八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.47「議会報告」

平成28年第2回(6月)定例議会

≪一般質問≫

1. 打越の不法投棄について
2. 八王子市立小中学校教員への研修教育について

1. 打越の不法投棄について

〇国道16号バイパスのかつての有料区間を相模原に向かって上がると、すぐに中谷戸という出口があります。この出口を下り切った左側に一見緑地として残っているように見える一帯があります。住所は打越町で土地の南側は北野台5丁目、7~8ヘクタールぐらいあると思われる広大な土地です。  最近、小池建材という市内の会社がこの土地に資材置き場をつくる動きを起こし、近接する住民に対して説明会を実施したことで、眠っていたこの土地の過去が問題点として浮上してきました。ここは一見広大な緑地に見えるのですが、実は過去に大量の不法投棄が行われ、さらには残土も捨てられた場所で、古い時代には谷戸で周辺よりも低い位置であったようですが、現在は近隣で一番地盤の高い土地となっています。
 私は、打越に居住させていただいて日が浅いため、近隣の古くからお住まいになっておられる方々にこの土地のことをお聞きしたところ「随分以前に残土をたくさん運んできた」「不法投棄があってもめていたようだ」「いつも何かを燃やしていた」「怖い感じの方がいたので中には入らなかったが、車やトラック、重機などが捨ててあるのが見えた」など、昔の記憶ですので時期や規模などに多少の不明瞭なところがありましたが、この土地にそれらしき事象があったことは、多くの方が覚えていらっしゃいました。

〇この土地に関しての詳しいお話に入る前に、今回、私が申し上げたい趣旨について整理しておきたいと思います。先ほど申し上げましたが、住民説明会が開催された後の本年4月に、住民の代表の方からこの土地の開発に関しての御相談をいただきました。住民の方々の心配事は、居住している近隣に資材置き場ができることで生じるダンプなどの大型車の出入りによる振動や騒音、具体的には土砂を置くということですので、その粉じんなど、具体的なものであることは十分に理解しております。そういった日々の生活にかかわる不安要素を軽減することも当然しっかりと取り組まなければなりません。
 しかし、それ以前の問題として、この場所について調べれば調べるほど、まず市に問うべきことは、過去に不法投棄された事実にそのまま蓋をされ続けてきたことについてであり、ここで少しずつ明るみに出てきた現実に対しての姿勢であると思っています。 中核市になったことで東京都から移譲された事務権限の中に、不法投棄、産廃は全て含まれているため、今回のような負の遺産への対応は全て市の意思で行うことになりましたので、この部分についてお聞きします。

〇まず、現在までのこの土地の経過についてお聞きします。一体いつごろからこの土地に変化があったのかということを、現状や場所をさらに御理解いただく意味も含めて、航空写真を見ていただきたいと思います。
 まず1枚目ですが、これが1984年、昭和59年の写真です。ちょうど国道16号バイパスの有料区間が茶色くなっており工事中です。この写真では、自然にできたため池のような池だった弁天池がしっかりと写真に写っています。

〇次は今の写真の5年後、1989年、平成元年の写真になります。明らかに大きく違うことがおわかりになると思います。弁天池があったあたりを見ますと、池は影も形もなくなっており、これ以降、現在までの航空写真では、地形は現在とほぼ同じです。

Q:この土地について、市が持っている情報についてお聞きしたいと思います。市独自及び中核市に移行するに当たって東京都から引き継いだ資料として、この土地の残土処理や不法投棄の記録はどの程度のものがありますか。それによって、今、私が問題視している時期の様子は知ることができますか。

A:中核市移行に伴い、平成13年度から平成26年度までの指導経過報告書や現場の写真など、都から引き継いでいる。それ以前については都に再度確認したが保存されておらず、関係所管にもない状況である。引き継いだ資料によると、コンクリートがらや鉄くず、自動車、古タイヤなど、投棄された廃棄物が合計1,400トン程度あると推測される。

Q:東京都から引き継いだ資料は平成13年度以降のもので、東京都は地表一面に放棄されたごみの処理に関して、現地で指導に当たっていたようですが、昭和60年前後を記憶する方から、その当時も東京都の職員が現地に出入りして指導していたという情報を確認しており、東京都は何らかのかかわりを持っていたことは間違いないと思っています。
 このような問題のある現場で結論に至っていない、もしくは処置に問題があったような案件に関しての資料は長期保存が当然だと思うのですが、東京都の文書保存期間などはどのような規定となっているのでしょうか。引き継ぎに際して処分してしまったとか、そういったことはないのか、また、そういったことを直接東京都に確認しているのかについてお聞きします。

A:当該案件の都における文書の保存年限がどの程度であったかはわかりかねるが、引き継ぎに際して処分されてしまったことはないと確認している。

◎(相澤要望)
文書保存期間に関して、問題があるものは半永久的にとっておくべきだろうと思いますので、市の今後の廃棄物関係の文書の保存期間に関してはきちんと検討していただきたいと思います。
近隣では過去に日興団地、旭ヶ丘団地、南側では北野台の開発、国道16号バイパスの建設などが行われています。こういった過去の建設記録の写真や図面、また、地元の方々の手持ちの写真の背景にこの土地が写り込んでいないか、そういった調査を行っていただき、少しでも多くの事実を洗い出していただきたいと思います。また写真といえば、市の税務関係の仕事では航空写真を活用するとお聞きしたことがあります。市の古い資料の中にも当該地の記録を語るものが残っているかもしれません。時代はデジタル化される前のことで、やや期待薄ではありますが、1つでも多くの事実を見つけ出していただけるようお願いします。

Q:この土地を歩いてみると実感しますが、相当に高く土砂が積み上がっています。これは推測ですが、以前弁天池があったあたりは、少なく見積もっても20メートル以上の土盛りがされていると思います。現在この土地では資材置き場をつくるための測量などの下準備のために表面のごみを分別し撤去しており、現場では、タイヤや車体、バッテリーなどの車関係のくず、アセチレンガスなどのボンベ類、鉄くず、ビニールくずなど、さまざまに大量に出てきています。
 先日、ここでこの分別の作業をされている方にお話をしました。ごみの量は多く、奥のほうを掘っていたら土木用の重機が地中から出てきたとおっしゃっておりました。ちょうど弁天池があったあたりだと思いますけれども、住民の方の記憶にある車や重機が捨ててあったという記憶は証明されています。土砂の正面を削るように掘っていますが、もともとの地山は出るはずもなく、土は白っぽく、余りよい土質ではないようで、細かなビニールや鉄、ガラスなどの取り切れないゴミが混ざっています。  既に廃棄物対策課をはじめ、市の関係部署にはこの土地の一連の問題点についてお話をしてあり、現地のごみの撤去の指導にも行っていただいております。市の対応についてお聞きしますが、現在行っているごみの撤去にはどのような形で関与していますか。また、撤去されているごみの処理に関してはいかがでしょうか。さらに、この作業はどの程度の期間、どの程度までのものを対象に行われていると確認しているかなど、現地での対応に関してお答えください。

A:現在、昨年12月に当該地を購入した新たな土地所有者が、市の指導に基づいて廃棄物の撤去処理を行っていて、具体的には、コンクリートがらや鉄くずなど、品目ごとに分別、選別し、専門の処理業者にて適正に処理されており、市もその状況を確認している。作業期間については未定だが、確認された廃棄物については撤去するように指導している。

◎(相澤要望)
現地のごみを処理している方々は割合前向きに行ってくださっていると、私自身も現地で作業を行っている方とお話をして、そのように感じました。しかしながら、土地は広大であり地元の方がおっしゃっているようなタンクローリーとかそんなものが入っていれば、ものすごい量であることも想定されます。強制力のない中で、先方の判断に委ねる形での処理では、余りにも不安定です。行政としてしっかりとした根拠を持って、方向性を見据えた対応検討が必要であり、まずこのことを庁内できちんと詰めていただきたいと要望いたします。

Q:過去の不法投棄や残土処理に関与しているのは田園都市開発株式会社という会社らしいということです。聞くところによるとこの会社は、多摩地区で調布や府中でもさまざまに地元自治体と問題を起こしていたとのことですが、現在は実態がなくなってしまっているようです。不法投棄や残土など、不正を行った者が実在していれば、その当事者に対して指導や法律や条例で定められている罰則などの処分、賠償などの費用請求を行えばよいわけですが、その者の実態がなくなってしまっている、時間の経過とともに当事者を特定できない場合などは、どのように対処するのかについてお聞きします。この土地のように残されてしまったごみや残土は、誰の責任において処理することになるのかについて、お答えください。 また、昭和50年以前は残土や不法投棄に関しての規制はなかったとお聞きしたことがありますが、過去のことも含めて、不法投棄に関してどのような法的な処分が下される仕組みになっているのかと、この土地に対して行われた不法投棄に関しての違法性についての考え方について、あわせてお答えください。

A:廃棄物処理法では不法投棄を行った者とその処理を委託した者が責任を負うことと定められ、改善命令などの対象であり、命令違反には厳しい処罰が設けられている。仮に御質問の時期にごみの埋め立てがなされたのであれば、不法投棄に当たる。都や警視庁など、関係機関と調整し、不法投棄を行った実行行為者とその処理を委託した排出事業者について調査し、処理責任を求め、改善命令などの処分を行う。命令に違反し、処理が進まない場合、法に基づく支障の除去等の強い措置も考えている。

※・・・・という回答でしたが、この回答は的が外れているように感じました・・by相澤

Q:この土地は現在でも湧き水があり、外部に流れ出ていますし、近隣には井戸もあります。何が捨てられたのかわからないまでも、廃棄物が住民の健康に影響があるのかどうか、八王子市の平成28年度予算には、産業廃棄物不適正処理対策経費として2,000万円の予算が計上されていますが、この費用を活用して調査することは可能でしょうか。

A:(資源循環部長)
産業廃棄物不適正処理対策経費は、土壌や水質など周辺地域の生活環境への支障を調査するために予算化したものであり、当該地においては土地所有者の合意を得た上で調査を実施していきたいと考える。

(環境部長)
土壌に関する調査については、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例がある。現時点では、ごみの撤去を行っているところなのでこの条例は適用されないが、掘削を伴う土地の改変を行う場合には東京都への届け出が必要となり、事業者への土壌調査の指導については都が判断をすることになる。

Q:調査の結果、汚染物質が検出された場合は、どのような措置をとることになりますか。また、調査の結果、住民の生活環境に支障があると判断をされた場合は、どのような対応となるかお答えください。

A:基準を超える汚染が判明した場合については、市は土壌汚染対策法に基づいて、汚染区域に指定し、公告することとなる。汚染区域の指定、公告に伴い、特定有害物質を人が摂取するおそれがあるときには、外部に汚染が漏れないよう、除去等の法的な指示、命令をすることになる。

Q:行政では自然環境を保全し守るために、さまざまな法律や条例、それらを活用した方策が考えられています。この土地は市街化調整区域ですから自然環境保護の観点からは、より手厚くされるべき場所に当たります。ただし、そういった考え方は今現在が正常な自然環境であることが前提でないと、おかしなことになってしまいます。この場所のように既に自然環境が相当に破壊されてしまっている場合は、どのように考えるべきなのでしょうか。一見、遠目に見れば緑に見えますけれども、谷戸であったところが廃棄物や残土でできた丘になり、表面上の廃棄物でもめていた平成14年から、既に15年近く経過していますが、該当する範囲には新たに木が1本も生えてこない、そのような土壌です。  自然環境保護の観点からは、この地域のベースとして埋め立てられてしまった現在の丘を見るのではなくて、健全な状態であったころの谷戸を見ていただきたい、できる限りその状況に近づけることを考えるべきだと思いますが、見解をお聞かせください。

A:どの程度の廃棄物が埋まっているのか、全体像が把握できていない状況であるが、現在見える範囲だけでも多くの廃棄物が放置されている状況や、加えて万一地下にも大量に埋まっているのであれば、それは良好な自然環境が保たれているとは言いがたい状況だと考える。  今後の土地利用に当たって、過去に投棄された廃棄物を全て搬出してもらうことが自然環境としては理想的な形であるが、現実問題としてどこまでできるのか、可能な限り対応してもらいたいと考える。 当該地は市街化調整区域に当たるため、基本的には緑を守っていくべき場所であると認識しているので、関連所管と連携し自然環境の回復が図られるよう指導していきたい。

◎(相澤要望)
この土地については、個人の所有ではありますが、地元の方々はもとの谷戸に戻ったらよいなと、当然のことのように希望は持っております。ごみや土砂をどこまで撤去するのか、自然環境をどこまで戻せるのかといったことは、全国的な前例を見ると、ある程度のところで妥協しなくてはならないことなのかもしれませんが、この妥協は生活環境や健康に将来にわたって支障がないということを証明していただいた上で、判明しているごみなどにきちんと対処していただく上で初めて成り立つ妥協ですので、対応に窮して手の打ちようがなくなったような妥協では許されませんと、住民の方々を代弁して強く申し上げさせていただきます。

Q:今後、今回の一般質問で取り上げた以上、町会や住民の方々は今まで以上に市の対応について興味を持って見ると思います。市の対応の詳細については、具体的なことは今後詳しく決めていくものだと思いますけれども、今後の対応における地域との連携について、どのようにしていっていただけるのか、お考えをお聞かせください。

A:不法投棄されていた当時の状況を知る上では地域の方の情報や連携は欠かせないと認識している。今後、地域の方の御意見、御要望を聞きながら、できる限り安全に廃棄物の撤去ができるよう指導していきたい。また、工事の進捗状況などの情報を発信するとともに、事業者には今後の事業展開も含め、誠意を持って丁寧な説明を行うよう働きかけていく。

Q:東京都との関係についてですが、もともと東京都が管理していた案件ですので、中核市となり権限移譲したので知らないと言わせてはならないと思います。こういった過去の事象が発覚した場合、東京都の全面的な協力を約束しておくことは重要なことだと考えますが御見解をお聞かせください。

A:中核市移行において東京都から産業廃棄物の事務を引き継ぐときに、都と市で確認書を取り交わしている。この確認書の中で過去の不法投棄や指導中の懸案現場については、技術的助言や情報提供など、必要な協力を都からもらうことを取り決めている。また、定期的に都や警視庁と情報連絡会を開催し、連携を密にとり、不法投棄撲滅を図るよう、効果的な指導法について検討しているところである。

Q:中核市となり権限移譲されることは決してよいことばかりではないですよと、私は中核市移行以前から申し上げていたわけですが、こうしたよくない事例は今後も発生する可能性は大いにあると思います。最後に、理事者に全般的な視点でお聞きしますが、八王子市は広大な土地のため、同様のケースはあり得ると考えておりますので、産業廃棄物不法投棄に対する方針や取り組み方をきちんと確立することが求められると思いますが、お考えをお聞かせください。

A:【駒沢広行副市長】
 市民の生活環境を脅かす不法投棄については許すことができない行為であり、過去に問題となった現場を含めて、市内部の監視指導体制を充実し東京都や警視庁などの関係機関との連携を強化しながら対応を図っていきたい。また、毎日きめ細かく監視パトロールを行い地域の方からの通報など、市民との協働により、小さな芽の段階で厳しく対処し、新たな不法投棄を発生させないよう努めるとともに、適正な廃棄物処理指導を徹底し、安全で安心なまちづくりを進めていきたい。

2. 八王子市立小中学校教員への研修教育について

Q:中核市となることにより、教育現場で新たに実施可能となった事柄に、八王子市立小中学校の教職員に対する独自の研修があります。市立の小中学校の教員は東京都の採用ですが、中核市である八王子市の学校に赴任する教員には、八王子市として独自の研修教育が実施できることとなりました。
中核市となって以降、八王子市に赴任している教員に対する八王子市独自の研修はどのようになっていますか。

A:本市では八王子市教員育成研修基本方針に基づいた新しい研修体系のもと、職層において求められる資質、能力を高める独自の研修を計画的に実施している。例えば本市の歴史や文化財等に理解を深める新規採用教員任用前研修や地域理解教材化研修、学園都市の特性を生かし、大学等との連携により教員の専門性を高める指導力パワーアップ研修、市民力を生かした地元企業や事業所の協力による企業等体験研修、地元企業の経営者を講師として招いた校長対象の学校マネジメント力向上研修等、本市の特色を生かした独自の教員研修を実施し、本市の教育に求められる教員の育成を図っている。

Q:意地悪問題のようで申し訳ないのですが、私がお聞きしたいのはもっと基本中の基本のような内容です。今、独自のカリキュラムについてお聞きしたのは、その中に今から申し上げるような事柄が入っていたらよいなと思ったからです。
 さて、本年4月に、ある小学校の入学式に参加いたしました。国歌に続き校歌を斉唱するのはどの学校でも同じなのでしょう。校歌を新1年生が歌えないのは当然のことですが、その脇に並んでいる教員の中に自校の校歌を全く歌えていない者がおり、また、数人は歌詞が書いてあると思われる紙を取り出して、それを見ながら歌っていました。驚きました。ちなみに、その小学校では新1年生歓迎のために、新2年生が1年生に向かい合う形で整列しており、この子たちは私たちに正面を向けているためよく見えましたが、新2年生はみんな大きな声で元気に歌っておりました。
 この事象に関して、どのような感想をお持ちになりますか。

A:入学してくる児童・生徒を温かく迎え、これからの学校生活に希望を持たせることや、学校に対する愛校心をはぐくんでいくためにも、たとえ4月に着任した教員であっても、入学式で積極的に校歌を歌う姿勢を示すことは大変重要であると考える。

Q:歌に関して、もう1つお聞きしますが、八王子市歌は果たして八王子市として大事にされているのでしょうか。例を一つお話ししますが、私の女房は長野県出身です。私の会社の先輩にも長野県出身の方が多数おられます。何が言いたいのかわかる方も多いと思いますが、長野県には日本一有名な県歌「信濃の国」という歌があります。小中学校の入学式や運動会、文化祭、卒業式、そして、それ以外にも事あるごとにこの歌は歌われているそうです。会社の宴会の締めも信濃の国、JRの駅でのベルがわりはもとより、県内至るところでこのメロディーが流れるそうです。昔は長野県の市町村内の一斉放送で1日に数回必ずこの歌が流され、今でも各家庭にある有線では定期的に信濃の国が流れるそうです。
 このことが非常に強い長野県民の自覚と誇りを作ったのではないかと思っています。郷土愛というのはこういうものを言うのだろうと、先輩や女房がごく自然に長野県を大切に思っている様子を目の当たりにすると、そのことを強く感じます。八王子市のさまざまな施策では、郷土愛をはぐくむとか、地域に根差したとかという言葉をよく発していますが、長野県のこの例に比較すると、具体的には何も行っていないに等しいのではないかと思います。
 郷土愛をはぐくむ観点から、せっかくすばらしい市歌があるのですから、これを活用したらどうか、小中学校の教育活動の場面で積極的に扱うことはできないのかと考えます。市歌に対する思い入れを強く展開することは、新たな八王子市の取り組みとして必要なことではないかと考えますが御見解をお聞かせください。

A:現在でも地域の祭りで市歌の演奏を吹奏楽部が行っている事例がある。また、周年行事の式典に向けて全校生徒が市歌の練習の取り組んでいる中学校がある。市制100周年ということを踏まえこの期間を、郷土愛をはぐくむ絶好の機会と捉えているので、市立の小中学校に対して、行事や集会等、教育活動のさまざまな場面において市歌を取り上げることについては、推奨して行きたいと思う。

Q:日本語が乱れているという、これは現代に始まったことではなく数十年も前から問題視されていたのだ思いますが、これが近年、ひど過ぎる状況になっています。  私は、自分の子どもに正しく日本語を使うように厳しく言っております。例えば、何とかでさとか、何々がさといった、「さ」といった音を連発する話し方は注意してきました。また、最近、どちらが正しいのかわからなくなってしまったほど誰も気にしていない「ら抜き言葉」に関してもなるべく使わないように注意しています。家庭では、女房にもこういった言葉を使わないように、まずは大人が注意して改めてみようと実行してみたところ、数ヵ月で子どもたちはこういった言葉を使わなくなりました。
 この4月にその子どもが学校に入学しましたので、行事に参加をする機会ができましたが、先生の言葉遣いを聞いて、がっかりしました。接した先生全てということではなく、一部の方なのですが、「さ」を連発する先生、自身が発している言葉が、ら抜き言葉であることすら意識していない方。
 小学校1年生の授業には国語が多くあります。さすがに教科書に、ら抜き言葉で書かれている文章はありませんでしたが、ふだんの生活の中でもしっかりと正しい日本語を覚えさせることは、先生の最低限の使命ではないかと思います。最近の日本語が乱れている中で、日本語を正しく話す大切さを八王子市教育委員会に理解していただけるのであれば、八王子市独自の教育研修を通じて、まずは先生に正しい日本語など、日本人として基本的な資質を身につけさせることはできないのでしょうか。

A:本市独自の教員研修として、昨年度から初任者の教員を対象として、接遇マナー、コミュニケーション能力向上研修を実施している。これは、初任者の教員に対して市の新規採用教員と同様の接遇研修を受講させることで、市立の学校に勤務する者としての自覚をはぐくむとともに、社会人としての最低限基本的な資質を身につけさせるということを目的としている。具体的には、正しい言葉遣いや電話対応の実演、コミュニケーションスキルを向上させるためのグループディスカッション等を通して、実践的に基本的な資質が身につくような研修プログラムを構成している。

◎(相澤要望)
お聞きしたことはどれも基本中の基本、それ以前のような問題でございますので、まずはそこからしっかりと行っていただき、その上で市としての独自の取り組みを乗せていただくようお願いいたします。
 当たり前のことを誰もがわかっているだろうと放っておいたら、実は当たり前でなくなってきてしまっている現代社会は、危機的状況だと大いに危惧しております。
 日本人であるということはどういうことだと思いますか。日本の領土に住んでいるから日本人だということではありませんし、主義主張や宗教、信仰、政治信条でもありません。結局、日本人だということは、日本人の内面、外面に生きる伝統や文化、そして、それらが集約される正しい日本語を使うということになるのだと思います。日本人として正しい日本語が使えなくなるということは、国の一大事に匹敵する大問題ですから、日本語が乱れ切ってしまっている現代に危機感を感じていただき、教育の場でまずは正しい日本語を大切にした取り組みを行っていただけるようお願いいたします。

相沢こうた
八王子市議会議員