等について調査研究をして行きたいと考える。

〇いろいろと便利になった世の中を逆回転させることなど簡単にはできないことを人は皆わかっているのです。プラスチックも同じです。150年前はなかったのですから、木とか金属とか、土や紙など、プラスチック以外のもので代用すればプラスチックなどなくせるはずですが、道理はわかっていても、しょせん戻せない針です。ならば、責任を持って後世に迷惑をかけない使い方と処理を積極的に確立するべきだと考えます。

相沢こうた
八王子市議会議員