1.自動販売機分配金について
2. 育英基金と奨学金について
3. 若きチェリスト育英基金について
4. まち・ひと・しごと創生総合戦略について
5. 全国都市緑化はちおうじフェアについて
6. 防災無線について
7. 保育施設の整備状況について
8. 観光大使の活用について
9. 中心市街地の鳥対策について
〇庁内の飲料の自動販売機の設置については2種類の方法があります。一つは行政財産の設置許可という方法です。これは、設置団体に対して庁内への自動販売機の設置を許可するということで、おおよその費用として、本庁舎の例で申し上げると1基当たりの設置場所代が約1万7,000円程度、使用電気代は実費分として1万5,000円から3万8,000円程度を市の指定口座に納めるものです。設置場所の使用料収入は平成29年度では214万3,224円で、一般財源に整理されます。
もう一つが貸付という方法です。自動販売機を設置する場所を提供するかわりに、飲料の売り上げから契約に基づいた割合で利益分の分け前を分配金として納めてもらう方法で、平成29年度の分配金は、予算の見込み額393万6,000円に対して、決算額は659万2,909円となっています。企業内に設置してある自動販売機などはおおよそが後者の貸付と同じ方法で行われており、企業側が受け取る分配金の額を抑えて、この分で飲料単価を安価に設定する原資にしており、社員サービスの目的で市場価格よりも10円から20円くらい安い単価設定となっているところが多く見られます。
・八王子市では、スポーツ施設などで10円程度単価を安く設定している場所があるようですが、本庁内においては定価での販売となっており、この価格設定は高いのではないかと私は以前から感じており、市の担当所管とお話しをしましたが、市役所周辺に一般の自動販売機が多く設置してある現状から、市役所内が他よりも安い状況をつくることは周辺民業圧迫につながることから相応しくない、また貸付という方式は、行政が広告収入などと同じように一般財源を確保する手段として導入された経過があるため、市民の方に御協力していただいているということで、定価での販売は妥当であるとの回答でした。
・市民の皆さんは、市役所内にて定価で購入した飲料の一部分が市の一般財源化されていることすら知りません。お金に色はありませんから、自動販売機の売り上げの分配金は市の福祉事業に活用されていると言ってしまえばそれまでですが、市民の方々にPRする効果は大いにあると思います。
Q:自動販売機での飲料の売上金が自動販売機分配金として市の一般財源化されていることについて、自動販売機かその周囲に、例えば、市民の皆さんが市役所内で飲料を買ってくださった売上金の一部が市の福祉事業に有効に活用されていますなどの掲示をして広くPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。このことを市民に明確に示すことで納得して購入していただくことはもとより、さらに積極的に購入していただける方が出てくる可能性もあると思いますが如何でしょうか。
A:この仕組みは自主財源の確保を目的として平成23年度から開始したものである。収入を、使い道を限定しない一般財源とすることで福祉や教育などさまざまな事業に活用している。
自動販売機の売り上げが広く本市の事業に使われていることを市民の皆様に広くお知らせすることで、歳入増加につながることも考えられるため、積極的にPRして参りたい。
写真:【このような表示をしていただきたいと思っています】
〇育英基金は、八王子市育英基金条例でその取り扱いが定められています。
・この基金は奨学事業の資金に充当するもので、指定基金をもって設置するとあり、基金を奨学金の財源に充てる場合は、基金の運用から生ずる利益の限度においてこれを処分することができるとなっており、つまりは基金の元金には手をつけず、基金が生み出した利益分しか使えないという縛りがあります。
改めて、平成29年度決算の育英基金の項目を見ると、低金利の時代において平成28年度末の残高3,938万7,461円と平成29年度中にあった基金指定寄附金80万円が元金に処理されて、平成29年度末残高は4,018万7,461円となっていますが、これらの元金が生んだ運用利子は2万9,540円です。条例で運用利益しか展開できないことになっていますので、この2万9,540円しか奨学金に使えていません。
平成29年度の奨学金の決算額は一般財源から4,585万8,460円充当し、育英基金から2万9,540円を加えて合計が4,588万8,000円です。基金からの充当額はほんのわずかです。
・先ほどお話しした自動販売機の売り上げの一部を特定財源化して育英基金に積み立てたらどうかと考えましたが、元金部分に積み立てられてしまうと、今の条例ではその金には手をつけられないため、これでは私の考える奨学金の対象者をもう少し柔軟にしてあげたいという目的が果たせません。
・奨学金については毎年1回、奨学審議会を開催して、申請のあった高校進学を目指す厳しい家庭環境にある成績優秀な市内在住の学生を対象に、奨学金の支給対象者を決定しています。私もこの委員になったことがありますが、審議会で毎年悩ましいのは、120人と決まっている奨学金支給対象者の枠に対して、際にいる人たちを判断するところです。申請者は、家庭環境や家庭の収入額、学校の成績などでそれぞれ採点されて、その持ち点をもとに審査にかかるわけですが、予算に限りがあるため、無情ですが線引きが行われます。近年、際にいる人の持ち点が同点の場合は、120人の枠を多少超えても同点の者全員を対象にするように緩和していただいたと聞いておりますので、奨学金については少し枠を広げていただいたと理解しています。
・もう一つの制度として、奨学金を受けている生徒のうち、高校での成績が優秀な生徒には、特別奨学金として3,000円が上乗せされるものがあります。この制度の評価点は、奨学金とは違い、高校での成績のみです。この制度も人数で制限しているため、評価点の下限が平成28年度は4.1点でしたが、平成29年度は4.3点と0.2点高く、同じように頑張っていても年により対象者の成績にばらつきがあります。この点数は、学生自らが頑張って勉学に励んだ結果で、年ごとの差なく、一定の点数以上は全て対象にしていただくことが妥当で、そのことが学生の励みにもなると考えます。
Q:ここに自動販売機分配金のうち、予算として期待した額を上回った部分から回していただけないかと思う訳です。この費用を特別奨学金の予算として柔軟に対応していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。
A:自動販売機の売り上げ収入は、使い道を限定しない一般財源として福祉や教育などさまざまな事業に活用している。
Q:育英基金条例及び奨学資金支給条例は昭和36年に制定されたものです。当時は一般家庭でも定期預金にしておくと相当の利息がついた時代でしたが、低金利の現代においてこの考え方は無理があり、元金元本が生む運用利益だけしか活用できないという考え方について見直しが必要なのではないかと思います。育英基金の最適な活用方法を模索して見直し検討が必要だと考えますが、御所見をお聞かせください。
A:育英基金は、本市の奨学事業を開始した年に設置し、奨学金制度の持続的運営を願い、指定寄附をいただいた皆様の善意を積み立ててきたものである。基金の見直しについては、こうした経緯も踏まえて慎重に検討すべきものと考えている。
Q:特別奨学金対象者は人数での制限でなく、成績優秀者を年度での運、不運なく全て対象者とできるよう一定の点数での支給に変更していただきたいと思いますが、これについても御所見をお聞かせください。
A:特別奨学金の対象者は、高校入学後の評定平均値を選定基準としているが、15名を超えた場合に同評定の方は採用している。高校でのお子さんの頑張りを考慮すると、同じ評定平均値でも年度によっては採用されたりされなかったりというのが現状であり、御提案いただいた評定点数を固定化することにつきましては、子どもたちの努力目標にもなると考えられるため、奨学審議会委員も含めて検討してまいりたい。
〇基金でもう一つ、若きチェリスト育英基金があります。決算書では、この基金に178円が残っています。この基金の始まりは、平成18年に開催された第1回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子からと認識しています。
・カサドコンクールは、平成18年、21年、25年と合計3回行われました。当時は八王子市を文化芸術の街にする施策として大いに期待され、私もカサドコンクールが行われるいちょうホールを中心にして、夢美術館を含めた八日町から本町一帯を文化芸術の雰囲気を全面に出したまちづくりをという一般質問をした記憶があります。第3回のコンクール開催の年には、議場コンサートやさまざまな市の行事の際に若き演奏家をお招きし演奏していただいたり、本庁ロビーでミニコンサートが行われたりして華やかでした。市民の方々からも、本物の音楽に身近に触れられると、今後の八王子の文化芸術の取り組みに期待する声が多く聞かれたと記憶しています。
Q:これらについてお聞きしますが、第3回開催から5年が経過しました。ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子及び八王子の文化芸術の取り組みはどうなったのか、また額は178円と非常に少ないが、基金として残っているということは、若きチェリスト育成事業に今後取り組む芽があるのかなど、政策上の方針と、基金として細々と残している意義についてお考えをお聞かせください。
A:若きチェリスト育成基金は若いチェリストの育成を通して音楽を通じた文化芸術の振興を図る目的で設置しているものである。基金については3回開催したガスパール・カサド国際チェロ・コンクールに充当した。
なお、現在実行委員会は無いが、チェロについては市内で小学生を対象にしたアウトリーチコンサートや演奏体験が行われていると聞いている。また、財団によるチェロコンサートも開催されるなど、市民の皆様を初めとする今後の活動や事業を注視しているところである。
今後も、八王子音楽祭の実施や八王子ユースオーケストラなど、広く市民が身近な場所で音楽に親しめる環境づくりや文化芸術活動を担う若い人材の育成に取り組み、本市の文化芸術の振興に努めたいと考える。
※回答で基金の存在に関して触れていない・・・
〇まち・ひと・しごと創生総合戦略における最重要課題は、出生率の向上です。まちを維持し、働き手を確保していくためには、子どもの数を増やしていかなければならない、と言うのは簡単ですが、形にするのは極めて困難な課題です。
この課題について、八王子市の創生総合戦略では、出生率の将来目標1.8を目指すこととしています。近年の八王子市の出生率は1.2前後とおおよそ横ばいですが、実際の出生数は平成25年の3,903人に対して、平成28年は3,557人、1割近く減少しています。
Q:平成29年度のこれらの数値についてお聞きしますが、合計特殊出生率と出生数の数値を前年度と比較してお示しください。
A:まだ29年度の数値が発表されていないため、27年度と28年度の比較でお答えする。
27年度の本市の合計特殊出生率は1.26、28年度は1.22で0.04ポイントの減少となった。出生数についても、27年度は3,787人、28年度は3,557人で230人減少している。
Q:将来目標の出生率1.8の達成に向けて、平成29年度に具体的に取り組んだ内容についてお聞かせください。
A:総合戦略の政策軸、人づくりの中で政策をパッケージ化して、29年度の実績では評価指標のKPIが14項目中11項目について目標を達成または順調に実施している状況である。
具体的には、八王子版ネウボラの施策では妊娠期の面談率が向上している。また、保育所や学童保育所の待機児の児童数については、29年度は28年度に比べともに減少している。
〇出生率の向上を短期的に達成することは不可能です。安心して複数の子どもを産み育てられるための社会的条件整備にはさまざまな課題と切り口があり、改善策が関係し合って徐々に効果を上げられるように地道に取り組まなくてはなりません。
Q:総合戦略は5年ごとに成果を検証し、改訂していくことになっていますので、そろそろその時期を迎えますが、今後の出生率、出生数の向上に向けた取り組みについてどのような施策を考えておられるのかについてのお考えをお聞かせください。
A:出生率の向上については、就労を初め子育てに関する様々な施策を複合的に地道に取り組んでいくことが効果につながると考えている。また、これらの取り組むべき施策も社会状況の変化に応じて多様化していると認識している。総合戦略の平成31年度の改訂に向けては、現在の取り組みを充実させながら出生率の向上に関する新たな施策などについて情報収集を図るとともに、さまざまな角度から検討を進め、改訂に反映させていきたいと考えている。
〇100周年記念事業費の決算額はそれぞれに担当した所管に振り分けられていますが、これら全体では9億9,575万8,980円と報告されています。その中でも、全国都市緑化はちおうじフェアの決算額は7億9,781万7,712円、100周年記念事業費全体の8割を占めています。
・緑化フェア開催に当たっては、開催の前年より常任委員会などにおいてフェアの考え方から進め方の詳細などについて何度もさまざまな議論が重ねられました。私どもの会派からは、フェアの開催に当たり、打ち上げ花火的なお祭り騒ぎだけに終わらせず、市民のためにプラスになるものを残す取り組みが重要ではないか、100周年の記念として後世に伝えられるものを具体的なものとしても残す取り組みが必要ではないかという意見をさまざまな機会に申し上げてきました。
・市は、フェアのメイン会場となる富士森公園陸上競技場は改修のためフェア終了後に壊すことになる、100周年のレガシーは市民の心に残るとの回答に終始しました。総予算8億円です。例えばバス停や駐車場、タクシー乗り場でもよいし、洒落た花壇や既存にある公園の改良など、考えれば幾らでもあり、後世にお荷物にならないものを検討し、会場の設計に組み込んで、フェア終了後に残るところに会場整備の費用で何か工夫したらよいのにと思っていましたが、結果は見てのとおりです。
非常に残念な思いでいたところ、平成30年度予算に100周年レガシー事業として予算が計上されました。これでは当時の説明と異なり、非常に強い違和感があります。
フェア後に新たな予算を組んでレガシー事業を行うくらいであれば、平成28年度までのフェアにかかった費用の中で後世に残せるものを考えて事業の一部として組み込んでいたらこのような費用は発生しなかったのではないかと、とても残念な思いがしております。
Q:理事者にお伺いしますが、改めて、緑化フェアのレガシーとは何なのか、考え方をお答えください。
A:【駒沢広行副市長】
はちおうじフェアでは、町会・自治会や事業者等、さまざまな分野などと連携することで大きな成果を得ることができたと考えている。フェアで培った緑を大切にする心を継承し、レガシーとして市民協働による取り組みを継続かつ発展させていくため、富士森公園内にレガシーガーデンを設置するほか、さらなる地域緑化の活動を多くの市民の皆様に広めて参りたい。
※平成30年度予算にあげたレガシー事業については触れていない。
写真:【緑化フェア会場は綺麗でしたが、何も残せなかったのは不満が残っています】
〇防災行政無線に関して、平成29年度は保守点検委託料として1,501万2,000円、デジタル式防災行政無線設備更新工事費として2億8,550万2,000円の決算額となっています。
今回お聞きしたいのは、この設備更新工事がなぜ1社への随意契約であるのかということについてです。
・デジタル化とはいっても、基本的には放送機器です。私の拙い知識では、システム的にそれほど複雑な、例えば1社が特許を持っているようなものには思えないのです。日本には放送設備や電気にかかわる優秀な企業は多くあります。これほど大規模な金額の設備工事になるのであれば、競争にする必要があるのではないかと思いますし、優秀な企業が複数あるのですから、よりよいものにできる可能性もあると思います。これほど1社にこだわった理由が、例えばこのシステムのノウハウは1社しかないということであったとしますと、万一この会社がなくなってしまったときにはどのように対処するお考えなのか、その点も非常に疑問なところです。
Q:理事者にお聞きしますが、防災行政無線のデジタル化移行工事が1業者との随意契約となっている理由についてお答えください。
A:【木内基容子副市長】
多くの屋外拡声局を持つ本市において、アナログからデジタル方式への以降は複数年に及んでいる。この中で、無線放送を実施しながら円滑な移行を行うためには、機器の互換性、操作性等を考慮する必要があり、費用面も含め総合的に判断した結果、一事業者との随意契約とした。
Q:他社との互換性がないということになると、今後の維持管理にさまざまな課題があると思いますが、御所見をお聞かせください。
A:【木内基容子副市長】
互換性については、開放型の規格を設けるようにということで全国市長会及び中核市市長会等に申し入れを行っている。今後も設備の特殊性を十分精査の上、適切な維持管理に努めて参る。
〇先日、一般質問で、終戦記念日の黙祷に関して防災行政無線を使った一斉放送を検討していただきたいと申し上げたところ、防災行政無線の使用に関しては慎重に実施しなくてはならないといった趣旨回答がありました。市がおっしゃっている慎重な使用方法とは何かについてお聞きします。
・子局のデジタル化の設備工事で今年の単価を算出すると、1基当たり約350万円、これを単純に設備数に掛けると、市内の子局デジタル化の総額はおおよそ15億円、点検費用が毎年1,500万円もかかっている防災行政無線だからこそ、私は積極的に使うべきだと思っています。大事に飾っておくだけのものにこれだけの費用は必要ありません。有効に活用するための取り決めについても市民には公表されていません。
・お隣の町田市のホームページを見ると、防災行政無線についてきちんと定められたものが示されており、誰でも見ることができます。緊急放送として、災害時における放送、行方不明放送、定時放送、これは八王子市で17時に流れる夕焼け小焼けの放送と同様のもの、一般放送として選挙の棄権防止に関する放送、特定の日にちの放送、これは町田市では広島・長崎の原子爆弾投下の日、終戦記念日などに放送を流しています。ほかに、振り込め詐欺等防止の放送と明確に決めています。
終戦記念日での放送の質問での回答に加え、振り込め詐欺等の防止対策についても、以前他の議員から一般質問で出された振り込め詐欺などの犯罪に対する注意喚起について防災行政無線を使って行ってほしいという提案に対して、慎重に扱わなくてはならないと防災行政無線の使用に関して後ろ向きな回答をしていますが、町田市ではこれも実施しています。
防災行政無線を使うと聞こえないとかうるさいとかの苦情対応がふえるので、慎重にならざるを得ないといった市側の見解をお聞きしたこともありますが、事業報告を見ると、平成29年度の年間の苦情の総数は482件で、これが全て防災行政無線に関することではないでしょうから、慎重になるほどの数だとは思いません。多額の費用をかけて整備しているものを宝の持ち腐れにすることなく、慎重にではなく、有効に使うべきだと思います。
Q:理事者にお尋ねしますが、防災行政無線の有効活用についてきちんと検討していただき、放送の基準を整理したものを市民に公表することが必要だと思います。
なお、検討に当たっては一般の放送として、特定の日の放送と振り込め詐欺などの犯罪に対する注意喚起について前向きに御検討いただくことお願いしておきますが、これらについての御所見をお聞かせください。
A:【木内基容子副市長】
現在は市の防災行政無線管理運用細則により災害時や高齢者の行方不明放送等の市民の皆様の身体、生命を守る緊急放送や夕焼け小焼け等の定時放送を実施している。どういう場合にこの無線放送を利用するかということについては、市民の皆様にあらかじめわかりやすく周知することが有効であると考えるため、その点については早速対応を進めて参りたいと思う。
費用に見合った有効な活用ということに関して、これだけの多額の費用をかけて整備しているため、その点について改めてどのように有効に活用できるか庁内で検討したい。
〇平成29年度の保育施設の整備目標としてお聞きしていたのは、認可保育所5園の施設整備を行うほか、小規模保育施設2園、事業所内保育施設1園を新設することにより保育定員を新たに177名分確保し、平成30年4月1日には、量的な見込みでは待機児ゼロを目指しているというものでした。
Q:平成29年度の実績についてお聞きしますが、整備目標に対する実績について、保育定員を含めてお示しください。
A:平成29年度の整備実績は、認可保育所4施設、小規模保育施設2施設、事業所内保育施設1施設の整備を行い、当初における整備目標とほぼ同数の170人分の保育定員を確保した。このうち、特に待機児の多いゼロから2歳児の定員を115名増やしている。
〇私は、昨年の第4回定例会の一般質問で取り上げましたが、ここ数年、八王子市においても新設保育園の新築や既存の保育園の増築に対して地域住民の反対を受けるケースが目立ち始めました。そのときの回答で、平成29年度は現時点で本庁管内と由井管内合わせて3件の建設反対の声が生じているとお聞きしています。また、工事名(仮称)愛光大和田保育園(分園)計画新築工事に対する計画中止の嘆願署名が私たち議員の机上に配付されていたこともありました。
近年目立つのは、保育園は必要であるということは理解するが、近くには造ってくれるなという総論賛成・各論反対のような考え方の人の増加が目立ち、こういった傾向は保育園に限らずさまざまな施策に対してブレーキになると危惧しています。特に保育園に関しては、建設した以降、地域の方々の見守りと御協力を得ながら安心して子どもを預けられる施設として地域に根づいていく必要があります。子どもたちの安全を守るためには地域との良好な関係が必要になるわけで、反対運動が強い地域ではつくっても運営で行き詰まってしまう懸念があります。
Q:平成29年度の保育施設新設・増設に関する反対運動についてどのような状況であったのかお聞かせください。
A:平成29年度には3件の反対があった。その理由は、子どもの送迎による交通渋滞の懸念や園庭で遊ぶ子どもの声がうるさいなど。そのうちの2件は事業者により建物の設計変更を行うことや、市の担当者も説明会に参加するなど丁寧に説明を行ったところ、地域住民の理解を得ることができ、現在整備を進めているが、1件については理解を得られず、整備計画が中止となっている。
Q:子育て世代の保育ニーズに余り時間をかけずに的確に応えるには、小規模保育所や家庭的保育運営、事業所内保育所の地域枠の拡大などの施策を充実させることが必要だと考えますが、29年度の状況と今後の方針などについてお聞かせください。
A:ゼロから2歳児までを預かる小規模保育事業などは待機児対策として有効であるため、3施設の整備を行った。今後、保育施設については地域ごとに将来的な保育需要を把握し、認可保育園や小規模保育事業など多様な施設を活用しながら適切な整備に努めて参る。
〇八王子市の観光大使は、演歌歌手の北島三郎さん、八王子車人形の西川古柳さん、将棋界で永世名人の座を射とめ国民栄誉賞に輝いた羽生善治さんの3名です。観光大使を置く目的は、八王子の観光資源の魅力を広く紹介し、八王子のイメージの向上を図るとともに、観光に関する御意見や御提言をいただき、八王子の観光産業に寄与することとなっています。観光大使の役割は、一つに八王子市の魅力を積極的にPRすること、二つに八王子に対して観光に対する意見や提言を行うこととあり、契約金などはなく、善意で御協力をいただいているものです。
・このお三方のうち、羽生善治さんに関係するお話をしたいと思います。
最近の子どもたちの遊びは、テレビゲームが抜きん出て一番人気だという状況は変わっていないと思います。しかし、残念ながら、学校や学童保育所へのテレビゲームの持ち込みは禁止です。学校で行っている放課後子ども教室では、お手玉やおはじきにあやとり、けん玉やこま回しなど昔からある遊びを教えていただくことも多いようです。また、学童保育所での子どもたちの遊びは、隣接の学校校庭で外遊びができるときは、サッカーやドッジボール、鉄棒や雲梯、鬼ごっこ、学童保育所で用意してある一輪車などを使って元気に走り回っており、その姿は私たちが子どものときと何ら変わりません。保育所の中ではトランプ、ウノ、オセロ、折り紙など、これも昔から変わらない遊びを楽しんでいるようです。
・その中で結構はやっているのが将棋です。初心者用に一つ一つの駒に進める方向が記入してあるスタディ将棋という将棋盤はとりっこになっており、子どもたちに聞くとなかなか順番が回ってこないようです。それもそのはずで、保育所に1つか2つしかないようで、もっとそろえてくれないかなという声を子どもたちからもらっています。
これも立派な市民要望としてお伝えしておきますので、対応方をよろしくお願いいたします。
※この質問の後、すぐにこども家庭部が動いてくださり、希望のある学童保育所にスタディ将棋を2~3セットずつ配布をしてくださいました(1セット2000円程度)。
写真:【駒の動かし方が覚えやすい スタディ将棋】
・羽生善治さんは埼玉県所沢市の出身ですが、幼稚園のころより八王子市に住み、小学校低学年のころより八王子将棋クラブに通い、腕を上げられたそうです。先日、永世名人となり、国民栄誉賞を受賞された際には、通っていた八王子将棋クラブが一躍有名となりました。しかし、ここは本年12月をもって経営者が御高齢ということで、御自身の御判断で閉店となってしまうようです。
この八王子将棋クラブは多くの棋士の出身地となっており、ということは、八王子市は将棋界の名門である土地なのだと改めて知った次第です。
・せっかく羽生善治さんを観光大使にしており、羽生さんを初めとした多くの棋士が八王子市で幼少時代から腕を磨いたということであれば、もう少しいろいろな角度から将棋に力を入れたらよいのではないかと思うわけです。学童保育所などに将棋盤をふやしてあげる、放課後子ども教室で積極的に将棋を取り入れていただくなど、簡単にできる施策だと思います。将棋は年代の枠を超えて楽しめるので、高齢者と子どもたちが交流する手段としても活用できます。羽生さんの立場からも、八王子市が将棋にさまざまな可能性を見出して政策や教育の一環として取り入れていることを知ったら、喜んで観光大使を継続していただけるのではないかとも思うのです。
Q:せっかく観光大使として羽生さんに受けていただいており、子どもたちの間で将棋がはやっているのですから、八王子市として将棋の可能性を検討し、政策に生かしたらいかがかと思います。観光大使として羽生さんにお願いした経過、経緯、生かし方についての考えをお聞かせください。
A:羽生氏は棋士としての全国的な知名度や発信力は誰もが知るところであり、まさに適任ということで、平成18年11月に八王子観光大使をお受けいただいた。対局でお忙しい中、八王子市長杯こども将棋大会に対するビデオメッセージや優勝者への色紙をお寄せになるなど、子どもたちに毎年激励をいただいている。
今後も羽生氏を初めとする八王子観光大使の効果的な活用方法を庁内のさまざまな部署と検討するとともに、市民の声にも耳を傾け、本市の知名度やイメージの向上に努めて参りたい。
〇相変わらず、夕方になると八王子駅北口にはムクドリの大群が押し寄せてきます。もともとムクドリは群れをつくる習性があるため、集団で行動します。北口駅前にあるJ:COMの電波塔を中心に集まってきた大群は、日が落ちるにしたがって繁華街の街路樹にねぐらを求めてたかり出します。数えたことはありませんが、一つの街路樹に恐らく数百羽という数がたかり、ぎいぎいと独特の声で鳴きながらたかります。ムクドリは眠っているとき以外は常に鳴き声を発しているとのことですので、繁華街にいるムクドリたちはネオンなどの明かりで明るい間はずっと起きており寝ないため、その声は夜が深まるまでおさまりません。
・さて、このムクドリの大群を何とかしてほしいという要望は多く寄せられているのだと推測しますが、なかなか決定打がなく、全国的にもムクドリの大群による鳴き声の騒音や大量のふんの対策に苦慮している自治体は多いようです。
・その理由の一つに、鳥獣保護法という法律との関連があります。これは大変に古い法律で、明治6年、1873年に、当時は安全や秩序遵守のための狩猟ルールとして制定しているものから端を発しています。その後、明治25年、1892年に狩猟規則として捕獲を禁止する鳥類が指定されており、この中にムクドリの名前があります。
それ以降、法の改正は行われていますが、例えばかすみ網の禁止が追加されたり、片仮名文語調が平仮名表記に変わったりしているだけで、基本的に保護する対象の鳥は変わっていませんので、ムクドリは法に守られており、捕獲したり狩猟したりすることができない鳥になってしまっています。
・八王子駅北口の駅前通りやみずき通りを通ると、がりがりがりという嫌な音を耳にします。これはムクドリを防除する機械ですが、最近はムクドリがその音になれてしまっていて、嫌な音だと感じているのは通行する人のほうではないかと感じておりますが、音の効果はどれほどあったのでしょうか。そのほかにもさまざまに対策に苦慮しながらも取り組んでいるのだと推測しますが、さきに申し上げた鳥獣保護法があるため、捕獲できないなどの条件つきでの対処になってしまいます。
Q:平成29年度に八王子駅北口周辺ではどのようなムクドリ対策を実施し、その効果をどのように評価しているのかについてお答えください。
A:平成25年度から街路樹の強剪定や防除ネットの設置などを行ってきた。平成27年度からは街路樹の剪定に音等による防除対策を追加して実施をしている。設置した当初は非常に高い追い払い効果があったが、ムクドリが音に慣れてくるに従い効果が半減し、対策に苦慮している状況である。
Q:今後はどのような対策を展開しようと考えているのかについてお聞きします。
A:ムクドリがいわゆる鳥獣保護法により捕獲が困難なこともあり、全国の都市部の自治体も本市と同様に対策に苦慮している状況である。
平成29年度から実施しておりますムクドリがとまりやすいサイズの枝の剪定除去に一定の効果を確認しているため、引き続き街路樹の剪定と音等による防除を組み合わせて実施するとともに、他市の対策を参考にするなど、より効果的な防除対策を研究したいと考えている。
写真:【細かな枝を落としてもたくさんとまっています・・京プラ前】