八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.44「議会報告」

平成27年第3回(9月)定例議会

≪一般質問≫

1.まちの灯りの効率化
2.旭町・明神町地区周辺まちづくり

1.まちの灯りの効率化について

〇私は過去に、平成23年から一般質問で二度、予算等審査特別委員会で一度、市内の防犯灯等のまち灯りの管理方法を、厳正的確管理の観点から、現行の管理手法の全面的な見直しを行うべきであると提案させていただきましたが、残念ながら、市側の腰は重く、何も大きく変わることなく、月日だけがむなしく過ぎております。

しかし、時代の流れでしょうか、ここ数年は近隣他市において非常に有効な方法により、行政が管理するまち灯り全般について、設備費・維持費・電気料金などの削減と同時に、省エネ化を図る取り組みが積極的に実施されるようになってきました。今回は、そういった他市の事例をもとに、再度、八王子市のまち灯り全般の大幅な設備更新と、管理方法見直しについて提案をいたします。

〇まず八王子市内の公共に設置してある照明は、大きく4つの種類があります。その種類ごとの数量と管理箇所、年間予算について簡単に申し上げます。

道路照明として設置されている街路灯、これは市内の市道分のみ、都道と国道は管理箇所が市ではないので省きますが、約1万6,800灯あり、管理箇所は道路交通部になります。この年間予算は、電気料金を含めて約3億7,000万円です。

路地などに設置してある防犯が約2万8,000灯あり、八王子市の場合これらのほとんどは町会で管理しています。担当は市民活動推進部協働推進課となっており、年間予算は、電気料金を含めて1億7,000万円です。

そのほかに商店街灯があります。商店街灯は、設置から管理運営まで商店会が行うことになっています。市はそれらのうち、設置間隔25メートルに1本程度を防犯灯の扱いとし、その分のみの修繕費と電気料金を補助しています。協働推進課が担当箇所となっており、年間予算は防犯灯に含まれます。
そのほかに公園灯が約3,500灯、管理箇所は公園課で、年間予算は約5,550万円となっています。

これらの役割は、主に市民の夜間の安心・安全を確保することにあり、市内の夜を照らす明かりなのに、幾つもの部署に管理が分かれていることは、設備そのものの技術的な面、また業務展開、さらに安心・安全なまちづくりや景観形成などの面でも非効率であるため、これらを見直して、管理面や金銭面でも厳正的確管理ができる方法に移行すべきだと、過去に御提案申し上げました。これらのうち、特に防犯灯に関しては、詳しくお話をさせていただき、問題点を御理解いただき、今後、検討するという回答まではいただきました。

Q:道路照明、街路灯についてですが、道路照明灯は比較的照度が高く、広範囲を照らす必要があるため、照度の強い光源が使ってあり、その主流が水銀灯ですが、水銀に関しては、2020年に、水銀を使った製品の規制がかかります。これは、水銀による汚染防止を目指した水銀に関する水俣条約=水銀条約と呼びますが、国連環境計画の外交会議で採択、署名され、この条例により、水銀を使った製品の製造や輸出入が2020年に原則禁止されることが決まっています。
 水銀条約は、水銀や水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約で、2013年10月10日に熊本県熊本市で採択、署名されました。本条約の目的は、先進国と途上国が協力して、水銀の供給や使用、排出、廃棄などの各段階で総合的な対策に取り組み、水銀の人為的な排出を削減し、地球規模での水銀汚染の防止を目指すものとなっております。
 日本は先進国ですし、過去に、水銀による公害である水俣病を経験している国として当然のことですが、率先して2020年より前から、水銀の使用を解消していく取り組みが必要だと考えます。すなわち、 あと5年で水銀灯を優先的に他の光源にかえる必要があります。
 これらに関連してお聞きしますが、道路照明灯で、現在、水銀灯が使用してある数はどの程度あるのか。さらに、それらをすべて取りかえるとすると、取りかえ費用の目算はどの程度になるかについてお答えください。

A:水銀灯の総数は、約1万900基。取替え費用の目算は、ランプ交換だけを前提とした場合、現行のセラミックメタルハライドランプに設置替えをした場合約5億円。LEDランプに替えると約20億円と試算する。

 

 

Q:防犯灯についてですが、私は八王子市における防犯灯の管理方法について、特に問題視しております。過去の質問では相当詳しく行っておりますが、本日は、問題視していることを簡潔に申し上げます。
八王子市は防犯灯の管理を町会にて行っています。このことが厳正的確管理という視点から相当にかけ離れた状況をつくってしまっています。町会にどこまでの厳正管理を求めるのか、また求められるのかという部分の考え方が抜けており、管理方法の指導や検査が行われていません。
 そもそも防犯灯の設置台数は、市が直接管理を行っている他の自治体での照合結果を見ても、1割から2割程度、現地と台帳の数が合っていません。また契約電力の相違も同じ程度あるようです。直接管理を行っていて相当の誤差が生じている例から考えますと、恐らく本市も相当数の誤差があると推測しますが、町会に現地調査から照明の型番や契約電力まで精査していただくことは不可能であり、現状の管理体制では厳正管理のレベルを上げることは不可能です。
 また、町会加入率が伸び悩んでいる中で、町会負担が発生する防犯灯の新設工事は、加入者と未加入者の負担が不公平であること、学校や企業、人の通行が多いところでも町会管理となっていますが、こういった場所はまちづくりや市民の安全確保の観点から市で管理すべきであり、そういった場所が多いと感じること、LED化など新技術の導入や移行には大変不便であること、防犯灯新設や修繕工事の発注も町会で実施するため、作業の安全管理を含めた適正管理ができていないし、できないこと、余りに細かな管理を要求すればするほど、町会の負担になってしまうため、現行の管理方法以上の要求は現実的には無理であることなど、それらがそれぞれに大きな問題だと指摘させていただいております。
 市側の答弁では、町会の安全意識の醸成のために、防犯灯管理は町会で実施させるという言葉が多く聞かれましたが、安全意識の醸成ならば、安全パトロールなども多くの町会が実施していますので、そちらのほうを積極的に生かすべきだと思います。
 また、町会に防犯灯1灯当たり年間一律700円の修繕費が支給されていますが、この金額は照明種別にかかわらず一律であり、これは余りにもアバウトで、この金額に、これも数量がはっきりしない防犯灯の灯数を掛け算して支給していることは不適切だと指摘させていただいております。
 安全意識の醸成や町会活動の支援であれば、きちんと安全活動費など違った名目で支給して、町会活動に生かしていただければよいだけだと申し上げましたが、検討経過をお聞きしていません。
 これらを総合して、さまざまな部分で厳正的確管理という言葉からかけ離れた運営をされていると、改善を求めているわけです。
 検討状況に関してお聞きますが、改善のためには市の一括管理に移行していただきたいと強く要望し、検討するとの御回答はいただいておりますが、防犯灯に関して今までどのような検討をされたのか、また、いまだに一括管理に移行できていない最大の理由は何なのかについてお答えください。

A:防犯灯については、町会自治会連合会と、その管理方法について意見交換を行い、その中で、防犯の取り組みの一環として引き続き管理をという御意見もいただいている。しかし、議員のこれまでの意見も承知しており、具体的に着手できるところから進めていくことも必要だと考えている点もある。効率的な管理方法にいて、今後とも町会自治会連合会と協議をいく考えである。

Q:次は商店街灯です。商店街灯は基本的には商店会が自前で設置して、みずから修繕費や電気料金を負担しています。市はそれらのうちの一部分を防犯灯扱いとして、それに見合う分だけの修繕費と電気料金を補助しています。個人商店の営業が厳しい昨今は、商店街灯の負担感が増しており、維持できないと訴える商店会が増えています。これらのうち、中心市街地においては、市に商店街灯の設備移管をしてもらい、以降、市の設備として運用していく中心市街地街の灯り整備事業が議会で承認されました。しかし、実施された商店街はまだなく、中心市街地の商店街からは一刻も早い実施を望む声をお聞きします。また、商店会として運営が苦しいのは中心市街地に限りませんので、中心市街地のみの市への移管にとどまらず、近々に市内全域の商店街灯に対して同様の策を施す必要があると感じています。
 中心市街地の商店街灯に関してお聞きしますが、整備事業の今後の予定についてお答えください。

A:中心市街地街の灯り整備事業は、街路整備に合わせて進める事業であり、今年度から子安神社通り及び市道八王子165号線の街路整備とともに実施する予定。来年度以降も街路整備に合わせて順次整備をしていく計画である。
☆中心市街地の商店街灯に関しての市の方針は、議会の承認を既に得ている訳ですので、一刻も早く、見える形で取り組んでいただくことをお願いします。

Q:4つ目に公園灯です。公園灯は独立柱で、割合照度の高い照明が設置してあるところが多かったのですが、東日本大震災以降の省エネ化を受けて、消費電力の少ないものにかえた経過があります。
しかし、ただ替えただけと思われる場所が多く、照度や色調などが綿密に計算されたものではなく、また他の照明と管理箇所がばらばらである弊害から、防犯灯や道路照明などと整合がとれていない場所が目につきます。水銀を使用しているものもあると思いますので、さまざまに多くの改善の余地があると考えます。公園灯の通常の管理方法はどのようになっているのか、日常管理方法についてお答えください。

A:公園灯は公園課職員または指定管理者が公園の清掃、樹木の剪定等の維持管理作業の中で、巡回する中で、目視により柱や灯具の破損の有無を調べている。点検や、市民からの連絡により、点灯していない箇所を発見した場合には、原因を調べた上で、電球交換や器具の修繕等を行っている。

Q:省エネ化のことについてお聞きします。照明関係の省エネ化といえば、LED照明にかえることだということは、もはや万人が承知のことです。LED照明の利点は、同じ明るさを得るための消費電力が少なくて済むこと、照明そのものの耐用年数がとても長いので、一度付けてしまえば、従来の照明の数倍の期間は、球切れによる交換の手間は発生しないことです。また、耐用年数が近づいても、フィラメントのように一瞬で切れてつかなくなるということではなくて、LEDは少しずつ照度が落ちてくる形で耐用年数を迎えますので、街路灯などが突然真っ暗になることがありませんので、そういった点も利点です。
 課題は、少しずつ値段が下がってきているとはいっても、従来型の照明に比較すれば価格が高いということ、また、さまざまな商品が出ていますが、商品によっては、特に海外製品などは照度が規格に足りない。光がきつくて、直線的で、目に残像が残ってしまう。照明の真下しか照らさず、周囲が暗いなどの、製品の性能上の不具合がある他、LEDの割に耐用年数が短いなど、製品として未熟なものも多く出回っています。要するに、LEDだから何でもよいものというわけではないということは理解しておく必要があります。
 現在、八王子市で街路灯、防犯灯、公園灯、商店街灯で既にLED化されているものはどの程度りますか。

A:道路照明灯 200基、防犯灯 5000基、公園灯 70基。

Q:LED化の際には、器具の規格などについて規定を設けていますか。

A:道路照明灯は既設の灯具等を生かすため、個々の灯具に適合するランプや安定器を選定して設置している。防犯灯は照明器具の規格は、設定をしていない。

Q:現在のままの管理体制と資金繰りで、今のペースのままLED化に取り組んで行くとしたら、いつごろにその作業が完了するのか。大体の数字で結構ですので、全数LED化の計画の有無と共に、推定をお示しください。

A:道路照明に関してのLED化の考え方は、現在小型照明灯につきましてはLED化を行っているが、大型照明灯については、初期投資のコストや、徐々に照度が低下することによる交換時期の難しさ、性能の信頼性などを含め、導入においては慎重に検討しているところである。
 全数LED化した場合の作業の完了の推定は、試算では約50年かかることとなる。
公園灯については、都の基準に準じているが、基準では使用する電球については省エネを考慮するとされているのみで、LEDの導入については明確になっていないため、今のところ、公園灯のすべてをLED化する計画はない。尚、全てのLED化を現行予算で実施するとした場合は50年か60年かかると見込んでいる。
☆街路灯と公園灯について、もしもLED化したらとお聞きしましたが「予定はないけれども、今のペースでいけば50年かかる」ということです。一言でLED化といっても、これほど大変なことなのだということは認識すべきことです。予算的な制約がある中では、現在の八王子市の屋外照明灯管理の手法では到底無理なことのようです。

Q:他の行政において新たな動きが出てきておりますので、二通りの例を御紹介いたします。
 1つは、メーカーの商法の1つであるリースを活用する例です。すべての屋外照明類を、メーカーのリース品として一気にLEDに替えてしまうもので、リース料ですから、LEDへの交換時に、その費用全額を支払うわけではなく、あくまでもLEDの耐用年数で割った均等額を支払うことで、市内の屋外照明灯を一気にすべてLED化してしまうというものです。この場合、従来の予算額内におさまることが条件になります。
 2つ目は、神奈川県の横須賀市や鎌倉市など、既に多くの自治体で導入されている例で、専門の屋外照明を管理する会社と、10年単位程度の長期にわたる照明設備のLED化と、一切の補修、管理を含めた複数年契約をして、初年度に現場調査による管理数量チェック、その後、LED化まですべて実施させてしまい、その後の契約期間中は、球切れや事故などによる電球交換などの受付窓口から現場対応までの保守、維持管理業務を主体として委託契約が継続していきます。
 この方式では、初年度に発生するLED化に必要な費用、先ほど5億円とか20億円とか言っていた費用ですが、それを管理会社が負担し、行政側は、契約期間に分割払いのような形で、管理費という名目で均等に支出していきます。リースと違い、維持管理まですべてを含みますので、契約初年度に照明灯の数量合わせを実施するほか、緊急対応も委託側の仕事となりますから、市の担当部署はそれぞれに煩わしい街路灯、防犯灯管理等から解放されます。
 今まで屋外照明関係に複数の部署で労力を割いていただいていた職員の方々の負担はなくなり、人材の有効活用による効率化も図れます。設備面、費用面、人材面といった多角的な効率化が図れることになり、この方式をすぐにでも検討し導入する気概で取り組んでいただきたいと、強く要望いたします。
 最後に市長にお聞きしますが、現状でも毎年発生してしまう屋外照明灯にかかわる予算を削減しつつ、今申し上げた現状の問題点を解消する、他市でも積極的に導入されている手法を本市でも用いて、全灯LED化による省エネ、そして市民の夜間の安心・安全の向上に早急に取り組んでいただきたいと思いますけれども御見解をお聞かせください。

A:【石森孝志市長】
 省エネ対策として市が街路灯などのLED化を積極的に進めるべきだ、そういった御質問でございました。街路灯などの電気料金等につきましては、市全体で約6億円となっておりまして、経費削減のため、省エネ対策を進めていかなければならないことは承知をしております。そのためには、議員の御提案いただいた方策や、あるいは省エネにつながる新たな製品の導入など、それぞれの管理実態に合わせた効率的な手法を検討し、省エネ対策を着実に進めてまいりたいと考えております。

2.旭町・明神町周辺まちづくりについて

Q:旭町・明神町地区につきましては、八王子市の中心市街地として恐らく最後の大型の地区開発であると思っておりますし、地域からも、このプロジェクトに大変期待をしており、八王子の中心市街地活性化の起爆剤になってほしいという声を多くお聞きします。
 本事業推進に当たっては、現在老朽化している東京都の合同庁舎建て替え、保健所の移設と合わせた多摩地区最大の産業交流拠点整備が実施された後、京王プラザホテルに隣接する旭町地区の再開発、それらに付随して商業地域やまちなかのオープンスペースの設置、歩行路の整備など、多岐にわたる計画が、既にある程度の青写真として示されています。合同庁舎を初めとして、東京都の施設整備が深く影響しますので、現在は東京都と計画についての整合を図っている時期であろうと推測します。
 まず、これらについての工程を確認させていただきたいと思いますが、産業交流拠点等複合施設と旭町地区事業の完成をいつごろと考えておられるのか、お答えください。

A:産業交流拠点等複合施設については、現在、施設の規模や配置を示す基本計画の策定を進めている。平成27年度内には基本設計に着手し、その後、実施設計を行い、工事へと進めていくこととしている。完成までには5年程度の期間を要するものと考えている。
 旭町地区については、産業交流拠点等複合施設の完成後に着手し、おおむね3年をかけて整備していくことを目指している。

Q:同地区は、八王子市環境基本計画の基本施策、及び八王子ビジョン2022アクションプランにおいて、八王子の低炭素型まちづくりを推進していくことが明記されています。これは、現在、旭町に設置してある地域熱暖房のプラントから、京王プラザホテルと東急スクエアビルに地下のパイプラインを使って熱供給されていますが、その地域冷暖房をさらに活用し、充実させて、多摩で唯一の地域熱供給を有効活用した低炭素型まちづくりを手がける地域にしようというものです。
 今後、旭町・明神町地区の施設を初めとする周辺各ビル施設においても、地域熱供給システムを導入することが予測されます。旭町プラントは、熱供給区域が広がると、現在の施設では供給能力が足りなくなり、この一連の地区整備に合わせて、移築増強を予定しているとお聞きしています。
 地域熱供給は23区内では多く導入されていますが多摩地区では導入例がなく、これを八王子市が進めていくことは大変意義のあることだと注視しております。
この地区の低炭素型まちづくりの推進に関する地域熱供給の扱いについて、具体的にどのような考えで進めますか。

A:地域冷暖房システムは、大気汚染の防止や省エネルギーの推進など、都市環境の向上を図ることを目的に導入されたものであり、旭町・明神町地区のまちづくりにおいても積極的に導入を促すとともに、事業に伴う供給施設の改変に当たっては、将来的な利用者の拡大を見据えて、まちの姿とそごを来さないよう必要な措置を講じていく。

Q:旭町・明神町地区の将来的なまちづくりのコンセプトについてです。明神町に建設される複合施設は、産業交流拠点という名前がついています。本市が2011年に打ち出しているこの地区のまちづくりの基本コンセプトの中には、「多摩シリコンバレーの形成に向けた都域を越える広域的な産業交流拠点を活用し、産・学・公をはじめとする多様な交流や連携を促進するまち」というものがあります。この地区のまちづくりでは、産業というものを意識しており、現在の中心市街地とは少し趣の異なるイメージを持っていると理解しております。
先日、市内に社の本拠地的職場を置く、KM社から御提案がありました。繊維に色を染めることを捺染といいますが、印刷機のインクジェットの技術を応用して繊維にプリントする機械を製造し世界的に販売展開しいるKM社は、常々地域への貢献がしたいとお考えになっておられたということで、八王子市の歴史ある織物産業に着目され、地域産業である織物に、地域企業であるKM社が開発した機械をコラボさせて、何かできませんかというご相談をいただいたのです。
 例えば、織物工業組合では、繊維業の活性化のために、市内美大生などの協力で、新たな商品開発や研究を行っています。こういったものと合わせることで、この地区のまちづくりにうたっている産・学・公が一体となった取り組みが具体的にかなうのではないかと思っています。
 具体的には、産業交流拠点周辺に、今回の例で言えば、KM社と織物産業が一体となった展示スペースを設け、その運営や企画、実演などに学生に多くかかわっていただきます。また、この展示場には織物産業の歴史として機織り機や製品を、また、企業のKM社の製品など、企業側のPRができるコーナーも設ける。そのような企画を市が音頭取りをして実現できないものでしょうか。
 本市には織物以外にも、歴史ある産業はさまざまにありますし、他の大きな企業や、特徴のある企業も多くありますので、組み合わせによって地域活性化と企業PRを兼ねた展示場を次々に実現していくことで、産業交流拠点という名前を生かせる、特徴のあるまちづくりが果たせるものではないかと考えるのであります。
 地域再開発を果たしても、その周辺がパチンコ屋と飲食店ばかりでは何の意味もありません。せっかく産業交流拠点という名称がつき、各地からこの拠点を利用していただく企業を募りたいのであれば、産業という名にふさわしい地域と雰囲気づくり、そして産業を大事にしている市の姿勢をしっかりとアピールできるものにしていかなくてはならないと思います。この地域のまちづくりに、地域産業をテーマとして、産業交流拠点という名と施設を生かしたまちづくりを進めるべきだと思いますがお考えをお聞かせください。

A:【村松満副市長】
 議員の御提案につきましては、大変興味深くお伺いをいたしました。東京都の産業交流拠点を核とした旭町・明神町地区周辺のまちづくりは、本市にとって最も重要なプロジェクトの1つでございます。
御提案のような視点につきましても、さらなる産業交流の活性化に資する取り組みとして、今後の参考とさせていただきたいと考えております。

相沢こうた
八王子市議会議員