1.少子高齢化・人口減少社会の考え方について
2. 高尾山口駅周辺整備について
3.八王子駅周辺整備について
4.学童保育所について
5.高尾駅橋上駅舎化と周辺整備について
6.PCB、カドミウムについて
〇日本は既に少子高齢化・人口減少社会に突入しています。八王子市において、ここ10年間の総人口の推移を見るとほぼ横ばいですが幾つかの特徴があります。
10年間出生数、生まれてくる子どもの数は減り続けており、10年で約1,000人減少しました。日本人の人口が減り、外国人人口が毎年1,000人近く増え、直近5年間で4,000人増えています。日本人に限れば少子化・人口減少は本市でも始まっている訳です。地方都市では、相当目立つ状況で高齢化、人口減少は進んでおり、東京などの首都圏はその波が遅れて来るだけで、潜在的な背景は変わらないということです。
Q人口統計の捉え方からさまざまな将来予想がされますが、2025年、団塊の世代が75歳を超えてくる。それから2040年、日本の人口が1億人を割る。2050年ごろ、生産年齢人口が全体の全人口の5割に対し、高齢者人口が4割となってしまうなど、日本の将来予想は明るいものは見られませんが八王子の現状をどのように捉えておられるかお聞きします。
A(都市戦略部長)
本市の人口は、平成27年国勢調査において初めて減少に転じるとともに、65歳以上のいわゆる老年人口比率が25%となります。4人に1人が高齢者という状況になっています。
また、平成22年度に自然減に転じて以降、直近の住民基本台帳人口の動向からも、年々その減少幅が拡大しており、本市のまち・ひと・しごと創生総合戦略に示した人口ビジョンのとおり、長期的には人口減少と高齢化率の上昇は避けられないものになっていると考えています。
Q今まで世界中でどの国も経験したことのない急激な人口減少社会の対策を突き詰めて考えると、子どもの数を増やし健康に育ててあげるということに尽きる思っています。改めてこの10年間の八王子市の子どもの数を見てみますと、平成19年4,346人が生まれていました。この数が平成24年は4,022人、平成29年で3,377人、10年間で22%、2割強減少しています。
まち・ひと・しごと創生総合戦略に謳ってある他、出生率を上げようという取り組みを行っているはずですけれども、全く成果があらわれないどころか、減少傾向の歯止めにもなっていませんが、原因についてお考えをお示しください。
A(子ども家庭部長)
若者の非正規雇用の増加、それから長時間労働、未婚化、晩婚化、さらに子育てや教育にかかる費用の負担が重いことなど、さまざまな要因が複合したものと考えています。
Q市内小学校において学校によっては生徒数がここ数年で大変増えているとお聞きする学校がありますが、他市からの転入などで八王子市の子どもの数全体はどのような傾向があるのか、就学前と小学生年齢の子ども人口の推移でお示しをいただきたいと思います。
A(子ども家庭部長)
平成25年3月末から平成30年3月末までの子どもの人口の推移を見ますと、就学前の子どもが12%減っているのに対し、小学生年齢の子どもは3%の減にとどまっている状況です。
Qまち・ひと・しごと創生総合戦略の最大の肝、目的は、子どもを増やすことに集約されます。5年ごとに改定をすることになっており、来年度がその年になります。現在の新生児の数を見る限り戦略が効力を発揮していませんが、次の5年間の目標設定をするに当たって重視すべき視点と戦略をつくる意味についてのお考えをお示しください。
A(都市戦略部長)
現行の総合戦略の5年間の取り組み状況から、政策軸ごとに設定をした数値目標やKPI、こちらが達成できなかったものなどについて検証した上で、次期総合戦略の5年間の期間内には成果を上げ達成可能となるように庁内横断的に各施策との連携を更に図るなど、見直しを行っていきます。
その上で、人口の将来推計などの長期的な視点を踏まえて、超高齢・人口減少社会に向けて効果的かつ実効性のある改定となるように検討を進めて行きます。
〇新生児を増やすとか人口を操作するというようなことが果たして出来るのか非常に難しい課題だと思っています。
昨日の夕刊を見ていましたら、韓国が同様の状況になりそうだという記事がありましたので、それを少し紹介させていただきます。
韓国の昨年の出生率が0.98で、初めて1.0を下回ったと。女性が生涯に産む子どもの数が1人に満たないというのは、世界最低水準だということです。非正規職の増加や住宅費の高騰に伴う晩婚化、非婚化に加え、学歴競争による教育費負担、女性の働きにくさが原因という指摘でした。韓国の総人口5,100万人は、2020年代に減少に転じる見込みで、韓国の出生率の簡単なグラフが掲載されていましたが、これによると1970年には何と4.5の出生率があったんですが、1980年代は2.6から2.7、90年代に1.7と急激に下がっています。
話を日本に戻しますが、出生率が上がらない理由は共通する部分もあると思います。その中で金銭面とか心身面といった個人の理由には踏み込みづらいですが、子どもを産み育てる環境整備など社会的な部分しか行政として行えることはないと思っていますので、まち・ひと・しごと創生総合戦略改定に当たっては、ここに的を絞った施策を検討していただけますようお願いいたします。
Q多文化共生について幾つかお聞きします。ここ5年間で八王子市に在住する外国人が4,000人増加しています。どこの国のどのような人が増加しているのでしょうか。
A(市民部長)
中国からの方の増加が一番多く、続いて東南アジア、南アジア諸国からの方が増加しています。
在留資格では、留学を目的とされた方が5年間でほぼ倍増となっており、就労目的の方も大幅に増加しているという状況です。
Qこの傾向をどのように捉えているか、将来的な動向予想まで含めてお聞きします。
A(市民活動推進部長)
国においては、ことし4月の出入国管理及び難民認定法の改正により、今後5年間に約35万人の外国人材を受け入れることとしており、国内の外国人人口は今後増加していくものと考えています。現在、本市には約1万3,000人の外国人が在住しており、このうち約4,000人が大学や日本語学校などの留学生となっています。今後、法改正に加え大学等の留学生の増加などがあると、本市においても外国人人口は増加していくものと考えています。
Q外国人の市民が増加傾向にあることに対応する具体的な施策をお示しください。
A(市民活動推進部長)
本市では、平成25年に八王子市多文化共生推進プランを策定し、外国人に対する支援や多文化共生意識の啓発を行って来ました。平成30年3月には、外国人人口の増加、定住化や急増する外国人留学生の対応を図るため、八王子市多文化共生推進プランを改定し、これまで以上に在住外国人のサポートデスクでの相談対応や日本人に対する多文化共生意識の啓発などについて、対応の強化を図ってきました。
Q従来からの多文化共生の取り組みを見ると、対象としている多文化の方々というのは、留学生や企業に一時的に派遣をされる方とか旅行者を対象としているように映るのですが、八王子市に在住する外国人の質が変わってきているのではないかと感じています。
留学とか出張ではなく長く暮らす方が増加するとしたら、それに合わせて多文化共生の取り組みに変えていかなくてはならないと思います。もう少し具体的に申し上げれば、他国で育った教育や風習の違いから日本側の要望が理解していただけない、ですから、外国人の方に伝える時にこの中間のところに外国人の方を雇うとか、そういう方のお力を借りるような取り組みも必要かなと思うのですが、近年の八王子在住の外国人の質の変化についてと、変化に対応した取り組みを模索すべきではないかいうことについてお考えをお聞きします。
A(市民活動推進部長)
御指摘のとおり、長く日本で暮らす外国人が増加している中では、外国人が安心して生活する上で様々な生活支援の充実を図る必要があります。また、外国人に対する支援を充実させることはもとより、日本人に対しても多文化共生をテーマにした講演会、ワークショップ、国際交流の推進を図るイベントなどを実施し、双方市民の国際理解を深め、地域の日本人と外国人とがともに理解し合い共生を図れるような取り組みを進めたいと考えています。
〇公共施設に関してお聞きをします。
人口減少によって生産人口は減り、当然税収も減ってきます。現在56万人を対象に行っている市民サービスを40万人とか35万人を対象に行うようになる訳です。市の面積は変わりませんので、対象の地域は変わりません。
既に地方都市では、人口の中央集中を図れるのか、現在の山間部の集落をそのまま継続していくのか、そんな難しい判断を強いられるような課題に直面しているところが出てきています。今から将来を見据えておく必要があると思います。
現在維持している市の施設が、将来このままのボリュームで維持できなくなることは明らかです。どの施設を残し、どこはいつ廃止するのかという英断を下す必要があり、それは現在の地区ごとの人口や年齢分布、地域の発展の可能性などを分析し、将来予想を立てて、今からそれを見越した施設整備を行わなくてはならないのです。
Q市が現在維持管理している建物を将来的にどのようにしていくのかという検討は、どのように行われているのかお聞きします。
A(財務部長)
各施設の存続廃止などの一定の方向性については、公共施設等総合管理計画に定めます施設類型別取組方針を基本としています。一方で、本庁舎や市民センターなどは、そこで計画的な維持管理を実施することにより施設の安全を図ると定めており、これらの施設は、施設の安全を図るために中長期保全計画に基づいて対応しています。
また、平成30年度には、建物の老朽化状況を統一的に点検評価する調査表を作成し、個々の施設の劣化状況を点数化して把握する劣化状況調査を全ての施設で実施しました。この結果を参考にして、保全計画の見直しを行い、引き続き安全に配慮した適切な施設の管理を行ってまいります。
Q施設の将来像に関して市民にどのように示すのかお聞きします。
A(財務部長)
公共施設のあり方については、公共施設マネジメント基本方針を策定しまして、6つの柱で、その方針のもと、先ほど申し上げた公共施設等総合管理計画で施設の用途類型別に方針を定めています。この管理計画に基づいて、事業を担当する各部署で市民サービスや管理する施設のあり方について検討を進めてまいります。
老朽化した施設が6割を超える中で、全ての施設を更新することは、これは不可能ですから、公共施設の複合化や適正配置を検討する必要があり、その取り組みは地域の方々の理解がなければ進めることはできません。取り組みを進めるに当たり、公共施設再編が地域の課題を解決する一つの契機として、地域の皆さんと協働して進めていくことになります。
〇もう既に老朽化している施設が6割あるということですので、どちらにしろ、そんなに先延ばしにはできない課題です。
日本人の高齢化は着実に進行しており、人口減少は一気に来ます。間近に迫っている大きな変革期に柔軟に対応できるよう、準備をしっかりと進めていただけますようお願いしておきます。
〇2007年4月にミシュランの日本版観光ガイドで、高尾山が三つ星の必ず見るべき観光地との高評価を受け、この後2009年3月に改定されたミシュラン観光ガイドでも、高尾山の評価は変わらず三つ星となっています。これらを境に、高尾山を訪れる観光客、登山客が激増し、現在でも多くの登山者があります。
以降、高尾山に関して、トイレの整備や高尾599ミュージアムの建設、民間事業として高尾山口駅の整備や温浴施設が整備されましたが、高尾山の観光客をまちづくりに生かす取り組みなどについては課題のままです。
Q2019年度の予算案では、高尾山の水辺づくりの推進の事業として、高尾山口駅周辺整備という項目が新規に挙げられています。2019年度は、測量と基本設計の委託料となっていますが、この事業の目的、事業概要、工程などについてお示しください。
A(水循環部長)
高尾山の玄関口である高尾山口駅前を流れる案内川を東京都が整備するのに合わせて、川沿いに広がる市有地を公園として整備する内容の事業です。現在、親水性、景観性、回遊性を持たせた観光客や地域住民双方にとって憩いの場となる空間を目指し、地域の皆様、公募市民、学識等で構成されるワークショップ等で意見交換を行っているところです。
〇事業の対象となる案内川の上流は、国道20号線と並行して流れています。大垂水峠より少し手前、そこが水源になっています。尚、高尾山口駅より下流側は裏高尾から流れてくる南浅川と合流し浅川まで到達します。
高尾山口より上流側、うかい鳥山から1キロ程度上流に住む方から、このあたりの案内川が汚れているので見にきてほしいというお話をいただき、現地を確認いたしました。
具体的には、汚れは2種類ありました。1つはビニール袋くずや缶、ペットボトル、コンビニおにぎりやパンのビニール袋包装などの投げ捨てが後を絶たないということ。もう1つは、案内川に大量の泡が発生することがあると、この2種類でした。
Qまずゴミの方からお話しします。ご相談者を含めた有志の方々が定期的にゴミを拾ってくださっています。案内川は、平行する国道20号線より5メートルほど低くなっており、国道のガードレールも低く、川方向に自動車の窓からごみを投げやすい形状になっていると感じます。私は実際に多くのコンビニ袋に入ったごみなどを確認しましたけれども、水循環部にも報告し現地を確認していただきましたので、まず、案内川のごみの状況についてどのように把握されたのか、お聞きいたします。
A(水循環部長)
私どもも高尾山インターチェンジから西に1.4キロメートルほどの国道20号線にかかる西柏木橋から大垂水方面に1キロメートル強の区間につきまして、平成31年1月に調査を行いました。
西柏木橋から300メートルほど上流につきましては、沿道に建物はなく、国道が案内川と並走しており、そのような場所ではレジ袋に入ったごみや雑誌などが案内川に投棄されている状況を多く確認しました。
Q車の窓からごみを投げ捨てることはだめだと注意しなくてはならないことそのものが情けないことだと思うのですが、国道沿いですから、八王子ナンバー以外の車が不特定で通過しますので、ここを通行する八王子市の自然を汚す心ない人たちにどのような対策をとるべきかという視点で、対策をお聞かせください。
A(水循環部長)
私どもの調査以降、国道20号の管理者である相武国道事務所や案内川の管理者である南多摩西部建設事務所と協議し、また、資源循環部の啓発表示と連携して、国道利用者による不法投棄防止を啓発する表示を新たに設けるべく、ただいま準備をしています。
Q現地を歩いて気になったのですが、不法投棄禁止の立て札が非常に多く目に付きましたが、過去のこの地域の不法投棄に関しての状況と対策についてお答えください。
A(資源循環部長)
当該地域の不法投棄問題が顕在化したのは、平成17年ないし平成18年頃ですが、当時から地元町会などと協力・連携し、不法投棄禁止の看板の設置や監視パトロール及び臨時美化活動など、不法投棄抑止の対策に取り組んでまいりました。
Q不法投棄の注意喚起の札が随分と傷んでおり、こういった立て札が老朽化していると、監視の目が遠のいている印象を与えてしまい、再び不法投棄などしやすくなってしまうのではないかと心配しますがいかがでしょうか。
A(資源循環部長)
当該地域において、十数ヵ所に不法投棄禁止の看板を設置していますが、現地調査の上、経年劣化しているものや汚れているものなどの点検並びに更新を順次行っております。
今後とも地域と連携し、不法投棄抑止に向けたハード・ソフト両面からの取り組みを推進します。
Q次に案内川に泡が発生するという件についてですが、国道20号の路上には、うかい鳥山の少し先ぐらいまでしか下水のマンホールがありませんが、この地域の下水の設備状況について、お聞かせください
A(水循環部長)
案内川本流沿いの地域については、国道20号線高尾山口入り口の信号から西におよそ2.3キロメートル先、圏央道の高尾山インター入り口より上流の西山下橋付近までは、公共下水道を平成22年度までに整備しています。その上流については、市設置型戸別浄化槽の整備区域となっています。
Q案内川に泡が発生するという地点よりも上流側に行きますと、数軒の民家に加えて、割合大きな飲食店、それから車の整備工場、また、数軒のモーテルなどがあります。
こういった場所に設置する浄化槽について幾つかお聞きしますが、浄化槽の大きさは、一般家庭用のものから施設などに設置するものまで、どのような種類があるのか。また、建設時に排出する水量に適合したものになっているのかなどを審査することが行われるかについてお答えください。
A(水循環部長)
浄化槽の大きさは、一般家庭では5人・7人・10人槽が一般的で、事業用では50人槽以下が小型合併浄化槽、それ以上の人槽については大型合併浄化槽と分類されており、事業用についてはさまざまな人槽の合併浄化槽があります。排出水量に適合しているかの審査は、建築物を伴う場合は建築確認検査機関に、既存施設からの転換の場合には水再生課へ届け出ることとなっており、それぞれ建築物の用途別によるし尿浄化槽の処理対象人数算定基準に基づき審査をしています。
Q川に発生する泡について、地域の方が確認した内容を詳しくお聞きしますと、時間帯は朝であること、直近で発生したのが1月の成人式があった3連休だったということで、上流の施設を考えると、私の推測ですが、泡の正体はモーテルからの石けん類が原因なのかなと思うのですが、現在ある施設の浄化槽が排出量に適合しているかなどを調査することは可能かどうか教えてください。
A(水循環部長)
浄化槽については、平成13年に今の改正浄化槽法が施行されています。それ以前に設置された単独や合併処理の浄化槽については、現在でも使用は認められています
設置されている浄化槽が実際の排出量に適合しているか否かについての調査は、事業者の協力がなければ難しいものがあります。事業者に対して説明を行い、調査に協力いただけた事業者には、水質や排出量を調査した上、施設の入れかえを視野に入れた啓発指導を行っていますので、それに準じた対応になります。
Q調べさせていただいたと仮定して、適合していない設備の改善を求めること、また、浄化槽が設置してあっても、それを経由しないで排出をしてしまっているような設備を確認した場合の対処方法を教えてください。
A(水循環部長)
そのような事案が確認された場合には、まず当該浄化槽の適正維持管理について指導いたします。あわせて、浄化槽区域内の一般家庭や小型浄化槽を設置している事業者に対しては、市設置型戸別浄化槽への転換、また、大型浄化槽設置事業者に対しましては、維持管理の徹底を指導しています。
なお、先ほども申し上げましたが、戸別浄化槽のうち、単独浄化槽で法施行以前につけられた浄化槽については、浄化槽を設置しないで、生活雑排水については排出できることとなっています。ただし、そういう場合については、なるべく汚れた水を流さないような措置をしていただくという指導をしています。
〇ぜひ泡の正体を突きとめるまで積極的にやっていただきたいとお願いいたします。
Q高尾山の脇に護岸を整備しても、そこに流れている案内川の上流がこういう実態にあるということでは、決して美しくないと思うので、真に美しいものにしていただきたいと思います。
理事者にお聞きしますが、今後も高尾山を東京都の大切な自然環境と観光が融合した地として発展させていただきたいと思いますけれども、自然については真に誇れるものにするという視点で今回お話した案内川上流の対策をきちんと行っていただきたいと思います。
ごみの投げ捨てなど、モラルの改善を含めて、感想と今後の取り組みについてのお考えをお聞かせください。
A(駒沢副市長)
高尾山周辺の自然環境の1つでもある案内川につきましては、水辺空間を活用したネットワークを形成する上でも重要な河川であります。そのため、自然環境や観光地としての保全の観点からも、しっかりとした対策を講じる必要があるものと考えております。
今後とも、関係機関の連携のもと、地元の皆様などとの協働により、高尾山周辺の環境や地域の価値を維持・向上される取り組みをしっかりとやっていきます。
〇昨年3月に国の認定を受けた八王子市中心市街地活性化基本計画に基づいて、中心市街地についてさまざまな施策が計画されています。
〇八王子駅周辺の円滑な交通環境を整えるために、前年度に実施した路上駐車や交通渋滞等の実態把握及び来訪者の予測等の調査をもとに対応方針の取りまとめを行う予定のようですが、私が感じる中心市街地の交通の課題はこれではなく、渋滞が発生する原因は路上駐車ではありません。
中心市街地を取り巻く外周道路が課題であり、市街地東側の子安5差路と明神町5差路、西側2ヵ所の中央線の踏切などが原因だと思います。外周道路が混雑するため、一般車両が中心市街地を抜けていく。この通り抜けの車両に対処すべきだと以前から申し上げています。
Q市の中心市街地整備の目標の1つに、歩きやすく憩いやすいまちとあります。この目標を成し遂げるためには、中心市街地を走る車の数を抑制することが必要で、中心市街地を通り抜けるだけの車を入れない対策が必要だと思いますがお考えをお聞きします。
A(都市計画部長)
平成27年3月に策定した八王子市交通マスタープランにおいて、中心市街地の歩きやすさとにぎわいの創出を施策方針としており、この実現に向けて、中心市街地の通過交通を抑制することは有効であると認識しています。
中心市街地の通り抜け車両の抑制については、富士見通りの無電柱化など環境整備とあわせ、一方通行などの交通規制について、地元の方々の御意見を聞きながら、検討を進めて行きたいと考えています。
〇八王子駅周辺の路上駐車は駅や塾への送迎が多いのは明らかですので、地下駐車場を30分無料としていただければ、ただこれだけで解決できると思っています。委託調査をするまでもなく、これは結論が出ていると思っています。
中心市街地が抱えている交通の課題は他にあり、例えば北口バス乗り場の改善ですとか、保健所前の変則6差路の右左折と降車対策などは、喫緊の課題として取り組んでいただきたいと思います。せっかくお金をかけてまで検討するのであれば、過去から指摘されているのに解決できていない難しい課題に取り組むべきです。
Q外周道路の混雑解消による中心市街地の通り抜け車両排除、産業交流拠点付近の慢性的に課題となっている交差点改良など、予算をつけて実施するのであれば、こういった課題を検討していただきたいと思いますが、如何でしょうか。
A(都市計画部長)
現在、中心市街地の周辺では、国が八王子南バイパス、東京都が医療刑務所西側から台町へ抜ける都市計画道路の整備を進めており、これらの周辺道路が完成することで、中心市街地への通過交通の抑制につながると考えています。引き続き国や東京都と連携して、早期の整備完了を目指してまいります。
産業交流拠点付近の交差点については、平成30年11月に設置した八王子駅周辺交通円滑化対策検討懇談会においても同様の御意見をいただいており、路線バスや歩行者の安全な通行環境の実現に向けた対策について検討していくとともに、中長期的には旭町・明神町地区開発と連携して、対策に取り組んでまいります。
〇中心市街地に関しては、過去から様々にさんざん検討を繰り返し行っています。何を改善すべきか、どんな街にしたいのか青写真は既に持っておられると思うので、そういうものに基づいて検討していただきたいと思います。
交通環境整備に関しての調査項目については再考をお願いしたいと強く要望を申し上げます。
Qここ数年間、この方針に沿って細街路の整備数ヵ所を予算計上し、工事発注まで行いましたが、平成30年度は工事が不調に終わってしまったものがありました。
細街路整備について、平成30年度に計画した路線数は幾つで、あわせて工事が不調となってしまった理由についてどのように捉えられているのかをまずお聞かせください。
A(拠点整備部長)
現在、細街路整備事業では、対象を9路線としています。既に3路線の整備が完了しており、そのうち平成30年度は1路線の工事を発注しました。
工事が不調となった理由については、下請け業者の確保ができないこと、配置できる技術者が不在であったと確認しています。
〇平成30年度に整備していただいた路地を紹介します。
子安神社東側の名もないような道ですが、この道は、京王八王子駅の甲州街道側出入り口と接続しており、歩行者が大変多い裏通りですが、路面や雨水排水設備が大変傷んでおり、側溝が大きく口をあいていました。この道に車が入ってくると、歩行者は避けるのが容易ではありません。全面補修にあわせて、車が入ることを躊躇するような風情に変えていただきたいと要望し、昨年夏、大変な猛暑の中、全面補修を実施していただきました。施工された業者さんは、地元に配慮して丁寧な仕事をしていただきました。
完成後は通行する方々から好評をいただいています。何気ない道ですが、その付近の雰囲気まで変わり、通行人の人たちの顔も変わるということを実感しました。
Q細街路整備は、歩いて楽しいまちづくりには大変有効な手法ですので平成30年度に実施できなかったところを含めて、前向きに進めていただきたいと考えますが、今後の細街路整備についての方針をお示しください。
A(拠点整備部長)
現在、中心市街地は、八王子市中心市街地活性化基本計画の目標である歩きやすく憩いやすいまちの実現に向けて、細街路整備等、さまざまな事業に取り組んでいます。
ハード整備を町なかで行う工事でありますので、課題はさまざまあります。しかし、目標達成に当たって、それらに柔軟な対応をし、確実に事業の推進を図り、中心市街地全体の賑わいの創出にしっかりとつなげてまいりたいと考えています。
〇2019年度は3路線の電線類の地中化工事が計画されています。
地中化は地上機器がネックとなり道路幅員にある程度の余裕が無いと行えないと判断していました。衆議院議員時代から電線や電柱を目のかたきのようにするほど電線類地中化推進派の小池都知事になってから、東京都の地中化事業は非常に加速化しています。道路幅員が狭いという理由で地中化していない場所を、無電柱化チャレンジ支援事業として殿補助金対象事業として登録し、取り組むことを推奨しています。八王子市で今回実施するもののうち、市道八王子134号線、京王プラザホテル沿いの裏側がこの対象になっています。
Q狭隘な道路を無電柱化するために技術的なことをどのように考えていますか。
A(道路交通部長)
平成30年4月に東京都電線共同溝整備マニュアルが改訂され、通信用ケーブルを分岐接続するための桝の最大設置間隔が70メートルから100メートルに緩和されたことや、管路材料が材料指定から性能指定に変更になっています。
Qそれらは技術的にどうこうというのではなくて、東京都電線共同溝整備マニュアに掲載している埋設条件など、条件の緩和、改訂という理解でよろしいでしょうか。
A(道路交通部長)
御質問者がおっしゃるとおりです。平成30年4月のマニュアル改訂では、低コスト化に向けた条件緩和のほか、参考資料に無電柱化チャレンジ支援事業にも通ずる狭あい道路編を追加するなどの改訂も行っています。
〇地中化は、架空線に比べて、10倍から20倍のコストがかかり、工期も長くなります。財政状況を考えると市単独での地中化は既にかなり難しく、既に電力会社は自ら地中化するのをやめています。
東京都知事を電柱の嫌いな小池都知事がやっている間が実施するチャンスだと思っています。
Q地中化された路線では、沿道に新しい供給先が発生したときに、設備が地中に埋まっているので、非常に手間がかかります。こういったときに、掘削の許可だとか、そういったものに関して、何か市で猶予していただいたりする考えはありますか。
A(道路交通部長)
占用許可については、道路法に基づき許可を出しておりますが、人命等にかかわるような緊急を要する工事などについては、口頭などによる簡易な連絡で掘削が可能となっています。
Q今後、地中化した設備の維持管理の課題は必ず出てくると思っています。事故時の対応や新規の供給に関してなどスムーズに実施できるよう、事業者と市側とで申し合わせ事項などを作成しておくことについては如何お考えですか。
A(道路交通部長)
人命等にかかわる以外で急を要する案件については、様々なケースが想定されますが、事前相談において内容を確認させていただき、可能な範囲で許可を出しているところから、今後も引き続きそのような対応をしていきます。
〇市内には68の小学校区に85ヵ所の学童保育所があります。学童保育所は、保育園と同様に、女性の社会進出が益々求められる社会的背景を考えると、特に小学校低学年の子どもたちの安全な居場所と健やかな成長のために施設の充実が求められます。
平成30年度の数字で、市内全体の定員6,788人に対し、受け入れ児童数は6,090人、市内全体の定員に対して約9割という数字ですが、中心市街地や児童数の著しい増加が見られる地域では、保育枠に不足が生じているという偏りが生じています。このところ数年は、児童数が増えて、待機児童が発生している地域に新たな整備をするなど、待機児童解消策に積極的に取り組んでいただいていると認識しています。
Q2019年4月の時点で、保育枠に入れない児童は発生しているのか、その子たちの対応はどのようにされるのかについてお示しください。
A(子ども家庭部長)
現在学童保育所は2次募集の入所調整を行っていますが、4月の時点で、中心市街地や八王子ニュータウン等で待機児が発生するものと見込んでいます。待機児については、放課後子ども教室との連携等により対応していきたいと考えています。
Q施設の増設に関して、学童保育所の近隣に民間の施設、空き店舗などを借りて対応する場合や、学校の空き教室を提供していただく、放課後子ども教室等の対応があると思いますが、ここ数年の実績と、小学校の空き教室を活用する例がどのぐらいあるのかお聞きします。
A(子ども家庭部長)
平成28年、29年度の2ヵ年の実績は、13施設で512人の定員増を行いました。小学校近隣のテナント活用が2施設、76人、小学校余裕教室の活用は6施設で221人です。また、平成30年度の余裕教室の活用は1施設で40人規模となっています。
〇現状ある学童保育所の施設は、その貧弱さが目につくと、1年前の3月定例会で問題提起をさせていただきました。学校の敷地の一角にプレハブで設けているのが多くの施設ですが、まず狭いということ、また、生徒が使用するトイレが男女に分かれていないところが多くある。小学校3年生ぐらいになりますと、異性を意識し始める年にもなってきますので、これは改善してあげたいと思います。さらに先生方の控室も貧弱で、休憩する場所や更衣室が整備されていない。先生方がトイレを子ども用と兼用しているなど労働環境が劣悪で課題だと思っています。他に用具などを保管するスペースがないなど、総じて敷地が狭いことに起因する課題が多く、逆に捉えれば、もう少し広く学校の敷地を貸してもらえたら改善しそうな課題は多くあるということになります。
Qこの質問以降、子ども家庭部で、各学童保育所の実態を調査していただいたとお聞きしていますが、課題として捉えていることをお示しください。
A(子ども家庭部長)
この調査により、古くは自主学童時代から使用しているものや、住民集会所を転用している等により、床やトイレ、空調等の設備面が老朽化している施設があることがわかりました。これらの設備面を早急に改善することが課題と捉えています。
Q狭い、設備が不足している、また、古いということがほとんどの保育所の課題ですが、これらは小学校のものを使わせていただくことで随分緩和されるのではないかと思います。トイレが男女共用であったり、数が不足している場合など、学校のものを使用させていただければよいと考えます。
新たにきちんと整備するのではなく、学校側の御理解・御協力をいただき、責任の所在などをきちんとルール化し、学校施設の有効活用を図っていただきたいと思いますがいかがですか。
A(子ども家庭部長)
現状の協力体制については、小学校及び教育委員会の協力を得ながら、校舎内余裕教室の活用を図っています。今後も更に協力体制が得られるよう、小学校、教育委員会と連携を密にしてまいりたいと考えます。
〇運営上とか管理や仕事が複雑になるという課題はあるでしょうが、それらは全て大人の都合です。本来は学校も学童保育所も、主役は子どもたちですので、そこに関わる人たちは子どもたちを優先した取り組みを実施していただくことを基本としていただけるようお願いします。
Q学童保育所の職員の方のトイレが子ども用と兼用だったり、更衣室や休憩室もないということは、雇用主として行うべき責任を果たしていないことになり、労働安全衛生規則に反することになります。これも学校施設を利用させていただくことで解決を図っていただきたく、費用をかけずに迅速に施設の充実を図るため、学校施設の有効利用を積極的に進めてもらいたいのですが如何ですか。
A(子ども家庭部長)
本市では、児童の安全性を第一に考え、学童保育所を整備する際には、学校施設の活用を優先的に検討してきました。今後も小学校、教育委員会の理解、協力を得ながら、学校施設の有効利用を積極的に図っていきたいと考えています。
〇高尾駅の一連の整備工事に関しては、平成17年度に具体化し、当初は平成32年ごろの開設を目指すという予定でした。新年度予算には北口駅前広場の整備に関する工事が計上されています。
Q高尾駅北口駅前広場整備の現状と供用開始までの想定スケジュール、あわせて高尾駅橋上駅舎化に関する現状についてお示しください。
A(都市整備担当部長)
高尾駅北口駅前広場は平成31年度に工事着手し、2ヵ年で暫定整備を行う予定です。また、高尾駅南北自由通路の整備は条件整理のため、鉄道事業者と協議を継続しています。
Q高尾駅の工事が見送りになっていますので、当初の橋上駅舎化工事とバスターミナル整備を連携させて描いていた工程表や工事設計図は変更になると推測しますが、北口駅前広場の工事はどのように進められるのか、お考えをお示しください。
A(都市整備担当部長)
平成31年度は西に面する市道浅川83号線側から着手し、現状の高低差を解消し、仮設のバスの乗降場を設置する予定です。
〇平成32年度ごろの開設を目指す計画は、橋上駅舎化まで全てを含んだ計画でした。しかし、工事費が当初見込みを大幅に上回る予想となり、橋上駅舎化工事は現在見合わせています。
私は、平成25年12月の一般質問で、高尾駅橋上駅舎化の計画について積極的ではない方向での意見を述べさせていただいています。理由は、第1に費用がかかり過ぎるということで、その当時の予算額は駅前広場など関連する事業費全体で114億円、南北自由通路に橋上駅舎化における総工事費は88億円、そのうちJR高尾駅側は78億円でした。市の負担額は、自由通路の整備及び管理に関する要綱という国土交通省都市・地域整備局長名の通達により、その費用のほとんどを原因者負担とすることになっており、つまり、原因者は市ですので、市がJRの駅をつくってあげることになり、78億円のほとんどが市の持ち出しとなり、さらに、つくった駅舎はJRのものになるということで、市に圧倒的に不利な条件でこれだけの費用を高尾駅につぎ込む費用対効果は相当薄いと申し上げました。これは今でも同様の感覚を持っています。
Q南北自由通路と橋上駅舎化に関して、現在試算する総工事費は、平成24年にJR駅分78億円の見込みであった事業費など、どのような理由で幾らになっているのか、あわせて橋上駅舎化が着工延期となっている理由についてもお示しください。
A(都市整備担当部長)
平成29年度の試算では、物価の高騰や労務単価の上昇等の影響により、JR分の南北自由通路及び橋上駅舎部分の費用が約130億円になっています。着工見送りの理由は、当初の試算に比べ事業費が膨らんだこと、及び事業費の多くを占める駅舎建設の費用負担割合など、諸条件が鉄道事業者と整わなかったことによります。
Q現在の鉄道事業者との協議の状況についてお示しください。
A(都市整備担当部長)
これまでも鉄道事業者との協議は継続していますが、現時点で条件整理はついておりません。
Q駅舎部分の工事に伴って、現駅舎の一部分は解体や運搬の費用がかかると記憶していますが、この費用は幾ら程度と想定していたのかお示しください。
A(都市整備担当部長)
平成29年度の試算では、駅舎の丁寧な解体と運搬費用として約2.2億円を算出しています。
Qいろいろと費用についてお聞きしましたが、駅舎部分工事が約130億円と膨らんでいるということが原因で見送りになっているということですと、この金額に変化がない場合、この工事は永遠に見送りとなるのか、お考えをお示しください。
A(都市整備担当部長)
今回の見送りは、物価高騰や労務単価の上昇等の影響により事業費が膨らんだことや、事業費の多くを占める駅舎建設費の費用分担割合など諸条件が整わなかったことによります。事業費削減をはじめとした諸条件を整理した上で、工事について総合的な判断をしていく考えです。
〇そもそも、高尾駅橋上駅舎化は、それが本来の目的ではなく、高尾駅がこの地区の南北の往来を阻害していることを改善する目的で、地元から南北自由通路建設要望が強く出されていたことに対応する策として浮上した話です。これを検討した結果、南北自由通路を高尾駅の上空横断による手法とすることになり、そこに駅舎部分の改造工事が一緒になったというものです。本来は南北の行き来が容易にできるようになればよいはずです。
Q以前私は、88億円もかけて橋上駅舎化するよりは、南北横断の地下通路をシールド工法で抜いて横断通路を建設する方法ならば10億円もかからずに施工可能ではないかと提案したことがあります。その際の回答で、市でも地下通路を抜く検討はされていたとお聞きしましたが、地下通路式を検討された経過と、そうしなかった理由について改めてお聞きします。
A(都市整備担当部長)
これまでに地下トンネルなど単独自由通路をはじめさまざまな案を検討してきた経緯があります。安全性、利便性、地域拠点である高尾駅周辺のまちづくりの視点なども踏まえ、現在の形になったものです。
〇鉄道の下を抜くということで、鉄道事業者がいろいろと難色を示すということはよく聞く話ですが、JRの土地の地下を掘れないということであれば、23区内の地下鉄や地下通路、日本中至るところにある駅下の横断通路は説明が付きません。電車の運行時間を考慮した工法や作業日程、そういうものを条件とした場合で工事費が嵩んでも、橋上駅舎化費用の半分以下で横断通路はできるのではないかと思います。
Q現在南北の行き来をしたいという市民の方には、駅構内の通路の通り抜けによって暫定的に行き来していただいています。例えばJRの自動改札をPASMOで通過をして、出口側の自動改札に同様にPASMOをかざすと、通過を認識して金額が戻る、こんなシステムにしてもらう方法もあるのではないかと思いますが、可能性と課題について教えてください。
A(都市整備担当部長)
現在のJR高尾駅構内通行費用補助は、自由通路工事着手前には鉄道事業者の協力が得られないということから、市単独でできる内容として実施しているものです。なお、鉄道事業者からは、交通系ICカードはあくまでも乗車券であり、入場券としての利用はできないと言われています。
〇今後の市の施策は今まで以上の集中と選択、コスト削減や無駄を省く努力が求められます。改めて高尾駅の橋上駅舎化の工事そのものの計画を冷静に見直す必要があるのではないかと思っています。南北自由通路が地域の念願であることは十分承知をしており、必要性は理解しますが、費用がかかり過ぎること、費用対効果の面で大いに疑問が残ると考えます。
Q過去に、橋上駅舎化以外の検討を行った経過があると先に答弁をいただきました。また、他の工法として、橋上を単独で横断する通路を設置する方法もあると思うます。改めて鉄道事業者に他の方法での横断通路の施工について調整する意思についてお聞きします。
A(都市整備担当部長)
事業見送り以降の鉄道事業者との協議では、単独も含めた自由通路の整備について提案していますが、駅構内での単独建設等は認めないという先方のスタンスは変わっていません。
〇高尾駅橋上駅舎化に関しては、工事費の高騰の背景で1度ストップをかけたことを評価しています。地域の当初からの要望は南北通り抜けの実現ですから、この目的を早く達成することを念頭に置いて再考すべきだと意見を申し上げておきます。
〇PCBは、ポリ塩化ビフェニルの略称で、水に溶けにくく沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、科学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油などに利用されました。PCBを油に混入させることで機器の縮小化が図れ、以前大変重宝されて使われたものですが、人体への悪影響が明らかになったため、現在では新たな製造が禁止されています。昭和47年8月以降に製造された業務用、施設用蛍光灯などに用いられた安定器の中にはPCBが入っているものもあります。この毒性は脂肪に溶けやすいという性質で、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、さまざまな症状を引き起こすことが報告されています。PCBの処理期間は、法律により、2027年の3月末日までとされています。
QPCBは、保管している事業者は状況報告を義務づけられています。八王子市が保持しているPCBの状況についてお示しください。
A(資源循環部長)
中核市への移行に伴い権限移譲されました廃棄物対策に関して、許認可権を有する所管の立場からお答えします。ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法、いわゆるPCB特措法により、事業者に対し、毎年6月末までに前年度の保管及び処分の状況報告を義務づけています。平成29年度分の八王子市からの届け出数は、高濃度コンデンサーが24個、低濃度コンデンサーなど27個、安定器などは4,955個となっています。
Qそれらの汚染防止策について教えてください。
A(資源循環部長)
汚染防止策は、市民の健康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的とし、PCB廃棄物を保管する各所管から、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任させ、廃棄物処理法の保管基準に基づき、周囲に囲いを設け、飛散や流出、または地下浸透などを起こさぬよう保管するよう指導を行っています。
QいつまでにPCBの処理を完了させる予定になっているのかお示しください。
A(資源循環部長)
PCB特措法に基づく処理期限ですが、高濃度コンデンサーなどにつきましては3年後、2022年の3月末、安定器などは4年後の3月末、また低濃度コンデンサーなどは8年後、2027年の3月末となっています。尚、該当する所管に対しては、期限までに計画的に処理するよう指導を行っています。
〇大変しっかりと把握されておりますので、私が思っていたよりも量が非常に多かったのですが、計画に示されたとおり確実に処分まで進めていただけるようにお願いをいたします。
〇カドミウムは原子番号48の金属元素です。水やほとんどの食品中に自然界由来のものが微量に入っており、たばこにも含まれています。工業での用途は、メッキ剤や塗装の顔料、ニッカド電池など、微量であれば神経質にならなくてもよいかと思いますが、発がん性があり、過去にはこれが多く含まれた米が原因で体内に蓄積してしまい、骨や関節が脆弱となるイタイイタイ病が大きな社会問題となりました。近い将来には余り使われなくなる物質だと言えます。
しかし、一方で、このカドミウムが使われている製品が、近年私たちの身近に出回っています。それは、太陽光発電のパネルです。全てが対象ではありませんが、設置してある半数程度は可能性があると言われています。太陽光発電のパネルについては、カドミウムのほかに、鉛、ヒ素、セレンといった環境負荷が懸念される物質が使用されているものがあります。
Q八王子市の資産として持っている太陽光パネルはどの程度あるのか、数をお示しください。
A(環境部長)
平成30年6月時点で、28施設、300.32キロワット分の太陽光パネルを設置しています。
〇太陽光パネルは、今の形のまま使用している状態では問題がありませんが、耐用年数の30年程度を超えてくると、非常に厄介なごみになると想定されます。これらの処理に関しては、国や産業界の動きに注視していただきたいと思います。
Q有害物質を含んでおり、その処理、廃棄方法が確立されていないものについて補助金を出して導入を推進しているわけですが、この点についてのお考えは如何でしょうか。
A(環境部長)
使用済みの太陽光パネルの処理について、環境省が処理方法を明示した太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインを策定し、その基準に沿って適正に処理する必要があると考えています。導入を推進するとともに、適正処理についても広く認知されることが重要ですので、市のホームページで適正処理について情報提供するなど、周知啓発に努めてまいります。
〇今まで補助金を出して導入を推進してきたわけですから、それがゴミとなるときには、知りませんというわけにはいかないと思います。八王子市の直接の財産になっているパネルの扱い以外に、市民が保有しているパネルの最終処分には何らかの係わりが発生すると思いますので、その方針については今から検討し、準備をしていただきたいとお願いしておきます。