一般質問の内容についてご報告させていただきます。
Q:八王子駅とその周辺は八王子市の顔となる地域で、私も過去に数回、このテーマでお話しましたし、他の議員からも様々に問題提起がされており、立川や町田の近隣駅と比較した発言が多いと思います。行政は様々に施策を行っているようですが、残念ながらその成果が見えにくい状況です。現状を整理しながら、今後の対応について質問したいと思います。
余り昔から振り返っても仕方ありませんので、平成16年、第I期の都市再生整備計画以降に絞って質問します。都市再生整備計画は平成16年から20年が第Ⅰ期、平成21年から25年の機関で第Ⅱ期が申請されており、○八王子駅周辺の交通バリアフリー化の推進により人に優しいもてなしの歩行空間を形成する ○中央道八王子インターチェンジ周辺の整備 ○ひよどり山有料道路の有効活用で広域集客体制を確立する ○八王子駅周辺を基軸とした広域的集客を可能とする拠点形成 ○八王子駅南口周辺の都市再生を図り、都市中心拠点としての機能強化を図る ○市民の利便性を強化した機能の充実や集いの空間を創出し、駅周辺の活性化を図る ○八王子駅南口周辺の公園や湧水を活用した回遊性ルートの開発などとなっています。
過去に実施した市民アンケートでは、中心市街地施策として、しゃれたカフェ・飲食店、無料駐車場、映画館、コンサートホールなどを要望する声が多く、残念ながら、これらは未だに実現されていないものが多いように思います。
第Ⅰ期では道の駅、第II期は南口再開発が実施されましたが、それらとは別に、附帯して書いてある街の問題点は、大変よいところをとらえており、そちらまで手が回っていないことがもったいない感じがします。
まず1つ目の質問ですが、これらの第I期、第II期の都市再生整備の成果をどのように評価しているのかお答えください。
A:成果の1つに、道の駅八王子滝山があり、オープン以来、5年連続で100万人を超える来場者を迎え、地産地消の拠点とて、地元の農業振興に大きく寄与したにぎわいのある施設となっている。南口オリンパスホール八王子も、芸術文化の振興、活動の場としまして、年間30万人を超える多くの利用者の方に御利用いただいており高く評価している。
更に、ユーロードのリニューアル、八王子駅南北自由通路の整備に加えて、現在マルベリーブリッジの延伸も進めており、これらにより、来訪者の回遊性などがさらに高められるものと考えている。
今後これらの施設をいかに生かし、街のにぎわいに結びつけていくかということが大きな課題と考えている。
Q:乗降者数などの現状を具体的な数字を示して質問をしたいと思います。
JR東日本の平成23年の1日当たりの乗者数の統計では、八王子駅は8万1,474人です。この数字は、JR東日本管内で第50位です。参考ですが八王子駅より下位には、浦和駅7万8,807人で51位、原宿6万9,750人で58位、宮城県の仙台駅6万4,498人で62位、橋本駅6万241人で70位となっています。立川15万5,868人で15位、町田10万9,042人で27位と八王子駅より上位となっています。
駅からの人の流れということで、正式な数値はないのですが降者客数を単純に乗車客数の倍として考えると八王子駅の場合は約16万3,000人となります。更に近接する私鉄などの乗降客も合わせて考えたいので、京王八王子駅を見ますと、ここは乗車、降車合わせて1日約5万7,000人というデータがあり、これをJRへの乗りかえ人数を半分程度と仮定し差し引いても、JRと京王を合わせると1日当たり八王子駅周辺では20万人を超える乗降客があることになります。残念ながら、現在の中心市街地への人出を見ると、20万人を超える人が毎日乗降している実感がわきません。
これらの現状について質問しますが、20万人を超える乗降客を生かす取り組みから、まちのにぎわいを創出できると私は考えますけれども、駅の利用者、乗降客をまちに引き込む取り組みとして過去に実施したものがあれば、その内容を含めてお答えいただきたいと思います。
A:駅の利用者や乗降客をまちに引き込む取り組みについては、これまで商工会議所や中心市街地の商店街等と連携し、西放射線ユーロードで年間30回以上のイベントを実施したり、テーマを定めて、魅力ある個店などを紹介するエリアマップの発行により、集客を図ることに取り組んできた。また、10月25日、セレオ北館のオープンに合わせて、中心市街地の大型店と個店とを1つの冊子にまとめた八王子まち便利帳が発行された。
こうした取り組みを充実させるとともに、10月20日にJR八王子駅前に開設した八王子インフォメーションセンターにおいて、JR八王子駅と京王八王子駅の乗降客を明確な対象として、積極的にまちの情報、あるいは観光情報の提供を行い、にぎわいの創出と回遊性の促進に努めたいと考えている。
Q:八王子の中心市街地のまちづくりが進展しない原因1つとして、全体計画が見えづらい、または部分的な改良ばかり行われていて、全体のバランスが考慮されていないと、過去に何度か問題提起をしました。それを受けて、本年6月の補正予算で、八王子駅周辺地区まちづくり推進として、中心市街地の将来像を見据えたまちづくりの方向性を示す、絵を描く施策が予算化されています。私はこの取り組みに大いに期待をしています。私の予想では、全体構造図は、口で言うのは簡単ですが、大変複雑なものになると思っていますし、作成の段階では、今まで個々に考えていたものを合わせてみると整合性がとれず、矛盾が生じて、同じ図面の中にあらわせないものが出てくると予想していますが、進捗状況と、作成段階での課題などについてお答えください。
A:現在、八王子駅周辺で計画している各種事業について確認し、市民の皆様に理解されやすいように、全体として取りまとめる際の表現方法の工夫を行っているところ。今後、各種事業を生かしつつ、ソフト施策も十分考慮に入れて、市民と協働で、今回得られる成果を、八王子駅周辺全体のグランドデザインづくりにつなげたいと考えており、その際、必要となる各種事業間の調整なども適切に行いたいと考えている。
Q:現在の八王子駅周辺を見ますと、新たなものも含めて、幾つもの課題が露呈しています。八王子駅南口を見ると、再開発事業が平成22年11月に竣工しましたが、私が見る限り、にぎわいの創出は、期待されたほどのものはなく、追って施工されるはずだったJR貨物の商業ビルは、病院・医療ビルに変更され、既に当初描いていていたまちの予想図とのずれが生じています。
北口は、ことし1月にそごうが撤退した後、先日、JRのテナントショップとしてセレオがオープンしました。ここは一定のにぎわいを見せているようですが、セレオのほうに東急スクエアビルから移転してしまった店舗が多数あり、東急スクエアビルでは店舗に空き家が生じ、客足が激減して閑散としています。
これらは割合最近の問題点ですが、あわせて、中心市街地商店街、甲州街道商店街の活性化など、取り組みが実を結んでいない諸問題があります。私には、セレオと東急スクエアの現状が、今までの八王子市の取り組みを象徴しているように映ります。そごうが出ていってしまい、大変だ、大変だと駅ビルにばかり目が行ってしまい、セレオが入って一段落。さて、周りを見たら、今度は東急だといった、何ともお粗末な感じがして、1つのボールを追いかけ回して、フィールドに空きスペースだらけの子どものサッカーを見ているような感じがしてなりません。
質問をいたしますが、これら、こういった最近の問題点は何であるか、市として問題意識を持っているものに関して、具体的にお答えください。
A:これまで主に個々の商店街あるいは店舗、そしてグループといったものに対し、イベントの支援や商店街の活性化に取り組んでいるが、今後は、中心市街地のエリア全体をとらえた取り組みが課題であると考えており、本年7月に発足した中心市街地の9商店街が参加した一般社団法人まちづくり八王子など、中心市街地全体の活性化に取り組み始めているところ。
Q:市の予算には限りがあり、近年は扶助費の割合が増加し続けており、余計にまちづくりにかける予算は少なくなっています。その予算の中で、継ぎはぎ的に順番待ちをしながら、まちの改善を部分的に行っていくと、八王子市の中心市街地として位置づけされている範囲は結構広いので、市民からは、果たしてどこをいじったのかわからない程度の改善しかできません。
他のまちに視察に行かせていただく機会がありますが、まちを挙げて勝負をかけたまちのイメージチェンジに、あちらこちらで遭遇いたします。こういったケースで成功しているのは、綿密な計画のもとで、行政と市民が一体となり、思い切った改善を仕掛けたところです。恐らく通常の予算だけでは足りず、数年間の積み立て、募金、国や県の補助事業、借金など、ケースによって相違はあるでしょうが、間違いなく通常以上の資金投入をしています。
私は、八王子市の中心市街地も、少々お金を借りてでも勝負することが必要ではないかと考えます。ちまちまと何をやっているのかわからない部分的な投資を続けるのでは、衰退するスピードを緩めている程度の効果しか得られないのではないかと思います。思い切った投資をして、まちに活気をもたらし、結果として人出が戻り、繁盛して、その結果、税収がふえるといったような投資的な考え方で取り組むことも必要だと考えます。
市長にお聞きしますが、こういった投資的な考え方について、どのような見解をお持ちか、攻めのまちづくりの観点も含めてお答えください。
A(石森孝志市長)
攻めのまちづくりの進め方も含めた投資的な考え方についてでありますが、投資に見合う効果であるリターンが見込まれる事業については、戦略的に投資を行うことが必要であります。市が積極的な姿勢を示すことで、民間の投資的意欲も高まり、官民一体となった攻めのまちづくりにつながると確信しております。その結果、八王子の顔である駅周辺部のにぎわいにつながり、それがひいては八王子全体の活性化にも波及し、多摩のリーディングシティーとして確固たる地位が築けるものと考えております。
Q:現状の八王子市周辺の改善が必要だろうと考えるところについて、私が思うところを申し上げます。
まず、現在既に発注されている北口のペデストリアンデッキの延伸は、京王八王子側だけであることが残念です。ペデストリアンデッキをせっかくつくるのであれば、余り期間をあけずに継続して行うべきだと思い、その計画を具体化すねことは、東急スクエアの側の衰退が起こらないための歯どめになると考えます。
また、以前から市民要望が高かった北口バスロータリーの見直し改善は、その上部のデッキの工事に合わせて実施するべきだと思います。ここまで北口駅前をいじるのであれば、北口交番前の公衆トイレの改善なども当然あわせて実施するべきだと思います。
また、旭町・明神町の大幅なまちづくり計画を控えているのですから、JRから京王を結ぶ東放射線通りの歩道拡幅は率先して実施する必要がありますし、あわせて京王八王子駅前のにぎわいの創出について具体的に考えてはいかがでしょうか。
立川や町田にもたまに酒を飲みに立ち寄りますが、はっきり申し上げて、双方とも同じようなまちのつくりだと感じます。八王子が目指す魅力あるまちとは、重点を雰囲気づくりに傾注してはいかがでしょうか。他市と比較されるのは、同じような分類をされる、特徴のない街だからで、そういうものとは比較できない、特徴で勝負したらどうかと思います。
これらをまとめて第Ⅲ期都市再生計画として、国の補助金対象事業として行っていただきたいと考えます。
石森市長はどのようにお考えか。中心市街地の活性化に勝負をおかけになったらよろしいのではないかと思いますが、第Ⅲ期都市再生計画策定の可能性と、市長の中心市街地活性化にかける気持ちと考えをお答えください。
A:(石森孝志市長)
次期都市再生整備計画の策定と、まちの活性化についてでありますが、今後のまちづくりにおいては、八王子の歴史と文化に根差した、特色ある八王子駅周辺のグランドデザインを描きながら、市政運営の柱である活力ある、魅力あふれるまちの実現に向け、投資すべき事業には積極的に投資してまいりたいと考えております。そのため、必要となる個々の事業について、都市再生整備計画の策定による補助金等の活用も十分に検討し、その実現に向けて施策展開をしてまいりたいと考えております。